読書の部屋からこんにちは!

読書の部屋からこんにちは!

2007.03.02
XML
カテゴリ: エッセイ
大学生の頃だったでしょうか。
北杜夫の作品を、片っ端から読んでいた時期があります。
あの頃は、彼はたいへんな人気作家で、
北杜夫・佐藤愛子・遠藤周作のトリオでテレビで対談するなど、
マスコミにもよく登場していました。


私が新婚の頃、夕方おかずを買いにスーパーに行く途中、
ついつい本屋さんにフラフラと入ってしまい、またフラフラと本を買ってしまい、
おかず代がなくなったことがありました。
あれが、忘れもしない北杜夫さんの「さびしい王様」「さびしい乞食」でした。


それから幾星霜(?)、佐藤愛子さんは「血脈」など相変わらず意気軒昂のようですが、
遠藤周作さんは亡くなり、北杜夫さんの新作はあまり聞かれなくなりましたね。
先日、図書館の新着コーナーで偶然この本をみかけて、飛びついて借りてしまいました。
「北さん、お久しぶりですねえ。お元気でしたか?」って感じで。

幼少の頃の話、躁うつ病のこと、文学への目覚め、家族、交友関係、いろいろある中で、
やっぱり一番興味深いのは、作品が生まれる状況について書いてあるところです。
「楡家の人々」「白きたおやかな峰」「ドクトルまんぼう航海記」その他膨大な作品を、
もう一度読んでみたい、と強く思いました。
楡家に出てくる、桃子ちゃんだったけ?可愛かったですねえ。
かの三島由紀夫さんも絶賛されたとか。あーー懐かしい!


だけど、この本を読んで、たまらなく寂しい気持ちになったのも確かです。
北杜夫も年をとったなあ・・・
随想の部分で、ちょっと文章がモタモタしていたり、内容が重複していたり、老いを感じました。
昔のエッセイで何度か書かれたことも、また出てきたりします。
昭和2年生まれですもんねえ。
実際、現在は寝たきり老人ならぬ、座りきり老人だそうです。
「いつ死んでもいいように生活を整理したら、ストレスがなくなってまだ死なない」って、
本人も書いてるし。

私の好きな作家に、最初にランクインした北杜夫さん、
いつまでもお元気でいてくださいね。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007.03.02 08:49:48
コメント(7) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: