Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2012/05/15
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カテゴリ: BAR
 以前、この日記でも紹介した大阪・キタの老舗BAR「キャシー(Kathy)」が閉店するというショッキングな話を、友人が教えてくれました。今月(5月)末でもって、その54年の歴史に幕を閉じるそうです。

 「キャシー」は1958年(昭和33年)5月、サントリーが当時展開していたトリスバー・チェーンの1軒として、現在の大阪市北区曽根崎4丁目に誕生。そして、11年後の1969年、現在の駅前第一ビルに移転しました。キャシー1.jpg

 開業当時29歳だったマスターの塩野保男さんは現在82歳、今も元気でカウンター内に立たれています。早速、塩野マスター本人に尋ねてみましたが、「最近は体調もいまいちやし、やぱり歳には勝てんわ。人間、引き際が肝心やし…」(塩野マスターの弁)と決意は固いようです。

 昔からキャシーのすぐそばを歩いていたうらんかんろですが、恥ずかしながら、この素敵な酒場の存在をはっきり認識したのは、15年ほど前でした。だから、「(自分が)常連客の1人」と言う資格はありませんが、それでも、キャシーという店も、塩野マスターの人柄も大好きでした。

 キャシーの魅力は何よりも、マスターや客の気さくさ、敷居の低さでした。常連度は高いのですが、だからと言って、一見の客に冷たくするようなことはありません。「カウンターで一緒に飲めば、みんな友だちや」がキャシーの“ルール”です。s-IMG_7881.jpg

 ここではカウンターに座れば、社長もヒラ社員もみんな平等です。カウンターで飲む時には肩書は要りません。ヒラ時代から通い始めて、その後出世して社長や重役になった人も多いのです(故・佐治敬三・サントリー会長もキャシーのカウンターで普通に飲んでいたそうです。佐治さんの「愛」と記した色紙が店内に飾られています)。

 キャシーでは、みんなアホになって、「1人の酒呑み」になります。気さくで、穏やかで、面白い人柄の塩野マスター(時には下ネタも!)ですが、酒場でのマナー・酒の飲み方にはうるさい人です。幸い僕は怒られたことはありませんが、「カウンターで寝たらあかん」「女の子連れて来ていちゃいちゃするとこちゃうで」「自分のこづかいの範囲で飲みなはれ」等々、客には厳しいのです。s-IMG_7883.jpg

 今はなき「コウベハイボール」の河村マスターもそうでしたが、こういう厳しい、頑固なマスターはほぼ皆無になりました。最近、BARの客のマナーレベルが下がったのは、店主が客を叱らなくなったからだと思うのは僕だけでしょうか。

 キャシーは今なお20代から80代まで幅広い世代の客で賑わいます。午後4時オープンですが、6時頃にはいつもほぼ満員になります。親子3代で通い続け、今では孫と一緒にカウンターで飲む御仁もいます。このお孫さんにとっては、キャシーが最初の「人生の学校」になるかもしれません。

 そんな「キャシー」がその半世紀余の歴史に幕を閉じようとしています。「大阪の宝」のような名店がまた一つ消えてゆきます。「悲しくて、切ないなぁ…」と言うしか言葉が浮かびません。まだキャシーを知らない貴方、今月中にぜひ、風格と趣に溢れた店内と塩野マスターの素敵な人柄に接して、記憶にとどめてくださいませ。

【Bar キャシー(Kathy)】 大阪市北区梅田1丁目3-1 駅前第一ビルB2F 電話06-6341-5710 午後4時~10時(入店は9時半までに) 土日祝休


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Last updated  2012/05/15 01:55:24 PM
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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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