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2008.08.29
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カテゴリ: 書籍

「普通がいい」という病

「普通がいい」という病


 『安心して悩める』という状態が、人間の健康な状態です。

「普通がいい」と言う若者の考えを分析する本かと思って読んだのがだ、そうではなかった。
著者は現役の精神科医で、本書は、悩んでいる患者(クライアント)の話を聞く若いカウンセラーのために書いたテキストがベースになっているという。内容は哲学的な話題に触れているものの、あくまで現場重視の書き方になっているのは、そのためだろう。
いずれにしても、「普通じゃなくていいんだよ」と言ったあげるためのネタを掴むことができたので、読んで良かった。
現場向けの内容なので、簡単で示唆に富む言葉が多い。
たとえば、「『安心して悩める』という状態が、人間の健康な状態です」(29 ページ)とあるが、これなどは、悩むのを止めようとして、かえって病気になりそうな人に贈りたい言葉である。また、「自分探し」の旅に出てしまいそうな人には、「『本当の自分』というものは、どこかから持ってきて身につけるものではなく、あらかじめ自分に内在しているものです」(106 ページ)のくだりを読んでいただきたい。
IT 業界は、有能であるにもかかわらず一般から理解されずにオタクのレッテルを貼られ、これを嫌って「普通であろう」とするあまり、病気になる人が多い。こんな方々に読んでいただきたい。


■メーカー/販売元 泉谷閑示/講談社/2006年10月

■販売店は  こちら








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最終更新日  2008.08.29 18:23:11
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