パスターハリー(Pastor Harry) の書斎

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詩編132編



  「臨在、選び、契約、喜悦」 これはとこしえにわが安息所である。
 わたしはこれを望んだゆえ、ここに住む。  詩篇132 :14

【はじめに】   
 この詩は本来、祭の行列で使用されたもので重要な内容が盛りこまれている。詩の全体は大きく2つに別れ、
 前半(1-10) は信仰の先祖ダビデの神への熱い祈り。
 後半(11-18)はダビデと信仰者に対する神の祝福となっている。
 この詩は実は大変重要なもので第二サムエル7章の「ダビデの選びとシオンの選び」という主題を歌っている。新約聖書風に言えば神はわたしたちを主イエスにあって世のはじめから選んでくださり、教会の中に臨在されると語っているのである。

1)1 【都に上る歌。】
主よ、御心に留めてください/ダビデがいかに謙虚にふるまったかを。
2 彼は主に誓い/ヤコブの勇者である神に願をかけました。
3 「わたしは決してわたしの家に、天幕に入らず/
わたしの寝室に、寝床に上らず
4 わたしの目に眠りを与えず/まぶたにまどろむことを許すまい
5 主のために一つの場所を見いだし/ヤコブの勇者である神のために/神のいますところを定めるまでは。」
6 見よ、わたしたちは聞いた/それがエフラタにとどまっていると。
ヤアルの野でわたしたちはそれを見いだした。
7 わたしたちは主のいます所に行き/
御足を置かれる所に向かって伏し拝もう。
8 主よ、立ち上がり/あなたの憩いの地にお進みください
あなた御自身も、そして御力を示す神の箱も。
⇒ 神の臨在と内住
 ここには神の臨在の箱を慕うダビデの姿が描かれる。この詩の熱狂的な魅力は、主が神の箱の上に臨在されること、その神の箱がシオンの神殿にあるというメッセ-ジによる。
6-8 節では力の箱に関して、17節では角について言及されている。このことは神の臨在こそがわれらの力であることを示している。
「キリストの臨在こそ救いなり」笹尾鉄三郎師の愛唱句。いま、信仰者の体こそ霊の神殿である。聖霊なる神様の内住を経験するまで私たちの霊的な力はない。勝利は主の霊による。

2)9 あなたに仕える祭司らは正義を衣としてまとい/
あなたの慈しみに生きる人々は/喜びの叫びをあげるでしょう。
10 ダビデはあなたの僕/あなたが油注がれたこの人を
決してお見捨てになりませんように。
11 主はダビデに誓われました。それはまこと。
思い返されることはありません。
「あなたのもうけた子らの中から/王座を継ぐ者を定める。
12 あなたの子らがわたしの契約と/わたしが教える定めを守るなら
彼らの子らも、永遠に/あなたの王座につく者となる。」
⇒ 神の選びと契約
ここでは、ダビデの選びが歌われている。「ダビデはあなたの僕、あなたが油注がれた人」「あなたは決して彼をお見捨てになりません」と告白されている。
更に11節では「主はダビデに誓われた」ことは「真実である」こと。それは「思い返されることはありません」すなわち撤回はないという。
そして神様の「ダビデの子らの中から、王座を継ぐ者を定め」、「彼等がわたしの契約と、わたしが教える定めを守るなら、永遠に、王座につく者となる」と歌われる。
 ダビデの選びと神の民の契約がここでは歌われる。
 やがてこの契約は主イエスを通して新約の神の民にまで及ぶ。

3)13 主はシオンを選び/そこに住むことを定められました。
14 「これは永遠にわたしの憩いの地。ここに住むことをわたしは定める。
15 シオンの食糧を豊かに祝福し/
乏しい者に飽きるほどのパンを与えよう。
16 祭司らには、救いを衣としてまとわせる。
わたしの慈しみに生きる人は/喜びの叫びを高くあげるであろう。
17 ダビデのために一つの角をそこに芽生えさせる。
わたしが油を注いだ者のために一つの灯を備える。
18 彼の敵には、恥を衣としてまとわせる。
王冠はダビデの上に花開くであろう。」
⇒ 信仰者の祝福と喜悦 
ここには諸種の臨在、内住、選び、契約と共に、祝福と喜びの世界が歌われる。主はシオンの食料を豊かに祝福し、救いの衣を着せ、喜びの叫びを高く上げさせると語る。祝福については、ラル-ス社と日本の小学館との提携による『カラ-バイブル』の創世記を見ると、信仰の父アブラハムから始まる牧父達の祝福物語を、「神の祝福によって苦難を乗りこえ、運命を切開いてゆく」物語であり、「祝福とは生命力が拡大してゆく原理である」と説明されている。信仰は我等を、勝利に満たし、どんな苦難の中にあってもそれを乗り越え、愛と命で満たして行くのだと教えている。
また、この詩にはあふれる喜びが満ちている。祝福された魂、神の命に満ちた魂の特徴は喜びである。信仰者はいつも「主にあって喜べ、絶えず祈れ、全てのことについて感謝せよ」というこの聖句につきるのである。      ハレルヤ!                      


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