今年の梅は軟らかい、と妻が申しておりました。
お盆休みも今日で終わり。
向こうの家族に手を合わせます。
すくすくと育つ子供たちの姿を見るにつけ、
死んだ母に、この次女の姿を、一目見せてやりたかったと思うのです。
六年前のクリスマスイブに、母は交通事故で死んだ。
この時、僕の姉には、女の子が一人(中学生)。
妹には、男の子が二人(高校生と小学生)。
僕には、長女(保育園)と、妻のお腹の中に次女がいた。
母は自分の最後の孫になるであろう次女の誕生をとても楽しみにしていたが、
ラス孫の顔を見ることなく、
まるで入れ替わるように、突然この世からいなくなってしまった。
翌年のホワイトデーに、次女は生まれた。
思えば、奇妙な年だった。
母が亡くなる数か月前に、姉のご主人(僕の義兄)が難病の末、この世を去った。
そして、なんと母が死んだ翌日の12月25日に、妹のご主人の母(妹の義母)が、
突然の脳梗塞で亡くなった。
頼れる親族が奇妙なタイミングで立て続けに亡くなり、僕たち姉弟はパニックになった。
おのずと僕は、これからは自分が頼られる存在になるしかないと思った。
ちなみに、前厄でした。
年が明け、僕は親族の世代交代というものを、様々な局面で嫌というほど実感した。
残された父たちも、親戚たちも、正直弱りきっていた。
そんな僕の厄の真っ只中に、次女は生まれた。
何故、古より人々が四十歳頃に厄払いを行い、
自分の身の回りを見つめ直して来たのかが、何となく理解出来た。
僕は、ならざるを得ず、大人になった。
次女は、奇妙な子だ。
僕たちは、7年に及ぶ怒涛の不妊治療の末、長女を授かっているから、
心身共に二人目は困難、恐らく長女は一人っ子であろうと思っていたのだが、
ある日、妻が、しれっと次女を身ごもった。
今でも二人で首を傾げている。
生後二週間でRSウイルスにかかり、
全身チューブだらけになって生死をさまよったが、
幸いにしにて一命を取り止めた。
以降はとても健康、長女と比べても病気になりにくい体質だ。
妻は病室で夜通し死んだ母や祖母やご先祖様たちに、
「どうか娘の命を助けて下さい!」と祈り続けた。
助けてもらったのだ。
奇妙な子だ、いつも何者かに助けられている。
おーい、見てるかー。
あんたのラス孫だぞー。
こんなに大きくなったぞー。
やばいよ、やばいよ。
あんたにそっくりだー。
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