読書の部屋からこんにちは!

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2008.01.12
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カテゴリ: エッセイ
瀬戸内寂聴さんの経歴は、今までいろんなところで、聞きかじったり読みかじったりしてきました。が、ご本人があまり人に知られたくないと思っているのか、具体的なことはどこでも目にすることがなかったように思います。
図書館でたまたまこの本「人が好き-私の履歴書」を見つけて、読んでみました。
今まではなんとなく、奔放で波乱万丈、激しい恋の転変を経てきた人、そんなイメージを持っていました。なにしろ、良妻賢母が女の唯一の生きる道という時代の人ですから、まさに女だてらに「無頼の徒」と呼ばれていたことでしょう。
しかし、彼女の淡々とした筆致のせいか、そんなにたいしたことじゃない。そこにもここにもころがっているような、普通のことだという感じを持ちました。それは、私たちを取り囲む世の中が急激に変わっているからでしょうね。

履歴書といえるところは、割と短くさらりと流したという感じで終り、後半は彼女の周囲の人々に関するエッセイになります。
広い交友関係の中で、黒岩重吾と新田次郎のやりとりがおもしろかった。ノーベル賞作家大江健三郎には吹きだしてしまいました。やっぱり天才なんだなあと納得しました。





追記  書き忘れました。

実は私は、偶然、瀬戸内寂聴さんと同じ飛行機に乗ったことがあります。
搭乗前の待合室で、私の座っていたすぐ横の通路を僧衣の寂聴さんが通られたとき、私は思わず姿勢を正し、軽く会釈をしました。何か自然と、そうしたくなるような雰囲気がありました。一瞬のことだったので、寂聴さんが気づかれたかどうかは分かりませんが。

その飛行機はすごく揺れたのですが、怖がりの私はそのとき、ちっとも怖いと感じませんでした。寂聴さんと一緒なら死ぬことはないって、理由のない安心感に浸っていました。なぜかそんな気がしました。





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Last updated  2008.01.12 22:48:29
コメント(10) | コメントを書く


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Re:「人が好き…私の履歴書」 瀬戸内寂聴(01/12)  
くまさん555  さん
わたしの母が、瀬戸内寂聴さん好きで母から聞きかじってましたwwwf^^

わたしのイメージとしては、いいおばさんからおばあちゃんになりましたが…
そうなんですよね
なんか波乱万丈な人生だったみたいですよね

でも、今の世の中のものさしではかると、なんだか…
ほんとに…世の中どうして急激にかわってしまったんでしょうか…
(2008.01.12 17:52:11)

Re:「人が好き…私の履歴書」 瀬戸内寂聴(01/12)  
季節の花束  さん
瀬戸内寂聴さんのイメージは、やはり恋に生きた女性です。
出家した後の穏やかなお顔を拝見していると、波乱万丈に生きた過去など、どうでもいい事のように思われます。
作家としての人生も素晴らしいものだと思います。

(2008.01.12 20:16:53)

Re:「人が好き…私の履歴書」 瀬戸内寂聴(01/12)  
ばあチャル  さん
瀬戸内寂聴さんが出家なさった時、リアルタイムでびっくりしました。その後、すぐに読んだ自伝小説「いずこより」が率直に書かれているので強く印象に残っています。もうこれで作品は終わりかと思っていましたが、書くこと、書くことその後の作品膨大。

このご本が日経新聞に連載されてわたしが読んだ「私の履歴書」かどうかわかりませんが、瀬戸内さんの筆力は永遠に衰えないのでは思ってしまいます(笑)スーパー尼さんですよ。
(2008.01.12 20:54:59)

Re[1]:「人が好き…私の履歴書」 瀬戸内寂聴(01/12)  
ぱぐら2  さん
くまさん555さん
>なんか波乱万丈な人生だったみたいですよね

>でも、今の世の中のものさしではかると、なんだか…

そうなんです。思っていたほどすごくないって感じました。それだけ世の中が変わってしまっているのでしょうね。女性の生き方が多様化したということでしょうか。 (2008.01.12 22:51:21)

Re[1]:「人が好き…私の履歴書」 瀬戸内寂聴(01/12)  
ぱぐら2  さん
季節の花束さん
>瀬戸内寂聴さんのイメージは、やはり恋に生きた女性です。
>出家した後の穏やかなお顔を拝見していると、波乱万丈に生きた過去など、どうでもいい事のように思われます。

ほんとうに、転変の経緯があったからこそ、あんなに穏やかなお顔になられたのかなあと思いますね。
作品も、ほんとうに大作が多く、読み始めるとどっぷりとつかりきってしまいます。 (2008.01.12 22:53:05)

Re[1]:「人が好き…私の履歴書」 瀬戸内寂聴(01/12)  
ぱぐら2  さん
ばあチャルさん

ほんとうにすごい多作ですね。中でも、私の印象に残っているのは、「妻と女の間」(若いときドキドキしながら読みました。)「京まんだら」「愛死」などなど・・・

>このご本が日経新聞に連載されてわたしが読んだ「私の履歴書」かどうかわかりませんが、瀬戸内さんの筆力は永遠に衰えないのでは思ってしまいます(笑)スーパー尼さんですよ。

1992年日本経済新聞社より刊行とありましたから、おそらくばあチャルさんが読まれたものと同じだと思います。大正11年生まれですから、87歳でしょうか?もっと書き続けて欲しい作家です。
(2008.01.12 22:58:59)

Re:「人が好き…私の履歴書」 瀬戸内寂聴(01/12)  
まだ瀬戸内晴海さんだったころ すごく彼女にかぶれたことがあります。
あれから30年・・・芯のある目指した女はまだまだ遠いわぁ~。。 (2008.01.13 22:34:05)

Re:「人が好き…私の履歴書」 瀬戸内寂聴(01/12)  
プックミ  さん
本とは全く関係ない話で申し訳ないにですが、娘の友達が顔チェキをして一番が似ているのが瀬戸内寂聴さんでした。可愛いですよね?! (2008.01.14 03:14:19)

Re[1]:「人が好き…私の履歴書」 瀬戸内寂聴(01/12)  
ぱぐら2  さん
デザイナーももさん
>まだ瀬戸内晴海さんだったころ すごく彼女にかぶれたことがあります。
>あれから30年・・・芯のある目指した女はまだまだ遠いわぁ~。。

寂聴さんが出家されたとき、私はすごい年配だと思っていたのですが、今回51歳だったことを知りました。若かったんですねえ。
まだ煩悩まみれの私・・・もっともっと読みたい作家さんです。
(2008.01.14 07:27:44)

Re[1]:「人が好き…私の履歴書」 瀬戸内寂聴(01/12)  
ぱぐら2  さん
プックミさん
>本とは全く関係ない話で申し訳ないにですが、娘の友達が顔チェキをして一番が似ているのが瀬戸内寂聴さんでした。可愛いですよね?!

丸顔で鼻が小さくて、かわいい顔ですよ。
この本には若いときの写真もたくさん載っていて、その頃からあまり変わってないんです。
故郷徳島には、こういう顔が多いんだって書いていらっしゃいました。
(2008.01.14 07:29:24)

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