おとなカレッジ

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アメリカの教育事情

ひつじ
「アメリカの教育事情」

もう10年近くも前の話ですが、アメリカの公立中学校でインターン教師として1年間在籍していた私。

実際に教師として学校で働く(といってもボランティアですが)と言うのは、色んな勉強になりました。

公立や私立の小学校にも招待されて、いろんな先生、親、生徒達に触れ合う機会がありましたが、アメリカって本当にドライな社会だと強く感じました。

まず、日本と違って幼稚園、小学校でも落第、留年があります。レベルに見合わない子は当然進級できません。

子供の成績や学校での態度は生徒本人の問題で、生徒の家庭で解決すべきこと。学校や先生は両親に知らせるだけで、それ以上責任は負いません。

先生達はファカルティーミーティング(職員会議のようなもの)や、部活の顧問などの用事が無い限り、3:00には学校を後にします。

もちろん、学校を離れたらクラスのこと、生徒のことは先生とは関係ありません。

日本だと、熱心な先生が成績の芳しくない生徒に補修を行ったり、生活態度の悪い子の親の相談にのったり、色々親身になってくれるのですが、そういうことが一切無い。

で、問題児はどうなるかと言うと、何度か規定の処分を受けたら、よその学校に転校させられます。その繰り返し。面白いことに、問題児達への日常的な罰は、ある部屋で一日中喋らずにじっと座っていること。これは、アメリカの子供達には耐え難いことらしいです。

「これじゃぁ、問題の多い子は救われないよね・・・。」何度もそう思いました。
熱心な先生もいるのですが、そういう先生は志半ばで「バーンアウト」して(燃え尽きて)先生を辞めていきます。それほど、教師は大変な仕事なのだとよくもらしていました。

アメリカの場合、州によっても私立や公立などによっても、学校の仕組みは様々なので、一概には言えませんが、ちょっとかわいそうになってしまいました。

一方で、クリスチャン系の私立の学校も訪問したのですが、生徒達のレベルも、授業内容も、学校の設備も、公立とは比べ物にならないくらい素晴らしいです(あたりまえか・・・)生徒達と話していても、「この前ハワイに行ってきた」(本土からハワイって結構贅沢な旅なんですよ)とか、日本についても良く知っていました。

「アメリカでは良い教育はお金を払って買う」と言われるくらい、裕福な家庭の子供達は良い教育を受けて、成功への道が開かれています。住む場所も、教育も、利用するお店も、裕福な人とそうでない人とは微妙に線引きがされています。

同じ公立でも住民のレベルで様々です。中流家庭の多い地域は普通ですが、貧困層の多い学校にお邪魔した時、「やはり教育はお金で買うんだな」と強く感じました。そこの生徒達は勉強する事にまるっきり関心がなく、先生達も適当に時間をつぶしているという感じでした。

また、貧困層の多い学校で目立った学習困難児童は薬で症状を抑えていました。一種のドラッグのようなものなのか、薬を飲んだ後はおとなしくなるものの、目がウツロでちょっと怖かったのを覚えています。薬は親が持たせたものなので、学校側が勝手に与えているわけではありません。

毎朝、起立して国旗に向かい(校内放送の画面に向かってね)胸に手を当て「誓いの言葉」を述べるあたり、他民族国家らしいと思っていたのですが、日本で同じ事をやると賛否両論なんでしょうね~(笑)

日本の教育って、ゆとり教育といってみたり、元に戻してみたり、ちょっと混乱している感じがします。でも、皆が同じように教育を受けられるって言うのは幸せな事なんだなと思います。姫が学校に通う頃は、どんな風になっているのかな・・・。


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