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どうして三つの空間次元と一つの時間次元だけが平坦になり、ほかの次元はきつくねじ曲がったままなのでしょうか? 考えられる答えの一つに、人間原理があります。
車椅子の天才物理学者、ホーキング博士が講義風の形式で著した宇宙論の本。全部で 7 つの章からなり、後半が一般相対性理論と量子力学をめぐる最新のトピックスだ。
熱力学の第二法則に基づき、未来を予言できるコンピュータを作ることができない理由も明らかにする(154 ページ)。詐欺商法に引っかからないためには、こうした科学的見方が大切だ。
ただ、意外だったのは、いわゆる「人間原理」に触れられていることだ。
超ひも理論で、なぜ 4 次元(空間+時間)以外の次元がコンパクトな状態のままかというというに対し、「二次元空間ではわれわれのような複雑な生命体を発達させるには、不十分だったのでしょう」(172 ページ)と「人間原理」を持ち出している。
人間の原理は、ある意味、最強の原理である。われわれ人間が理解できるのはたかだか 4 次元なので、この世界は 4 次元になっている。10 次元の別宇宙の中では 10 次元を理解できる生物誕生しているであろう――これが人間原理である。
■メーカー/販売元 スティーヴン・ウィリアム・ホーキング=著/青志社/2008年10月発行
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