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まず言葉として理解してもらってから、色やカタチを紐解いて行けばいい
著者の水戸岡鋭治(みとおか・えいじ)さんは、新幹線800 系つばめや 787 系リレーつばめ、883 系ソニック、885 系かもめ、そして SL や「たま電車」まで、20 年あまりにわたって話題の車両デザインを手がけ、ブルネル賞、ブルーリボン賞、ローレル賞など数々の賞を受賞したデザイナーである。
普段デザイナーに対しているイメージとは違い、平易で分かりやすい言葉で自らの仕事を説明している。それは「わたしたちデザイナーが感性という言葉で表現するならば、活字はいわば理性。まず言葉として理解してもらってから、色やカタチを紐解いて行けばいい」(153 ページ)という、著者のスタンスによるものであろう。
当サイトの「 乗り物大図鑑 - JR 九州
」でも紹介しているが、著者の車両デザインはとても印象に残る。JR 吸収の車両の種類はそれほど多くないのに、どれも個性的である。
そして、著者は「コストパフォーマンス意識の徹底」を念頭に置いているというように、内装は立派に見えても実はコストはかかっていない。たとえば 九州新幹線「つばめ」800 系
の場合、内装の木材等に若干傷のある材料を大量に仕入れることで、むしろコストを低くしているという。もちろん不燃処理が施されている。
プロのデザイナーが本気で仕事に取り組むと、こんなに凄いものができるのだと感心する。
■メーカーサイト⇒ 水戸岡鋭治=著/中央公論新社/2009年12月発行 電車のデザイン
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