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もしかしたら失敗こそが私たちを導く原動力なのかもしれない。
スペースシャトル「コロンビア号」の事故や小惑星探査衛星「はやぶさ」のトラブルから、校舎に設けられたトップライトが割れて落下死亡するという身近な事故まで、さまざまな失敗を実例を交えて解説している。
著者は「単純に失敗とだけ公表・報道されると、その時点で予算が打ち切られて担当者も変わり、それ以降の調査や事態の解決に至ることなく、以前と異なる次プロジェクトが採用されることが多い」(41 ページ)と言うが、たしかに公共事業でもビジネスでもその傾向は強い。結果が全てで、途中経過は評価してもらえないのである。
しかしこれでは、技術開発や新規ビジネスはたまったものではない。
その一方で、「想定しなかったこと、それが失敗なのである」(169 ページ)と指摘する。
失敗したらどうしたらいいか、結果が失敗でも途中で収穫を得るにはどうしたらいいか――そんな場面に遭遇する前に、本書を読んでおこう。
■メーカーサイト⇒ 池田圭一=著/技術評論社/2009年12月発行 失敗の科学 世間を騒がせたあの事故の“失敗”に学ぶ
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