にゃんでんかんでん

著者  外国人




数学的にありえない 上・下(アダム・ファウアー)
 巨大な陰謀に巻き込まれた天才数学者ケイン。窮地に追い込まれた彼の唯一最大の武器、それは「確率的に絶対不可能な出来事」を実現させる能力だった…。北朝鮮に追われるスパイ、謎の人体実験を続ける科学者、宝籤を当てた男、難病の娘を持つ傭兵…。随所に仕掛けられた伏線が次々に起爆、全ての物語は驚愕の真相へと収束する。2006年最大の電撃的サスペンス。第1回世界スリラー作家クラブ新人賞受賞作。
 『数学的に・・・』というタイトルなので、こ難しい話なのでは?と読むのに躊躇していたのですが、理数系に弱い人でもOKのサスペンスです。確率論や量子力学やなども出て来ますが、理解できなくとも大丈夫。細かい事は気にせず楽しみました。主人公ケインは予知能力を持つことになりますが、ただ結果が見えるだけでなく、望むべき結果に辿りつくために 数ある選択肢の中から最良と思われるものを選ぶ、というのが面白く思いました。後半は今までの伏線が次々とつながっていき、ハラハラしながらも、ドキドキワクワクして一気に読みました。スピード感もあり、映画化されたらきっと面白いと思います。(2007/5/5)


赤毛のレドメイン家
赤毛のレドメイン家(イーデン・フィルポッツ)
 悲壮美漂う、荒涼たるダートムアの夕暮れ。鱒釣りに来たロンドン警視庁の刑事ブレンドンは、燃え立つような赤い髪をした美しい娘に心を奪われる。その名はジェニー。まもなくブレンドンは、彼女の一族、レドメイン家をめぐる奇怪な殺人事件に巻き込まれて行く…。容疑者の赤毛の大男を追ってイングランドからイタリア、コモ湖畔へ。万華鏡のような絢爛たる色彩、重層的な謎。乱歩が心酔した最高傑作。
 刑事のブレンドンが大活躍して事件を解決するのかと思いきや・・・。そこからして『やられた!』という感じです。やっぱり男の人は美女に弱いのですね。(2006/8/6)



ヒストリアン(1) ヒストリアン(2)
ヒストリアン 1・2(エリザベス・コストヴァ)
 16歳の少女が父の書斎で見つけてしまった一冊の古い本。竜の挿絵と添えられた謎の手紙。すべてを語り終えぬまま姿を消した父の後を追い、少女の危険な旅がはじまる。謎を解く手掛かりは、東西ヨーロッパ各地の史跡、古文書、民謡、そして伝説…。国境を越え、時間を超え、そして世代を超えて、闇に葬られた歴史に挑むヒストリアンたちの命がけの物語。世界中を恐怖に陥れたドラキュラ伝説と、その闇に挑む歴史家の挑戦を、史実を交えつつ描くミステリー大作。
 1930年代、50年代、70年代、この三代にわたる物語。史実を交えて描かれており濃い内容となっています。ストーリーにスピード感がなく、途中飽きてしまったりもしましたが中世ヨーロッパの歴史に興味があればもっと違った楽しみもあったのかもしれません。しかし、何と言ってもドラキュラの話なので怖いもの見たさも手伝ってドキドキしながら読み終えました。同じく歴史ミステリー、ダン・ブラウンの「ダ・ヴィンチ・コード」と比べてしまうと 物足りなさを感じた。というのが正直な感想です。(2006/10/5)



わたしを離さないで
わたしを離さないで(カズオ・イシグロ)
 介護の仕事をするキャシー・H.は、謎に包まれた学園での奇妙な青春の日々を回想し、驚くべき真実を明らかにする…。残酷な運命に翻弄された若者たちの一生を感動的に描く、ブッカー賞作家の新たな傑作。
 『提供』とは?『ヘールシャム』って?と冒頭から謎だらけ。そこで暮らしている子供達は外部の人間に恐れの表情で見られ、子供の産めない身体・・・。一体、何者??と怖いもの見たさのような気持ちもあって、ぐいぐい話に引き込まれていきます。物語は主人公の回想、語り口調で坦々と進んでいき、その中で隠されていた真実も明らかにされていきます。じわじわと切迫感が募っていく作品。読後感は 切なさ でした。(2006/9/15)




傷痕(コーディ・マクファディン)
 凶悪犯に夫と幼い娘をなぶり殺され、自らも顔と心をずたずたにされた辣腕FBI捜査官のスモーキー。心の傷が癒えぬまま休職中の彼女に、ある日部下から連絡が入った。親友が惨殺され、現場にはボニーという少女と、犯人からスモーキーあての挑戦状が残されていたという。自分と同じような凄惨な体験をして傷ついているボニーを引き取ることによって心の問題に折り合いをつけたスモーキーは職務に復帰、優秀な部下と共に必死の捜査を始める。だが、切り裂きジャックの末裔をかたる犯人は、いまだかつてない残虐さで捜査陣を翻弄しつづける。夫に娘に親友まで…自分が愛する相手を次々に失ったスモーキーをあざ笑うかのように、ジャック・ジュニアは彼女が大事に思う人たちの、一番大切なものを標的にしはじめる。怒りに燃えるスモーキーと彼女の優秀なチームの面々は、しだいに犯人像に迫ってゆくが、そのあいだにも凄惨な殺人ビデオは届きつづけた。とうとうスモーキーは犯人を挑発し、罠にかけることにする。ここで逃したら、今度はきっと大事な人たちそのものが毒牙にかかってしまう―不退転の決意で望むスモーキーの作戦とは?ジャック・ジュニアの正体はいったい?スピーディでスリリングな展開は、ラストに向けて一気に加速する。話題の新人によるセンセーショナルなサスペンス。
 感想はこちらの 日記 に。(2007/3/13)


 ←新書版
億万ドルの舞台(シドニィ・シェルダン)
 エディ・デービスは売れない役者。エージェントにも馬鹿にされ、食料品店のツケはたまる一方で、にっちもさっちも行かない。ブロードウェーの舞台で端訳をもらってはその日暮らし。エディを励ますのは妻のメアリーただひとり。その妻が妊娠して彼はいよいよ父親になることに。たいへんだ!稼がなくては!焦るエディに転がり込んできた仕事は、独裁国への公演旅行。旅の一座のちょい役。運命のいたずらが待ち構えているとも知らずに仕事に飛びつくエディ。それがインディ・ジョーンズも顔負けするような大冒険になるとは!人生は演技だ!どうせつかむならどデカい夢を。冴えない男が国家最高の地位につくまでのスリル満点の冒険。
 おもしろい!!エディは妻の元へ無事に戻る事ができるのか?ハラハラドキドキのストーリーで、最後まであっという間に読んでしまいます。最後のオチもGOODでした。(2007/5/24)


ハリー・ポッターと謎のプリンス
ハリー・ポッターと謎のプリンス 上・下(J.K.ローリング)
 17年前の予言は、ハリーとヴォルデモートとの対決を避けられないものにした。過酷な運命に立ち向かう16歳のハリーに、ダンブルドアの個人教授が始まる…。ヴォルデモートの過去に迫る、待望の第6巻。
 一段と成長したハリー達。恋もしています。この6巻ではヴォルデモートの過去が明かされたり「謎のプリンス」の正体もわかります。そして宿敵ヴォルデモートとの戦いの中で、悲しい別れが待っています。まさか?と思うような内容で、ドキドキして読みました。第7巻で完成されるこの物語。ハリー達はどのような結末を迎えるのか気になって仕方がありません。(2006/7/3)



