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免疫力と言う神秘!
私たちの身体は、免疫という自然治癒力のお陰で、さまざまな病気から日々守られて
います。しかし私たちの身体には、免疫と言う特定の器官などはありません。それは
骨随、胸腺、脾臓、リンパ節、扁桃、血管、皮膚、腸管などの各器官や組織が協力し
あって構成された免疫系によるものです。
これらの各器官や組織などによる免疫系(自然免疫系、獲得免疫系)では主に、白血球
(リンパ球、単球、顆粒球=好中球・好酸球、好塩基球)の、マクロファージ(単球か
ら移行した貪食細胞=体内の細菌や異物を食べてしまう細胞)、リンパ球(NK/ナチュ
ラルキラー細胞、T/ヘルパー細胞、T/キラー細胞、B細胞)、および樹状細胞(自然免
疫系と獲得免疫系をリンクする重要な細胞)といった活性化した免疫細胞とサイトカ
イン(リンパ球やマクロファージなどで作られる生体機能調節タンパク質)や抗体(抗
原の侵入に対してB細胞によって作られるタンパク質=免疫グロブリンIgG、IgA、
IgM、IgD、IgEの5種類)、顆粒球(好中球90%以上、抗酸球、抗塩基球)などが単独ある
いは協力しあってけなげに働き、体外から体内に侵入した抗原(病原菌=細菌、ウイ
ルス)や、体内で発生したガン細胞などの異物に対して絶え間なく攻撃し、その免疫
力のおかげで各種の病気から身体を守っているのです。
・要約すると免疫力とは、体内に入った細菌やウィルス、また体内で発生したガン細
胞などの異物から身を守る力。本来生まれながらにして人間が持っている、自分で自
分を守る力のことを言います。
・免疫力のほとんどは、血液中の白血球に存在しています。
健康な状態時の全白血球の中に占める割合
マクロファージ 5%
リンパ球 35%
顆粒球 60%
・病気は大きく分けて、1 免疫力の低下、2 免疫力の異常(アレルギーと自己免疫疾
患)と言うふたつの現象に起因します。
体外から進入・体内で発生した異物への攻撃方法は2つに分類されます。
直接攻撃:異物に対して免疫細胞による直接攻撃。
*顆粒球(主に好中球)、*マクロファージ
*リンパ球(T/キラー細胞、NK/ナチュラルキラー細胞)
間接攻撃:異物に対して作られる免疫物質、サイトカインや抗体などによる攻撃。
*サイトカイン(トランスファー因子、インターロイキン、
TNFーα、インターフェロンなど)
*抗体(免疫グロブリン)など。
免疫系はバランスが命
・免疫を語る上で、リンパ球と顆粒球のバランスはとても重要です。
リンパ球と顆粒球のバランスが極端に崩れると、いろいろな疾病に見舞われます。リ
ラックスモードの副交感神経が優位になるとリンパ球が増え→アレルギーなどを引き
起こし、興奮モードの交感神経が優位になると顆粒球が増え→ガンなど組織の破壊を
引き起こします。(安保徹教授(新潟大学大学院医歯学総合研究科教授)著書「免疫革
命」を参照)
・免疫系が正しく働くには、正確でスピーディな“自己・非自己の異物の認識”、
“適切な攻撃の開始と終了”の制御が重要な鍵となります。
その際、マクロファージなどが放出する免疫物質であるサイトカインは、免疫機能の
中で非常に重要な役割を果たします。トランスファー因子をはじめとする各種サイト
カインは、免疫系の指揮命令を伝達する“メッセンジャー(情報伝達)”と”コント
ロール(制御)”の機能を担います。
免疫系において、基本的に重要なことは、過剰反応や健康な細胞の攻撃をして消耗す
ることのないように、迅速かつ有効的に反応することです。
「1 如何に外敵に対して迅速に反応できるよう促すか。2 如何に外敵を特徴づけ明確
に認識できるように標識となれるか。3 如何に排除した外敵を再確認し、再度の侵入
者か否かの目標を定めるられるようにするか」の役割が、免疫系のバランス適応力を
高める上では、これまたとても重要なことです。
バランスが崩れると
さまざまな弊害が起こります。例えば
・自己細胞の変質:代表的なものにガンがあります。死亡率が第一位。
・誤爆(自己免疫疾患):もし、味方(自分自身の細胞)を“敵”と誤認してしまっ
たら・・・。自分自身の細胞が破壊され、慢性的な炎症を惹き起こします。不幸なこ
とにこのような疾患に悩む方が多数おられます。
・過剰防衛(アレルギー):スギ花粉のように無害な外来異物に対して、過剰な免疫
反応が生じると、不必要な炎症が惹き起こされます。
私たちをとりまく環境は日々、悪化の一途をたどっています。周囲を見渡す限り、大
気汚染・水質汚染・食品汚染などをはじめ、南北極のオゾン破壊に至るまで、地球が
住み難くなってきたと、毎日どこかしこで報道されています。
さらに輪をかけるように、ウイルス・バクテリア・寄生虫・真菌などが抗生物質に耐
性が出来たために免疫力が低下、人々の健康を損ねてきているのも現状です。(NHKス
ペシャル「クライシス2000」より)
2000年厚生省が発表した国内での結核患者が推定44,000人、年間死亡者2,700人と
なっておりますが、これは結核菌が抗生物質に対しての耐性、つまり、投薬では完治
できなくなってきたという一例です。1993年、WHO(世界保健機構)は結核に関する
「世界非常事態宣言」をだしました。世界人口の3分の1をこえる人々が、結核菌に
感染しているということです。また米国政府は1997年10月に公式発表として、「近い
将来、結核の治療が不可能になる」と全ての国に緊急警告を発しました。
ひるがえって自分の足元を見ても、1 職場では仕事の量は多くスピードはアップ状態
2 リストラや職場での人間関係 3 家庭でも夫婦間問題、子供の教育問題、住宅ローン
問題、老親介護問題などが山積、さまざまなストレスにさらされています。
以上のように私たちを取り巻く様々な要因が、免疫バランスを突き崩し、免疫力の低
下や異常を招いています。
その結果、・腫瘍性疾患・循環器系疾患・自己免疫疾患・ウイルス性疾患・真菌性疾
患・神経性疾患・寄生性疾患・難病・バクテリア性疾患・ミコバクテリウム疾患な
ど、また、具体的にはガン、循環器系、花粉症、アレルギー、アトピー、エイズ、な
どの免疫病ともいえる病気が、日常、増加しております。
今日栄養学的なものから医療的なものまでビタミンを否定する者は誰一人としており
ません。「20世紀はビタミンの時代」と言われるほど、ビタミンの発見は人類に多
大な疾病からの解放をもたらしました。それ以前の原因不明の病気の多くにビタミン
不足がありました。
しかし約100年前、ビタミンが発見されるまで、人々は今や常識ですらあるビタミン
の効用はおろか、ビタミンの存在すら知りませんでした。
「免疫」もしかりです。その重要性をしりつつも、医療の現場では未だ「代替医療」
に押しやり、その効用を軽視してはばかりません。
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