ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Mar 26, 2006
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 今日はオケの本番でした。ドボルザークの管楽セレナーデ(僕は降り番)、モーツァルトの交響曲第36番「リンツ」、そしてブラームスのバイオリン協奏曲という豪華なプログラム。

 モーツァルト「リンツ」は底抜けに明るい曲で、しかも4楽章にいたっては無窮動的ジェットコースター。四分休符がたまに出てくるぐらいで、ほとんど休みなく弾きっぱなしです。緊張感と恐怖感と、そして幸福感に満ちてます。室内楽と交響楽の双方の面白みを併せ持った僕好みの曲で、弾けても弾けなくても、演奏後は爽やかな気分にさせてくれます。
 このオケの弦は各パート3プルトぐらいの編成なので、モーツァルトの交響曲にはちょうどよい大きさだと感じました。

 ブラームスの協奏曲のバイオリニストは、ヨーロッパ出身でジュリアード音楽院の学生さん。彼女は実に安定した演奏を聴かせてくださいました。さすがジュリアード、風格が違います!
 この曲には、僕はもともとそんなに親しみを感じてませんでした。バイオリンを習ってる人のなかでも、これを弾ける人は少ないと思います。ベートーベンとかメンデルスゾーンのは、頑張って背伸びすれば、サワリぐらいは弾けた気になるし、難曲チャイコフスキーのだって、2楽章だけだったら弾くまねはできます。でもブラームスはそうはいかない。僕にとっては一生縁のない曲だと思ってましたが、今回バックで弾くことができ、少しだけこの曲にお近づきになれた気がしました。

 ただ、この曲で僕が好きなのは実は2楽章冒頭のオーボエのソロの部分だったりします。独奏バイオリンが登場する前に、オーボエ奏者が美しい主旋律をちゃっかり先に吹いてしまうあたり、皮肉ではあります。この何十小節もの間、独奏バイオリンも弦セクションもみんなお休みで、オーボエさんが窒息しそうになりながら顔を真っ赤にして長ぁーいフレーズを吹いてる姿を見るのを、僕はリハーサルの時から密かに楽しんでました。

 それにしてもほんとに楽しい本番でした。ちゃんとしたオケでバイオリンを、しかもファーストを弾いたのは久しぶりです。周りが上手な方たちばかりで、なんか僕まで上手くなったような錯覚がしてしまいました(←こらっ)。





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最終更新日  Mar 29, 2006 11:23:00 AM
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