ルナ・ワールド

ルナ・ワールド

「不発弾」



短編集。
サスペンスものも怪奇ものもいろいろ混じっていて、ジャンル的には多様。

ひとつ一貫しているのは人物の心理描写の巧さ。とにかく普通そこまで見抜けないから、「わけのわからない人」と烙印を押されてしまいがちな人たちの、周りからは突発的に見える行動までの心の動きが丁寧に描写されていて、日々の暮らしの中にある「不可解な現象・行動」の基を見てしまったような気分になり背筋が寒くなる。

でもそれぞれの主人公の行動が犯罪的な行動につながるわけではない。

優れた作家の心理描写を見たいなら、これ。
暗い、一見異常とも思える心理描写を描き出すのを得意としている(という話ですが)現代ロシア文学がちょっと好きな人には受けがいいかも。


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