一番苦しい時に、生へ導いてくれた曲。

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一番苦しい時に、生へ導いてくれた曲。

空も飛べるはず

うつ病になると、
音楽を聴くのも、テレビを見るのも、本を読むのも、何もかもが鬱陶しくなります。
でも、もし、音楽が聴きたくなった時。
そんな時に聴いて欲しい曲を挙げてみます。
『生きていていいんだよ』
そう言ってくれているような、優しい曲たちです。

ウルフルズ「ええねん」 歌詞
何もかもに、疲れ果てて、全てが億劫で、
自分に何も価値は無い、親にも迷惑をかける…。
そんな時に耳にした曲でした。
ものすごく、優しい歌です。
エールではなく、ちょっとだけ休んでもええねん、
別に頑張らなくっても構わないんだよって言ってくれるような歌。

『後悔してもええねんまた始めたらええねん
　失敗してもええねん向かい合ったらええねん前を向いたらええねん』

うつ病になって、仕事も辞めざるを得なくて、
自分が不甲斐なくて情けなくて、消えてしまいたかった。
どうして死んじゃダメなの、生きなきゃいけないの、そう心で渦巻いていて、
仕事も出来ない、何も出来ない、でもせめて泣いて心配かけちゃダメだって気を張っていました。
そう感じながら実家に帰る道中、たまたま入った喫茶店で、この曲が有線から流れてきました。
なんにも出来ずに、全てを投げて帰るような自分が、本当に情けなくて仕方なかった。
そんな時に、この曲を聴きました。

『何も無くてもええねん信じていればええねん
　意味が無くてもええねん何かを感じていればええねん他に何も要らんねん』

『情けなくてもええねん叫んでみればええねん
　苦い涙もええねんぽろりこぼれてええねんちょっと休めばええねん』

何も無くていい、泣いてもいい、
存在を肯定してくれているようで、泣けてきてしょうがなかった。
情けなくって仕方なかった私を、まるで慰めてくれているみたいにかかった曲…。
運命の曲って、きっとあるんですね。
思わず、喫茶店の中で涙しました。
アップテンポだけどうるさくない、優しい、応援歌だと思います。
喫茶店では、題名も歌手も分からなかったので、
後に、一生懸命、うろ覚えの歌詞とメロディーから探し出した曲です。

Mr.Children「掌」 歌詞
たまたま点いていたテレビ。
その時にミスチルが出ていました。
うつ病になってから、感情にフィルターがかかったようで、
感動というものをしづらくなっていた、私。
「掌」の歌い出しに、一気に堰を切ったように、涙が溢れました。

『掌に刻まれた歪な曲線何らかの意味を持って生まれてきた証』

…生きていることを許されたような気がしました。
うつ病は、生きている意味を全て見失ったような、暗闇を彷徨う気持ちがします。
そんな時に、この一言でどれだけ救われたか。
この曲は、私の心の闇までも、みんなが持っているんだよ、いいんだよ、と言ってくれているようでした。

『僕らなら　こんな風な袋小路に今も迷い込んだまま　抜け出せずにいる』

『どこで間違ったかなんて考えてる暇もなくてでも答えがなきゃ不安で』

そのまま、私の不安も、疑問も、絶望も抱いて、
その上で「生きていていいんだよ」
そう、許された気がしました。こんな私でも。
今も、繰り返し聴いている曲です。

ガツンと頭を殴られたように真っ白になって、そして泣いていました。

ポルノグラフィティ「メリッサ」 歌詞
結構病状が悪化している時にこの曲を耳にしました。

『一番高い所で置き去りにして優しさから遠ざけて』

『君の手で鍵をかけてためらいなど無いだろう
　間違っても二度と開くことのないように
　さぁ　錠の落ちる音で終わらせて』

『救いの無い魂は流されて消えゆく』

軽快で明るく、耳に残るメロディ。
それに対して、胸を切り裂かれそうな歌詞。
私の思っていることを歌ってくれている。それも、とても明るく。
そのアンバランスさが、私にとって驚きで、救いでした。
死にたいと思っている時に、自分を落として殺してくれているようで、
まるで、曲を聴く事で、リストカットでもしてるような気分だった。
何か少し狂っているのかもしれないけれど、爽快感を得られた気がしました。
それでバランスを取っているんだと思います。

鬼束ちひろ「 infection 」 歌詞
『何とか上手く応えなくちゃそしてこの舌に雑草が増えていく』

『爆破して飛び散った心の破片がそこら中にキラキラ光っているけど
　いつの間に私はこんなに弱くなったのだろう』

うつ病になり始めていた頃だったんでしょうね。
他人から抑圧されていたのもあったんですが、
それまで上手く言葉に出来ていたものが、ならなくなってきた時がありました。
とても苦しかった…。
焦っても、何とかしようともがいても、うまくいかない。
そんな時にこの曲を聴くと、涙がすうっと出てきました。
泣けるうちは、まだ大丈夫。そう思いながら聴いていました。
聴いて、泣けるだけ泣いてください。