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確率子という新しい概念を登場させたSF「プロバビリティ3部作」の第2部。超ひも理論、カラビ=ヤウ図形、フロップ転移といった、数学や物理が好きな方をワクワクさせるキーワードがちりばめられている。
地球で謎の人工物の報告書を目にしたカウフマン少佐は、異星人の惑星「世界(ワールド)」の山中に埋まっている「人工物」こそ、地球人類を殲滅しようとする敵エイリアン「フォーラー」を撃破する鍵になると確信した。確率子の研究をしている太陽系随一の物理学者カベロを調査チームに加え、「世界(ワールド)」へ向かい、「人工物」を掘り出す。一方、調査チームは「フォーラー」の生け捕り、コミュニケーションを図ることに成功した――本書は、プロバビリティ 3部作の第2部にあたる。。
冒頭の謝辞にあるように、カペロの理論はブライアン・グリーンの『エレガントな宇宙』(草思社、2001 年)に着想を得ており、超ひも理論、カラビ=ヤウ図形、フロップ転移といった、数学や物理が好きな方をワクワクさせるキーワードがちりばめられている。本書の時代設定は 2160 年代。重力子は 2052 年に発見されており、カペロは未知の粒子「確率子」を追い求めている最中だ。量子の確率的な振る舞いは、この確率子が支配しているという。
量子力学によって自由な発想が封じられていた間のある昨今の SF だが、この着想は素晴らしい。次の第3部の展開に期待したい。
■メーカーサイト⇒ ナンシー・クレス/金子司/早川書房/2008年12月 プロバビリティ・サン
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