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著者・編者 | ヴァーナー・ヴィンジ=著 |
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出版情報 | 東京創元社 |
出版年月 | 1995年11月発行 |
リレーを出発して5ヵ月、〈アウト・オブ・バンド2世号〉(OOBII)は修理のため、RIPに立ち寄ることになった。ところが、グリーンストークの裏切りに遭い、一行は命からがらRIPを脱出した。グリーンストークを含むスクロールライダーは〈奇形体〉の洗脳を受けていたのか。そして、ラヴナ・バークスヌトは、シャンドラ・カイが崩壊したというニュースを目にする。
イェフリと鋼鉄卿は、ラヴナ・バークスヌトに教えてもらった無線機を製作し、集合体同士の距離を離しても思考が継続できることを確認した。一方、火薬と大砲の製造法を取得した木彫師の軍勢は、ヨハンナをともない鋼鉄者へ向かっていた。だが、行軍中にヨハンナが襲われた。木彫師の軍勢の中に裏切り者がいたのだ。
OOBIIを追跡していたシャンドラ・カイの通商警備艦〈ウルビラ〉は、OOBIIとともに津波に巻き込まれ低速圏に入ってしまう。OOBIIは超光速通信ができなくなり、イェフリとの交信が途絶する。イェフリは不安になった。
低速圏から脱出した〈ウルビラ〉艦長クイェト・スベンスヌト大佐は、社主ギスク・リメンドからの指令がおかしなことに気づいた。寄生体に感染したのだと考えられる。そこで、OOBIIの追跡を断念し、生存する道を探ることにした。
だが、疫病体艦隊はなおもOOBIIを追跡する。
OOBIIは、ついに鉄爪族の惑星に到着した。まさに木彫師の軍勢が鋼鉄者に襲いかかろうとしていた。
混戦の中、イェフリとヨハンナは邂逅するが、鋼鉄者の城は油攻めにされ火が放たれた。ブルーシェルは火の中に飛び込み2人の子どもを救出するが、燃えつきてしまう。
ファム・ヌウェンは、イェフリとヨハンナが乗ってきた貨物船の中で、〈神の破片〉の力を使って、ライダーの神話が事実であることを確かめた。疫病体を快く思わない巨大な力がある。そして、巨大な津波が疫病体艦隊を襲い、鉄爪族の惑星は低速圏に沈んだ――。
銀河を大洋のように表現しているのは松本零士の漫画のようであり、さまざまな形態をした異星人が登場するのはスター・ウォーズのようでもある。鉄爪族の惑星は中世ファンタジー世界、ヴリニミ機構がある際涯圏はサイバーパンク。ネットを飛び交うニュースはSNSのよう――本書はスペースオペラのようでもありハードSFのようでもあり、銀河系という舞台の設定、そして、鉄爪族やスクロールライダーという登場人物の設定が複雑な伏線を生み、それを全て回収するという空前絶後のSFである。
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