ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Jul 31, 2006
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英国のオーケストラでの失態 から立ち直る余裕もないまま、昨年末に短い期間ながらも お忍びで 日本に帰国した時の話。
 若かりし頃に通っていたバイオリン教室の創立35周年(!)の記念演奏会(独奏及び弦楽合奏)があり、僕は「卒業生」として、ちゃっかり合奏部門にビオラで出演させていただきました。

 この演奏会、まず曲がすごく面白かった。 チャイコフスキーの弦楽セレナーデ と、 メンデルスゾーンの弦楽のためのシンフォニア第10番 など。
 チャイコの難度に慌てふためいたのは想定の範囲内として、メンデルスゾーンが、コ難しくも実に弾きがいのある愉しい曲だったのには驚きました。ビオラまでもが「第一」と「第二」とに分かれており、弦楽オーケストラ全体が何重にも声部が広がってて、まさに交響的で壮大。もちろん、弦楽合奏ならではの機微も堪能できます。

 そしてこのような名曲の数々に加え、この演奏会での何よりの収穫は、当然ながら、久しぶりに師匠や教室の門下生と会えたこと。15年ぶりぐらいに会った同窓生もいます。

 門下生の「その後」の人生はさまざま。今もきちんとレッスンを続けている人もいれば、音楽大学を卒業し、ご自分の教室を持っている人、プロとしてご活躍の人、お子さんが生まれ、親子で習っている人、僕のようにクニを飛び出し国を飛び出してしまった人など。
 で、いざ集うと当時の面影まるだしで、いろんな昔話や現在の身の上話で盛り上がりました。

 バイオリン教室の生徒どうしって、同じ先生ということだけが共通点で、意外に性格もバラバラだったりするし、楽器を習う動機も微妙に異なってたりします。そもそも、合奏にでも参加しない限り、顔を合わせるのは年に一回の発表会だけの場合もある。それなのに、きちんと連帯感が芽生えて、結束も固かったりして不思議。

 それにしても、何がすごいって、教室を35年も続けてきた師匠の業績。「カタチのないもの」を教えるって、並大抵のことではないと思いますが、本番当日、師を慕って各地からかけつけた門下生の人数がすべてを物語っていたのでありました。

 この日は大雪が降り、幻想的な雰囲気の中での演奏会になりました。
 過去一年間でいろんな本番の舞台に立ちましたが、自分にとっては特に印象の残っている演奏会です。





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最終更新日  Aug 4, 2006 08:14:10 PM
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