サヨコの土壇場日記

ひとつぶ

ひとつぶ


こんなにも清しい草だったろうか



盆栽の寄せ植えのカヤツリ草に

魅せられる

すんと伸びた白い恥じらいに



見守る日々に突然の強風が吹く

倒れて立ち上がれなくなったのが二本

思わず鉢ごと室内に入れてしまった



同じように

子供たちを守りたいと思っただけ



気がつけば

官邸前に立っていた



地下鉄から湧きあがる二十万人の

ひとつぶとして



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