パズル・パレス(上) パズル・パレス(下)
パズル・パレス 上・下(ダン・ブラウン)
 史上最強最大の米諜報機関、NSA。別名パズル・パレス。その第1級の国家機密、全通信を傍受・解読できるNSAのスーパーコンピュータ「トランスレータ」が狙われる。対テロ対策として開発されたが、一般市民の通信全てをも監視可能なこのコンピュータの存在は決して公にできない国家機密であった。だが、この状況に憤った元スタッフが、自ら開発した「デジタル・フォートレス」という解読不可能な暗号ソフトを楯に、「トランスレータ」の公表を迫ったのだ。このソフトが流布されれば、アメリカは完全に無防備となり国家の危機に瀕してしまう。NSA暗号解読官スーザンは、ソフトを凍結させるパスワードを求めて、タイムリミットの暗号解読作戦に挑む。ソフトを凍結させるパスワードを求めて、アメリカ、スペイン、そして日本を舞台に、タイムリミットの暗号解読作戦が、今、始まった!知的スリルと興奮に溢れた、ダン・ブラウンの鮮烈なデビュー作。
 実に面白かったです。二つの舞台がスピード感をもって描かれており、ドキドキハラハラ。スリリングなのです。意外な展開も待ち受けていて読み出したら止まりません。10年も前に書かれたものとは思えないほど、今現在抱えている危機が描かれている事にも驚きでした。(2006/8/26)



ハンニバル・ライジング 上巻・下巻(トマス・ハリス)
 1941年、リトアニア。ナチスは乾坤一擲のバルバロッサ作戦を開始し、レクター一家も居城から狩猟ロッジへと避難する。彼らは3年半生き延びたものの、優勢に転じたソ連軍とドイツ軍の戦闘に巻き込まれて両親は死亡。残された12歳のハンニバルと妹ミーシャの哀しみも癒えぬその夜、ロッジを襲ったのは飢えた対独協力者の一味だった…。愛する者をすべて喪ったハンニバルは、無感動な孤児院生活を過ごす。そんな彼を引き取ったのはフランス人の叔父ロベール。ハンニバルはその妻である日本人女性、紫夫人の薫陶に与るとともに、その魅力に強く惹かれてゆく。だが、凶事の悪夢は去らない―。最年少でパリの医学校に進んだ彼は、持てる英知と才覚を駆使して記憶の一部を取り戻し、復讐すべき獣たちを狩りはじめる。ついに明かされる、稀代の怪物の生成過程。
 『怪物』と呼ばれるレクター博士ですが、元はリトアニアの古城に暮らす賢く優しい少年だった事。その少年が、戦争に巻き込まれ過酷な時代を生き抜き、妹の復讐のため、いかにして怪物になっていくのかが描かれています。『怪物』も戦争の犠牲者だったのですね。人を獣に変えてしまう戦争の残酷さを感じました。驚くのがハンニバルと日本との関わり。叔母の紫婦人から日本文化を教わっていた事です。映画も見てみたいです。(2007/5/11)



あなたに不利な証拠として(ローリー・リン・ドラモンド)
 警官を志望する若きキャシーがマージョリーと出会ったとき、彼女の胸にはステーキナイフが深々と突き刺さっていた。何者かが彼女を刺し、レイプしたのだ。怯え、傷ついた彼女を慰めるキャシー。だが捜査を担当したロビロ刑事は、事件を彼女の自作自演と断じる。マージョリーに友情めいた気持ちを抱いていたキャシーだったが、どうすることも出来なかった。それから六年後、キャシーとマージョリー、そしてロビロの運命が再び交わるまでは…男性社会の警察機構の中で、闘い、苦悩する、5人の女性警察官の物語。自身女性警察官だった著者が12年をかけて完成させた処女作品集。MWA賞最優秀短篇賞受賞の「傷痕」をはじめ、10篇の傑作短篇を収録。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀短篇賞受賞。
 著者がもと警察官だっただけあって、女性警察官がかかえる様々な問題、悩み、殺害現場で見たまま感じたままがとてもリアルに伝わってきます。決してヒーロー(この場合はヒロイン?)ではない彼女達の姿が生々しく描かれています。ちょっと重たい作品でした。(2006/11/25)




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