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著者・編者 | 山崎恵人=著 |
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出版情報 | 朝日新聞出版 |
出版年月 | 2010年12月発行 |
1 ヶ月のページビューは約 6000 万、1 ヶ月のユニークユーザー数は約 2000 万、日本にあるブログ中「第1 位」の影響力を誇り、過去には英Guardian紙の「世界で最も影響力のある 50 のブログ」に選ばれ、「TIME」の「世界のブログトップ 25」にも選出された「GIGAZINE」(http://gigazine.net/)の創設者で編集長である山崎恵人が、サイト開設10 年を記念しての書き下ろし。私も毎日、GIGAZINE に目を通している。ガジェット系の話題は、特に面白い。
冒頭で、「オタク」と「専門バカ」を比較して、GIGAZINE は「オタクになれ」と提言する。
これには違和感を覚えた。山崎さんは自分の専門外のことを攻撃する者を「専門バカ」と定義しているが、世の中、こういう者が「オタク」と呼ばれているように感じるからだ。
まあ、用語の定義の問題なのだが、「知識を愛する」という主旨には賛成である。
山崎さんは、インターネット・ビジネスの将来像として、Wikipedia のような寄付に立脚する、「ファンではなくパトロンとして支えるのだという意識の高さが今後のインターネットを支えていくはず」(83 ページ)と語ります。そのためには、PayPal よりも簡単に超少額決済できる仕組みが必要で、「いかにして効率的に、手軽に、抵抗感なく金銭を移動させるか? その手法を確立させたところが今後の覇権を握る可能性が大きい」(87 ページ)と言います。これは面白い指摘です。これに絡んで、「『価値あるものには自分でできる範囲の対価を払う』という教育が必須」(175 ページ)など、教育についても発言しています。試験問題で「検索されてもいい問題」はどんなものか――これも面白い視点です。
こうした山崎さんの話を読んでいると、「『 ウェブ進化論 』を書いた梅田望夫氏は日本のウェブに対して「失望」したらしく、今は将棋の世界に生きていますが、その気持ちは何となく理解できる半面、『失望するにはまだ早い』とも考えています」と書かれているように、ネットに夢と希望が湧いてきます。そう、失望するにはまだ早い。
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