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イギリスは、海賊行為という手法で豊かさを追求し、200年以上にわたる歳月をかけて大英帝国(British Empire)を築いた。
映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」や漫画「ワンピース」の海賊たちは、なぜ英雄として描かれるのだろうか? その疑問を、本書では史実に基づいて紐解いてゆく。
歴史で学ぶ「大航海時代」――エリザベス 1 世統治下のイギリスがスペインの無敵艦隊を破り、インド航路が発見され東インド会社が設立される。が、このいずれにも海賊が関わっている。無敵艦隊を破ったフランシス・ドレーク提督は女王公認の海賊だったし、イギリス東インド会社の執行委員は全員海賊である。
また、「イギリスの金融街ザ・シティは、そもそも海賊出身者が金融を動かしてきた点で『海賊ビジネス』の元祖である」(11 ページ)。海賊たちが「コーヒーを飲みながらビジネス・トークをする場所がコーヒーハウスであった。中でも有名だったのがロイズ・コーヒーハウスである。ロイズといえば、世界最大の船舶保険会社として世界中の保険会社を巻き込み、巨大なネットワークを構築しているが、その起源を遡ってみると、もともとは海賊たちが立ち寄る 1軒の小さなコーヒーハウスに過ぎなかった」(165 ページ)。
産業革命以降のイギリスの発展は、こうした海賊の働きによってもたらされたとしても過言ではないのだ。
■メーカーサイト⇒ 竹田いさみ=著/筑摩書房/2011年02月発行 世界史をつくった海賊
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