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地球温暖化のような「複雑系」では、物事を単純化しない方がいい。
著者は、「『温暖化=二酸化炭素犯人説』はまったくの誤りだと断言しますが、私は現在の『二酸化炭素排出削減運動』を全否定はしません」(186 ページ)という立場である。本書では地球温暖化には複数の要因があることを科学的に説明し、二酸化炭素はそのうちの一部の要因でしかないこと。二酸化炭素問題を解決したからといって温暖化が止まるものではなく、むしろ寒冷化の予兆があることを指摘しています。
私も以前から、工業化による二酸化炭素排出が地球温暖化を招くというのは、人間の奢りではないかと感じていました。地球環境がそれほど単純なものだったら、とうの昔に滅びていると思うからです。度重なる巨大隕石の落下や太陽活動の変動などに耐え、地球は生命を育んできたのは事実です。それを思うと、すべての原因を二酸化炭素に帰結しようというのは、あまりにも単純な発想であり、非科学的なものを感じます。
ただ、本書を読んでいるうちに感じたのは、われわれは二酸化炭素排出問題を通じ、たとえば排出権売買に代表されるように、単なる権利ビジネスに踊らされているだけではないでしょうか。だとしたら、たいへん馬鹿馬鹿しい話です。
ちょうど、東京大学と名古屋大学の研究チームが、太陽活動が強まり太陽磁場が強まることによって、宇宙線が地球に届きにくくなり、宇宙線の作用でできる雲の量が減ることを発表しました。雲の量が減ると太陽光の反射が減って、地球は温められます。
地球温暖化というのは、宇宙のマクロな環境変化の一環としてとらえるべきだと思います。
■メーカーサイト⇒ 丸山茂徳/講談社/2008年5月 『地球温暖化』論に騙されるな!
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