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西村さんの言っていることは、身も蓋もなさすぎてついていけない。
タイトルである「2 ちゃんねるはなぜ潰れないのか?」の理由は、10~11 ページを読めば分かってしまう。いきなりの肩すかし――本書は口述筆記とのことだが、いつにも増して短い稚拙な文章で、事実と考察が交互に列挙されているだけ。まるでブログを読んでいるようである。
しかし、ひろゆきという人物は、意図してこれをやっているんではないだろうか、と感じる。
中盤の佐々木俊尚氏との対談で、佐々木氏が「西村さんの言っていることは、身も蓋もなさすぎてついていけない」とこぼしているが、これが的を射ている。ひろゆきは、純粋なリアリストなのである。
「インターネットに未来的な何かがあるということ自体が、既に誤解なのです」(105 ページ)、「『ガリレオ・ガリレイの時代に集合知があっても、地球が回っていることにはならなかった』ということと同じ原理で、集合知が正しいと言うことが間違っていて、大衆が間違えてしまうこともある。その前提を覆さなければ、結局、集合知だと思っていたことが、実は集合愚だった、ということにもなりかねないのです。」(174 ページ)など――まったくその通りなのだが、それを面と向かって言ったら、“身も蓋もない”のである。
冒頭に「事実と考察が交互に列挙され」と書いたが、大多数のブログはこうなっていない。考察ではなく、修飾語に飾り立てられた感想が延々と続くだけなのである。一方、本書は、考察といっても事実をサマライズしているだけである。純粋なリアリストであると感じるのは、その点にある。
「グーグルが、電気代が高いと言っている理由は、電気代以外にあまりお金がかからないからでしょう。つまりランニングコストで負担になっているのが電気代」(38 ページ)、「おそらくですが、国は自らがウィニーを利用し、情報を流出してしまったことで、他のウィニー利用者を処罰することができなくなったのでしょう。その結果、製作者である金子さんを逮捕することになったのだと思われます」(140 ページ)――いやあ、これを面と向かって言われたら、“身も蓋もない”のですよ。
■メーカーサイト⇒ 西村博之/扶桑社/2007年7月 2ちゃんねるはなぜ潰れないのか
■販売店は こちら
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