その心、清冽


時に自他の区別なく冬川のように厳しく思うほど。
されど、思いは慈愛。
小さき野性を、大事な友を包むように翼を広げる。

花のように思ったことがある。
夏山に、そっと咲く花が人目を惹きつけるような花。
派手な色ではなく、きつい香りでもなく、穏やかに、
けれど季節を迎えて咲くのは彼女の心。

手弱女ではない。彼女は戦乙女。
両手の一撃に秘めた力は、あらゆるものの脅威となる。
時に花が毒を、棘をもつのは、己を守るためだけれど、
この花は、誰かを、何かを守るために厳しさを突きつける。

今は、花の季節ではない。
けれど、凛とした姿を忘れえず、志を守るもの達がいる。
彼女の姿をまた水辺に見たい故に、帰る場所を保とうと。
また、彼の地にて、静かに愛でたいのだと。

日々に埋もれたのではなく、花もまた時を待っている。
愛らしい生き物と共に、また友にまみえる日を願って。




Sizzさんに捧ぐ


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