活字と植物メンテ、クラシックの日々

活字と植物メンテ、クラシックの日々

2006/08/15
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カテゴリ: カテゴリ未分類
『氷雪の門』という映画を
ご存じだろうか。

私はこの8月15日に
初めて観たのだが、
この都市では毎年、
『氷雪の門』の上映会がある。
そういえば昨年、
ここに転居してきたばかりの頃も
この映画のポスターを見た覚えがある。


この映画、1974年作品。
当時、

文部省選定
優秀映画鑑賞会推薦
青少年映画審議会推薦
全日本教育父母会推薦
日本PTA全国協議会特別推薦

と各団体から推薦されていた映画だった。

私は小学生だったから、
おそらく、学校で
鑑賞券をもらっただろう。

しかし・・・
もらった覚えがない。

この映画はけっきょく、
公開されなかったのだ。

一説によると、
某国の圧力で、らしい。

私のダンナは、
「一般人を殺している様子が
映画で表現されているのが、
国際的にまずいんじゃないか?」
と言っている。


作品の解説 はこのサイト で。

南樺太が日本の領土だった時代。
郵便局では、若く元気のある女性たちが
電話交換手として働いていた。

第二次世界大戦で日本は降伏し、
8月15日を迎える。

人々は
「ようやく戦争が終わった」
とホッとしたのだが・・・

なぜか、それよりもあとに
旧ソ連が侵攻を開始し、
日本人たちは慌てふためくのである。

主人公たちの勤める都市にも
攻撃の手が・・・。
しかし、彼女たちは
「自分たちがここから逃げてしまったら、
電話がつながらなくて
街中や国中が大混乱する!」
と、自分たちの職務から
離れようとしなかった。

だが・・・
郵便局にもとうとう
危険が迫り・・・

9人の電話交換手の中の班長は、
たった一本残った回線に

皆さん
これが最後です
さようなら
さようなら

と叫び、
電話線のプラグを抜いた。

そして・・・彼女たちは
青酸カリで自決してしまったらしい。


稚内市の稚内公園に、
『氷雪の門』 という塔がある。
この塔には、彼女たちの
無念の叫びが
記されているのである。


映画は、史実にもとづいて作られているのだろう。
(私はそう思う。)

日本本土に引き上げるために
どこまでも続く道を列をなして
家財道具を背負って歩き続ける人たち。
道の途中、病気や怪我で息絶える人。
空からの攻撃を受けて亡くなる人。

街の中で不意の攻撃に遭い、
身内の名前を叫びながら
亡くなる人。

戦争の悲惨さを
とても丁寧に丁寧に
表現しているのだ。

ほんとうに、公開されなかったのが
残念でならない。

しかし、30年以上経った今、
日本各地の自治体主催で
上映会が行われているようだ。


上映会が終わって・・・
客席のあちこちから
すすり泣きが
聞こえた。

毎年、上映会を観に来て
泣いて帰る人も
いるのだろう。


しかける方も、しかけられる方も悲惨な
あのような戦争が
二度と起こらないように、と
ふたたび誓うのだろう。





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Last updated  2006/09/11 12:50:58 AM


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