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2003年11月22日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
尻尾と鉤爪をもち、死ぬまで成長を続けるキングタリオ族。
アフサンは、宮廷占星師の見習いをつとめていた。
ある日、帝都にある師匠の仕事場に、船長が金属製の円筒を持ってきた。
それは遠くの物体をくわしく見ることができるという【遠見鏡】だった…

【卵ぼうず】と呼ばれる、少年?キングタリオ、アフサン。
彼の前にいた6頭の見習いはいずれも短期間で解雇されていた。
「星々は記されたとおりの道筋をたどるのだから、わざわざ空を見る必要はない。」
と言い切る師匠の占星師タク=サリード。
まだかけだしのアフサンの周りには、大僧侶・デト=エナルプ、船長・ヴァー=キーニアの姿が。そして女帝・レン=レンズと王子のダイボまでも。

通過儀礼である【狩猟】と【巡礼】の日が近づいていた。


簡単に言ってしまえば【恐竜族】なのですが(笑)
人類でいう中世のような世界。
はじめて『十二国記』を読んだ時のような、ワクワクした気持に。
(比較対象としてどうか?と思いますがいいでしょう、謎)

いや~、面白かったです。かなり。
まず、とてもわかりやすいのがいいです。
内容が薄いとか、表現が安易だとかいうことではなく、作者が道標をしっかり用意していて、それに載せられて行くだけで良いという心地よさ(わからんな)。SF(特に外国人作家の)だと何か小難しいような、専門用語が多くてとっつき難いというイメージもありますが、この話はそんなこともありません。(ファンタジーに近い?)

かといって物足りないのか?というとそんなことはなく。
キングタリオ族の住むこの世界観が、また非常によく出来ている。
細かいところがとても巧いのです。とくに【キングタリオ】の存在そのものについて。

種として完全には克服出来ない“なわばり本能”“内なる獣性”。
(人間にも当てはまるのかもしれない)
「預言者の鉤爪にかけて」「御身のあるところへ影を投じます」
なんてセリフだけでも、うれしくなってしまいます(?)(「ハハット・ダン」も好き)
そしてもちろん内容のほうも、盛りだくさん。
アフサンの活躍を追う冒険活劇の様相から事態は更なる展開を見せる。
【狩猟】、【巡礼】の意味。そして【神の顔】とはいったい?
猟師、血統僧侶、皇帝。宗教と歴史。真実そして未来・・・

話にグイっと引き込まれていきます!
以前に読んだ『さよならダイノサウルス』の“全てにケリを付ける見事な着地”に比べると、後半は少し駆け足気味で消化不良な、疑問に思うようなところもあるのですが。それでも(ネタばれ反転)  トスカネリであり、コペルニクスであり、ケプラーであり、ガリレオ=ガリレイであり、マゼランの部下でもある(全てが当てはまるわけではないが、それぞれの要素を幾つかもつ)ところの  (終わり)アフサンの奮闘振りは面白さ充分で、一つの別世界の興味深い物語を堪能できる。

内田昌之さんが“訳者あとがき”を以下の文で結んでいる。
「ソウヤーが古生物学者にならなかった時間線に生まれた幸運を、すなおによろこびたいと思う。」全く同感です。

ただ、ただ、重要な問題点が一つ!!
どうやら三部作らしいのだが…続きの二作が邦訳されていな~い、らしい?
ちょっとそれは無いんじゃないの(涙)今後予定とかあるのかな?


原書『FAR-SEER』by Robert J. Sawyer (1992)

『占星師アフサンの遠見鏡』 ロバート・J・ソウヤー ハヤカワ文庫SF(1994年3月発行)





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最終更新日  2003年12月08日 12時46分57秒
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