活字と植物メンテ、クラシックの日々

活字と植物メンテ、クラシックの日々

2005/09/04
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カテゴリ: カテゴリ未分類
<オホーツク>


峠は、まだまだ冬・・・。


カレンダーは4月になったが、
“冬”にも“冬”のプライドがあるらしく、
そう簡単にこの地から離れようとしない。

この辺りから姿を消したと思ったら、
まだまだ、峠道はどっぷり冬景色。
ときどき、吹雪で前が見えなくなる。
急カーブの道路は圧雪アイスバーンだ。


道路沿いの牧場の馬たちは、吹雪の中、
むしゃむしゃと食事中。
馬たちの下には、雪まみれになった赤いニンジン。

人間たちは冬の間、キャベツや大根などを
雪の中に保存しておくことがある。
“越冬キャベツ”などと呼ばれ、
市場でも人気が高まっているらしい。

馬たちのニンジンも同じなのだろう。
寒い所で保存されている間にブドウ糖がたくさん生成され、
さぞニンジンは美味しくなっていることだろう。


吹雪の時は、あまり出歩かないようだ。
シカやキツネたちの姿を見かけない峠道。

動物たちが隠れているかと思い、
樹林の間をのぞいてみる。しかし、いない。

樹林の真下にはびっしりと雪が積もり、
これから何か月かかって消えるのかと思われる。


私がいつも、峠道を通るたび、
疑問に思うことがある。

それは・・・
「なぜ、道路ぶちにマンガ雑誌が落ちているのか」
ということだ。


弁当箱が入っているコンビニ袋はよく見かける。
マナー知らずのドライバーが捨てるのだろう。

軍手もよく見かける。
トラックの荷台にはさんであったのが、
走っているうちに落ちてしまうのだろう。

しかし・・・
マンガ雑誌はなぜだろう。
休憩中に読んだ雑誌が、
車窓から投げ出されるのか。


雑誌は風にあおられ、ページがめくれ、
時にはちぎれた状態でそのあたりに散在している。

最近見かけた雑誌は雪を少しかぶっていた。
捨てられてまもないものだと思われる。


長距離の旅。
ドライバーたちが読んだ雑誌は数知れず。
コックピットで邪魔になって
思わず、捨ててしまうのだろうか。

捨てられたマンガは、
シカが食べていたという話も、
クマが読んで爆笑していたという話も、
これまで聞いたことがない。

ただ、散らかりながら、その場で朽ちてゆくだけだ。


峠道のつきあたりには、全長約3キロの立派なトンネルがある。
オホーツク地方から上川地方へ抜けるこのトンネルは
ある有名代議士のご尽力で作られたものだという。
おかげさまで、私たちの生活は便利になったようだ。

数時間のドライブで大都市に行ける。
急病患者はこのトンネルを通り、大きな病院へ搬送されてゆく。


そのかわり、
オホーツクの鉄道が何本も廃線になった。
いくつもの病院が廃院になった。


<2005.4執筆>





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Last updated  2005/10/09 05:56:48 AM


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