エンドは続くよ、どこまでも?


エンドのお客さんをエンドで終わらせたくない、そんなお話です。

これは賃貸営業でのお話。

「良いことばっかりでもじゃないんです」で書いたフルコミッション時代の話。
私の勤務してた会社は、いくつか不動産屋が軒を連ねる立地。
ある日「△△さん、いますか?」とお客さん。
うちにはそのような名前のものはおりませんが。
「ココ▲▲(会社名)ですよね?」
いえ、▲▲はお隣ですよ。とお話すると去っていったお客さん。

しかししばらくすると、「あのう、部屋を探してるんですけど・・・。」と再び来店。
どうしたのか訪ねると、電話で聞いていた物件が契約済みだったと。
更に対応が悪いと。
そんな悪い会社じゃないんだけどね~、お隣サン。
お客さんと不動産会社の相性ってのもあるだろし、
何とも言えないけど、わたしゃお隣サンは良い会社だと思うのよ。
しかしこれは出番です!
にゃじら、頑張る!

聞くと、関西からの転勤で、引越し日は決まってるから大急ぎ。
その方も職種は違えど、担当エリア内で営業する営業マンでした。
仮にA氏と呼びましょう。
今日明日はホテルに泊まるから、なんとかこの二日間で
部屋を決めたいとのこと。
しかし、A氏は地理が全くわからない。
どういうところが良いのか聞き込むと、とにかく子煩悩なパパぶりを発揮。
それなら「公園が近かったり、子供最優先で行きましょう。」
いくつか紹介し、翌日数件部屋をみてまわり、
お部屋は決まりました。
とっても話やすくて気さくなA氏。
案内中にコーヒーごちそうになっちゃった。

翌年の春、A氏から1年ぶりの電話。
「俺の同期がこっちに転勤なんだ。また探して欲しいんだけど良いかな?」
もちろんよっ!
ぜひ一緒に来てください。久々、会社のコーヒーだけど飲みませんか?
お話しましょうよ。
ってなわけで二人で来店。

この方もエリア担当営業マン。仮称B氏にしましょう。
この方は大変だった。
なにせこちらも関西から転勤してくるのに、引越し間近までエリアが決まらない。
埼玉か神奈川・・・。これって広すぎよ・・・。
A氏の住む町みたいなトコが良いなあ~、とB氏。
神奈川エリアの場合を想定して候補を決めた。
でも、エリアが決まらなくては部屋は決められない。
埼玉方面も頭に入れ、物件を探しながら担当エリアが決まるのを待つ。
なかなか決まらず、B氏からは、
「もし間に合わないといけないし、そっちにはもう行けない。
その時にはにゃじらさんが勧める部屋で決めるよ。任せていいかな?」
そんなん無理~!!絶対無理!!気に入らなかったらどうするのさっ!!
「大丈夫。にゃじらさんになら任せられるよ。」
そして、「俺は、君に任せるってお客さんに言われたら最高に嬉しいよ。
だからにゃじらさんに任せるよ。」

そして、その翌日だったかな、B氏から電話。
「決まったよ! 横浜だ! この前一緒に見たとこにしたいよ。あるかな?」
え~、ありますとも!
毎日部屋が決まっていないか確認電話を管理会社にしてたからね。
そしてめでたく新築マンションへお引越し完了。
良かったよ~。

更にその1年後、会社を辞め、違う不動産屋に勤めてる私に、
前の会社の友人から電話。
「Aって人から電話があったよ。にゃじらの連絡先教えてって言うから
逆に連絡聞いたんだ。かけてみて。」
「もしもし、にゃじらですが・・・。」
「良かった~!まだ不動産屋?また部屋探してくれる?
先輩がこっちに来るんだ。」
いいですとも~!

そして、先輩(仮称C氏としましょう)とA氏はやってきた。
ひさしぶりですね。元気でした?
娘さん、そろそろ小学校じゃないですか?
B氏も元気ですか?
「おうおう、元気よ~。娘のこと覚えてたんだね~。
Bも一緒に来ようかって話だったんだけど、忙しくてね。」
更に、
「今ンとこすごく気に入ってる。いつ関西に戻れるかわかんないから、
あの辺りで買いたいな。その時はヨロシクね。」
まかせてっ!頑張るからねっ。でも先にC氏のお部屋を探しましょう。

C氏は条件的にはスムーズだったが、今までの会社と比べ、
変わった勤務先は情報量が少なくて参りました。
でもどうにかこうにか決めていただきました。

その後、まったくエリア違いの会社に変わった私。
3人ともどうしてるかな?

紹介のお客さんが続くとうれしい。
それが1年に1件のお客さんだってうれしい。
そんな営業をしたいって強く思ったのでした。
そしてこの3人のおかげで、というかA氏のおかげで、
以後の私の接客は、かなり変わってきたと思います。


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