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著者・編者 | 海堂尊=著 |
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出版情報 | KADOKAWA |
出版年月 | 2021年5月発行 |
全国統一潜在能力試験で全国 1 位になり飛び級で東城大学医学部に入った曾根崎薫(カオル;世界的なゲーム理論学者・曾根崎伸一郎の息子)は桜宮中学 3 年生に進級した。学級委員の進藤美智子、ヘラ沼こと平沼雄介(『夢見る黄金地球儀』の主人公・平沼平介の息子)、父親の病院を継ぐために東城大学医学部を志望しているガリ勉の三田村優一の 4 人「チーム曾根崎」は、海岸近くにある洞窟の中で、高さ 1 メートル 50 センチもある大きな卵を発見した。4 人は卵に〈いのち〉と名付ける。東城大学医学部に報告して、論文にしようという話になった。そこで、桜宮学園高等部を卒業し東城大学医学部の 4 年生に特別編入しいた佐々木アツシに〈いのち〉のことを相談した――。
桜宮中学 3 年生は修学旅行で東京へ向かった。原宿で、カオルと美智子は〈ニンフ〉と呼ばれる少女に出会う。彼女は、セント・マリアクリニックの曾根崎理恵医師(曾根崎伸一郎の妻;『ジーン・ワルツ』参照)の娘・忍だった。修学旅行から戻ってみると、卵が孵化しようとしていた。チーム曾根崎と佐々木アツシらが徹夜で見守る中、卵からオオサンショウウオのような未知の生物が誕生した。東城大学医学部付属病院の看護師・如月翔子(『ジェネラル・ルージュの凱旋』では「ICU の爆弾娘」の異名が与えられた)が駆けつけ、生まれたばかりの〈いのち〉をオレンジ棟 3階へ運び込む。
何事もなく 1週間が過ぎたが、「こころ」の移植を目指しているカオルの指導教官・赤木雄作に見つかってしまう。赤木は〈いのち〉を研究材料にすべきだと主張する。
チーム曾根崎には、田口公平教授(『チーム・バチスタの栄光』他の海堂ワールドに登場する愚痴外来の冴えない医師)と高階権太学長が味方する。だが、解剖学教室の藤田要教授は、文部科学省学術教育室特別学制企画室臨時室長・小原紅〈スカーレット〉を召還。これに対し、田口教授は、厚生労働省大臣官房秘書課付技官兼医療過誤死関連中立的第三者機関設置推進準備室室長・白鳥圭輔〈火喰い鳥〉で応戦。
〈いのち〉の安全は確保されたかのように見えたが‥‥。
タイトルから分かるとおり、2008 年 1 月の『医学のたまご』の続編だ。「たまご」では近未来のジュブナイル SF という設定だったが、本書の設定は 2023 年 4 月、再来年の話である。『ナイチンゲールの沈黙』『アクアマリンの神殿』に登場する佐々木アツシ、『ジーン・ワルツ』の曾根崎理恵、『夢見る黄金地球儀』の 4S エージェンシー。そして、『チーム・バチスタの栄光』から始まる海堂ワールドの不動の主人公であり愚痴外来の冴えない田口公平先生は、ついに教授にまで上り詰め、ファンタジー RPG よろしく、スマホをポチッと押して〈火喰い鳥〉白鳥圭輔を召還――海堂ワールドのオールスター大進撃である(笑)。
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