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冥王星が惑星の座を追われることを予言した科学解説本。ミステリー作家「湯川薫」として活躍する著者が、小気味よく科学の嘘と真実を解説していく。
冒頭の「飛行機はなぜ飛ぶのか? 実はよくわかっていない」で、著者の“つかみ”にまんまとはまってしまった私は、通勤電車の1往復で読了してしまった。「常識は仮説にすぎない」(53ページ)、「時代と場所によって『正しいこと』は変わる」(110ページ)、「科学とは、いちばん新しい仮説の集まりにすぎない」(156ページ)など、探偵が推理を開陳するように、小気味よいテンポで話を進めていく。また、著者の主張が太字になっており、読みやすく、引き込まれやすい内容である。
著者は、「科学と真理は、近づくことはできてもけっして重なることはできない、ある意味とても切ない関係」(153ページ)と指摘する。
子どもの頃、漫画や学校教育で科学が万能だと信じていた私が、大学で大きな疑問を感じたのが、まさにその点であった。これが1つの契機となり、私は大学を辞め、情と金で動くサラリーマンの世界に身を置くこととなった。
だが、バブル崩壊を経て、金も真理の基準になるものではないことを目の当たりにした。そして、自分の子どもが理科を学ぶ年齢になり、太陽系第9番惑星「冥王星」が惑星ではなくなってしまった。
まことに世は「諸行無常」である。
IT技術者、とくにシミュレーションで飯を食っている技術者は必読の書である。
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