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著者・編者 | 岡本吏郎=著 |
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出版情報 | フォレスト出版(株 |
出版年月 | 2006年10月発行 |
著者は、マーケティングコンサルタントで税理士の岡本吏郎さん。対象は中小企業の経営者だが、サラリーマンの私が読んでも「なるほど」と感じる解説が多い。
たとえば、「決算書が分からない」(88 ページ)という経営者は、私も見たことがあるが、岡本さんによれば、「分からない理由は『自分が感じている数字と違う』」「その感覚は実は正しくて、分からない決算書が悪いという方が正しい可能件が高い」という。なぜなら、「決算書の『利益』はまったく実態を表さない『税金を払うための数字』」(86 ページ)であるからという。なぜそうなってしまったのかは、本書を読んでいただきたい。私は納得できる内容だった。
というわけで、日頃、「経営者視点で仕事をしろ」と言われているサラリーマン諸氏も、ぜひご一読いただきたい。
岡本さんによれば、ビジネスの基本ルールは「儲けること」(22 ページ)と、単純明快だ。「投資する資産をなるべく少なくして、利益はギリギリまで多く取る」(24 ページ)――この当たり前のことを、当たり前のこととして遂行できるかどうかが、会社の命運を分ける。
中小企業は、大企業を上回る利益(利回り)がなければ生き残れない。「だいたい 1000 万円ぐらいの利益だとすると、300 万円ぐらいの内部留保はほしいところ」(36 ページ)と具体的だ。
そのために、収入、支出、借入れ、税制、決算書、価格、リスクという 7 つのシステムに絞って、本書で解説していく。
岡本さんは、「役員報酬の最大の役目が税金を最小化すること」(125 ページ)という。なぜなら、会社の利益には大きな税金がかかるが、給与所得控除により、実際より所得が小さく見えるからだ。だから、社長の預金通帳に入っている金額は社長のものではなく、節税のための、悪く言えば裏金だという。
その他、「最初の打ち手は失敗する」(152 ページ)、「問題を問題として認識できる者のみが、その問題を解決する方法を利用することができる」(160 ページ)など、現場で仕事をして、実際に経営者と相対している岡本さんならではの経験則だと感じた。面白い。
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