More Movie & More Music

2006年11月13日
XML
カテゴリ: Movie(邦画)

デスノートの発想ってもともと ドラえもんの道具 でしょ?
違うのかな~?
ドラえもんって意外と「怖い」道具も持ってるんですよね。
悪魔のパスポートとか悪魔のイジワールとか・・・
いずれにしてもデスノートは究極の「アイテム」といえます。
そう感じるのは、この物語が絶大な人気があるからです。
これは現代人の抱える病床心理を浮き彫りにしているということなのでしょうか?
マンガなり、映画なりを見てこのノートを「夢のアイテム」と考える人が少なくない・・・・と私は思います。
でも、もしこのアイテムがあったとしても、主人公ライトと、読者や観客とは 使い方 が決定的に異なるでしょう。
おそらく、観客は読者は手に入れたら・・・・自分の気に入らない人間の名前を真っ先に書き込むことを想像するのではないでしょうか?
ライトは違いました。
実はこの相違点こそ、この物語の根幹にあるものであり、また、最も重要な部分ではないかと思います。

物語の「核」の部分を考えるに当たって、まず何故ライトがデスノートの使い手として選ばれたかということを考えなくてはいけないと思います。
デスノートは人間の主観的な時間で考えても、ライトが存在する時代に出来た物ではないはずです。
おそらく古より存在する物なのでしょう。
死神の存在自体の定義はひとまずおいといて・・・・実際は人類が存在するから死神も存在するのかも知れませんが・・・
とにかく、ライトより以前にデスノートを手にした者がいるはずです。
その者たちはいったい何に使用したのでしょう?
おそらく、自分が嫌いな人間、もしくは自分にとって都合の悪い人間を「数人」殺すために使用したと思います。
しかし、ライトはどうでしょう?
彼はモラルを重んじる性格故に「こいつ殺してやる」などと日常生活の中で思ったりするような人物では無かったと思います。
つまり、そんな人間にデスノートを渡したらどうするんだろうという 興味本位 で死神は彼を選んだのだと思います。
なにしろ死神とはいえ、「神」ですから、とかく気まぐれなのです。
案の定ライトは法では裁ききれない犯罪者に「死」を与えます。
ちょっと話はずれますが、「必殺仕事人」は現代劇ではTV放送できません。
「ハングマン」というシリーズがありました。(ちなみに「吊す人」と言う意味です・・・)
現代版仕事人です。
しかし、決して殺人はせず、「お仕置き」にとどまっていました。
現代劇でこれをやると必ず「模倣」する人間が出てくるからです。
現代劇において、殺人を犯した者を「正義」として扱うことはTV業界ではタブーなのです。
で・・・ライトがやっていることはまさにこれです。
しかも直接手を下さず名前をノートに書くだけというこれ以上ないという方法で事を遂行できます。
犯罪者をバンバン殺していたまではよかったのですが、Lの捜査が始まって事態は一変します。
ここでライトには 2つの道 が選択できました。
つまり、「前編」でLがTV放映をした時です。
彼は画面に映った外国人がLだと思い、ノートに名前を書きました。
実際はその人間はLではなく司法取引をした死刑囚でした。
かろうじて犯罪者のみを殺しているというライトの犯行は保たれましたが、実はライトはこのときLを殺そうとしたと言うことなんです。
Lは犯罪者ではありません。
このときライトは道を踏み外してしまったのです。
ここで手を引くという手もあったはずですが、Lにはめられたことで深くプライドを傷つけられたライトは、クールに装ってじつはかなりヒートアップしてしまいました。
その後はゆっくりとしかし確実にライトは サイコキラー になっていきます。
FBIの捜査官を皆殺しにして、なおかつ最愛の恋人まで殺します。
一応、「保身」のためのように動いていますが、実際ライトはゲームを楽しんでいます。
もう完全に犯罪者になってしまったというわけですね・・・・
後編にあたる「the Last name」ではLとライトの心理戦がますますヒートアップしますが、ライトの目的はただ一つ・・・・

Lを殺すことです。

父親が理想にしている新世界を創るという目的はどこへやらで、完全に自分自身を見失ってしまいました。
そして計り知れない2重3重のトラップを仕掛けLを追い込みますが・・・・
原作とラストが異なる(?)ようなのですが、私は原作を読んでいないのでわかりません。
ただし、主人公ライトの運命は、先の分岐点のところで決まっていたような物だと思います。
ですから、想像通りでした。
映画の顛末については文句ありません。
きちんと完結していて、作りもしっかりとしていたと思います。

問題は、全編を通じての観客の視点が気になります。
というか観客の心理ですね・・・・
物語ですから、観客は主人公目線になっていると思います。
私が上記に書いたことを踏まえて映画を観ているなら問題ないのですが・・・・
実はロードショーでは小中学生が大半でした。
彼らや彼女たちはおそらくライトがLに勝つように応援していたと思います。
もちろん、完結している物語ですからラストは知っているのでしょうけど・・・
でもシーンごとにはライト側で物語を見ているはずです。
その感情は「気に入らない奴はノートに書いて殺してしまえ」という心理に共感しているということかもしれません。
恐ろしいです・・・・

私が言いたいのはこの物語がそういう共感できる感情を増幅した物では無いと言うことです。
むしろ、その逆です。
たしかに、この物語は命の大切さをストレートに説いた物語では無いかも知れません。
しかし、敢えて人の命を軽んじることで、実はいろいろなことが見えてくることも事実です。
きるとはどういうことなのか?
人の とはどういう事なのか?
そして 人間 とはなんなのか?
この後、私たちは どこ に行こうとしているのか?

明日を担う子供達には是非、そういう視線でこの物語をとらえて欲しいです・・・・
そういえば、こういう感想を持った映画が近年ありました・・・
「バトル・ロワイヤル」 です。
奇しくも主演が藤原竜也だったのはやはり単なる偶然だったのか?
それとも制作者の意図だったのか?
ひょっとしたら 「必然」という名の「偶然」 だったのかも知れません・・・・

DEATH NOTE デスノート the Last name
監督 金子修介
出演 藤原竜也 松山ケンイチ 戸田恵梨香 片瀬那奈 マギー 上原さくら 前田愛 津川雅彦 藤村俊二 鹿賀丈史
声の出演 中村獅童 池畑慎之介(ピーター)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年07月29日 21時09分17秒
コメント(2) | コメントを書く
[Movie(邦画)] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: