男女混合病室

今回入院したデイ・ホスピタル、古~い乳腺外科病棟とは違って建物は新しく、日本なら当たり前の冷房設備も設置されていた。
病棟主任のセンスか、それとも病棟責任者の医師の配慮か、設置されている時計や洋服フック、花器などの小物類にもイタリアのセンスが伺え、患者の心が和む雰囲気作りがされているようであった。

4人部屋の病室に入って私をそれ以上に喜ばせてくれたのは、イタリア入院生活初めての 各ベッドの仕切りカーテン があったことである。
たった1日の入院生活だが≪プライバシーが少しは保てる≫と私はほくそえんだ。
着替えもしかり診察時も、カーテン引いて余計な羞恥心を感じる必要も無い。

ところが!だ。
私が入院して1時間余り、看護士が一人の男性を伴って入室してきた。
入院する奥さんの介添えかと思いきや、本日入院・手術するのは彼自身だったのである。
そう、ここは男女同室病棟だったのである。

私の「なんてこった!」という思わずの一声に、看護士が答えたのは
「仕切りカーテンがあるのだからどうってことないでしょ!そんな事言っていたら海岸でトップレスにもなれないじゃない!」

どうして私がトップレスになんぞならねばならんの!?私はこう見えても恥ずかしがり屋さん(?)なので、例え多くのトップレスが居る海岸でも公衆の面前でオッパイ放り出し、他の男共に只で(?)見せてやる気も無い。
日本の温泉だって混浴なんぞに入った事も無ければ、女湯だってオッパイと下半身隠して入る人なのだ。

大昔、「20cm四方のタオルしかなかったら、温泉では上と下どちらを隠す?」などという友人達との詰まらん会話で、
「私は顔を隠す」と答えた私。

先ほどの≪たった1日でもプライバシーが保てる≫から、≪たった1日の辛抱だわ≫に私の気持ちは急転した。

私を喜ばせてくれた冷房設備も電力給付制限の為スイッチは入れられず、50年ぶりの記録的猛暑のイタリア、連日40℃近い気温で体感温度は50℃。術後には胸にしっかりバンテ-ジを巻きつけられ汗だく。
女だけなら羞恥心も吹き飛ばし裸になりたいほどであった。

前回の入院時はパジャマであったが、今回は花柄の可愛いネグリジェ、長い裾をたくし上げ太腿露わに大股開き、蒸れた下半身に風でも通したかったのであるが、向かいの男性の視線が気になり哀れ私は股をしっかり閉じたまま。

隣の彼女、20代後半ではあるが未婚、花も恥じらい彼女も裾を気にして・・・
と思いきや、ナント彼女はパンティすれすれほどの短いネグリジェたくし上げ、
ピンクのパンティ丸出しに、大股広げていたのである。

ア~、たった1日でホント良かった!


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