にゃんでんかんでん

2005 11/15~12/29

                   ■■■    11月15日~ 12月29日に読んだ本のご紹介    ■■■


12/29
いつかパラソルの下で
いつかパラソルの下で(森絵都)
 柏原野々は天然石を売る雑貨屋で働く25歳の独身女性。病的なまでに潔癖で、傍迷惑なほど厳格だった父の教育に嫌気がさし、成人を機に家を飛び出した。そんな父も死に四十九日の法要を迎えようとしていた頃、生前父と関係があったという女性から連絡が入る。世間一般にはごくありふれたエピソードなのかもしれないが、柏原家にとっては驚天動地の一大事。兄と妹にこのことを知らせると、真偽を探るため、兄妹三人で父親の足跡を追うことに・・・。
 亡くなった父に浮気相手がいた。娘としてはショックでしょう。それもかつて厳しく自分を縛り続けた厳格な父、嫌っていた父がとなると嫌悪が先にたってしまうでしょう。でも父親の足跡をたどるために訪れた故郷への旅から戻ったあとの野々の言葉、「お父さんがもっとお互い年をとったら、和解も出来たかもしれない、ちょっとは好きになれたかもしれない」が印象的でした。親子ってこういうものだよな~と思いました。

12/28
シリウスの道
シリウスの道(藤原伊織)
 東京の大手広告代理店の営業部副部長・辰村祐介には明子、勝哉という二人の幼馴染がいた。この3人の間には、決して人には言えない秘密があった。月日は流れ、3人は別々の人生を歩んでいた。しかし、25年の時を経て明子のもとに何者からか謎の脅迫状が届く。いったい誰の仕業なのか?離ればなれになった3人が25年前の「秘密」に操られ、吸い寄せられるように運命の渦に巻き込まれる―。著者が知悉する広告業界の内幕を描きつつ展開する長編ミステリー。
 広告代理店のコンペの内幕などはさすがによく描けていました。謎の脅迫状が届くという事からミステリーということになるのかもしれませんが、はっきり言って中途半端です。私には中途入社の戸塚君の成長ぶりばかりが印象に残りました。が、それも報われない最後になっており、後味が悪かったです。

12/24
アンボス・ムンドス
アンボス・ムンドス(桐野夏生)
 人生で一度の思い出にキューバへ旅立った女教師と不倫相手の教頭。帰国後待っていたのは、生徒の死と非難の嵐だった…。表題作『アンボス・ムンドス』をはじめ、煌く7篇(植林 ルビー 怪物たちの夜会 愛ランド 浮島の森 毒童 アンボス・ムンドス)を収録。直木賞受賞後の著者の変遷を示す、刺激的で挑戦的な作品集。
 心に毒を持つ【女】を描いたら桐野女史はうまい。刺激的な短編小説が揃っていました。

12/22
国家の罠
国家の罠-外務省のラスプーチンと呼ばれて-(佐藤優)
 「背任」と「偽計業務妨害」容疑で、東京拘置所での勾留生活512日。第一審判決懲役2年6カ月、執行猶予4年。有能な外交官にして、傑出した諜報員。国を愛し、国のためを思い、対ロシア外交の最前線に飛び出した男はなぜ、国家に裏切られなければならなかったのか。今明らかになる「鈴木宗男事件」の真実。
 一方的な話だけで、これを真実と思ってしまってよいのか疑問ではありますが、マスコミの報道だけでは見えてこない国の、政治の『裏』の部分がわかるような気がしました。 

12/14
骨盤教室
骨盤教室(寺門琢己)
 噂の「KOTSUBAN教室」のカリキュラムを初公開。1日1分でできる19の簡単エクササイズで、ヒップが上がる、太モモが細くなる、二の腕が締まる。
 そんなに簡単には痩せられないとは思いますが、これで体の歪みが少しでも良くなればいいな~。

12/13
新リア王(上) 新リア王(下)
新リア王 上・下(高村薫)
 『晴子情歌』で母と向き合った彰之は禅僧になり10年後、老いて政治王国を出た政治家の父・榮を草庵に迎えた…。保守王国崩壊が兆した1980年代の永田町と青森。政治一家の内部で起こる愛憎と反逆の物語。近代日本の「終わりの始まり」が露見した永田町と、周回遅れで核がらみの地域振興に手を出した青森。政治一家・福澤王国の内部で起こった造反劇は、雪降りしきる最果ての庵で、父から息子へと静かに、しかし決然と語り出される。
 政治と宗教。どちらも馴染みが少なく、難しい話であったのにどんどん引き込まれました。政治一家・福澤王国の内部で起こった造反劇は息子が王たる父を乗り越えるために起こった事。そこからは世の無常、そして人間の無情も考えさせられました。

12/2
痕跡(上) 痕跡(下)
痕跡 上・下(パトリシア・コーンウェル)
 1本の電話が始まりだった。法医学コンサルタントのケイ・スカーペッタは、死因不明の少女の遺体を調べるため、5年ぶりにリッチモンドの地を踏んだ。そこでは事件へのFBIの関与が明らかになる一方、かつてケイが局長として統率した検屍局が、無残にも破壊されつつあった。別々の遺体に残された奇妙な微物。その奇妙な微物は、死んだ少女の口のなか、主に舌に付いていた。2週間後、まったく別の場所で亡くなった成人男性の遺体から同じ物質が採取され、事件の様相は一変する。憂愁と恐怖、挫折と殺意がこの世界を覆いつくし、さらにスカーペッタの姪、ルーシーにも何者かの影が迫る。
 黒蝿に続いての「検屍官」シリーズです。黒蝿で脱走した『彼』の話かと思いましたが違っていました。今回は性的な描写が多いように思いました。事件自体の根本は逆恨み。普通の人達にもある歪んだものがクローズアップされていたように感じます。
 12/15発売の 神の手 上・下 が楽しみです。(只今予約受付中)

11/27
黒蝿(上) 黒蝿(下)
黒蝿 上・下(パトリシア・コーンウェル)
 「検屍官」シリーズの第12弾。検屍局長辞任から数年後、フロリダに居を移したケイ・スカーペッタは病理学者としての日々を過ごしていた。ある日、獄中で死刑を待っている“狼男”からケイに宛てた手紙が届く。「あなたが死刑を執行してくれ。さもなければ、また何人もが命を落とす」時を同じくしてルイジアナで女性ばかり十人もの連続誘拐殺人事件が発生。彼の犯行ではないのか?意を決し、死刑囚監房を訪れたスカーペッタに、“狼男”が告げた衝撃の事実とは?警察を辞めたマリーノ、信じる道を歩きはじめたルーシーも、それぞれ決死の覚悟を胸に行動を起こす。錯綜する謎、めくるめく急展開の果てに、驚愕の真相が待ち受ける!
 これまでの「検屍官」シリーズとは趣が違っていました。スカーペッタもルーシーもマリーノも悲しみ疲れ果てている印象。寂しくさえ感じました。しかし、驚くべき事実が明らかにされました。死んだはずの彼が生きていたのです。そして、つかまっていたはずの彼が再び自由の身に・・・!「検屍官」シリーズは、まだまだ続きます。

パトリシア・コーンウェルの『検屍官シリーズ』
検屍官 証拠死体 遺留品 真犯人 死体農場 私刑 死因 接触 業火 警告 審問(上) 審問(下)

11/19
ララピポ
ララピポ(奥田英朗)
 選りすぐりの負け犬たち、ここに集合。対人恐怖症のフリーライター、AV・風俗スカウトマン、一応AV女優で主婦、NO!と言えないカラオケBOX店員、文芸コンプレックスの官能小説家、テープリライターでデブ専裏DVD女優。何かが欠落し歪んで生きる6人の6つのクレイジーなストーリー。負け組たちの大祭典!爆笑と切なさが交錯する傑作群像小説。
 表紙&帯を見て嫌な予感は致しました。本当にエッチなお話ばかりで『お下劣~』でした。でも イン・ザ・プール 空中ブランコ の伊良部先生をはじめ、『ちょっとあぶない人たち』を描かせたら奥田氏は上手い!今回もキャラが際立っていました。
 とてもお子様に読ませられるお話ではありませんのでご注意を。

11/15
美人はカタチでつくられる
美人はカタチでつくられる-「見た目」をみがくレッスン30-(住友淑恵)
 日本初の「身のこなシスト」によるキレイに魅せる振舞いのレッスン。「電車のつり革にはつかまらない」「右利きでも左手を使う」など、誰でも身につけられ、日常生活に使える身のこなし術を教える。
 とにかく見られることへの意識が大切のようです。常に気を張っていなければキレイではいられないのですね。キツ~ゥ。あとは間の取り方が大切なようです。試してみる価値はあるかもしれません。気合だ~!!


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