ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Sep 20, 2006
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「偉大なる芸術家たちの思い出」

CDの整理整頓プロジェクト2006 がただいま着々と(遅々と?)進行中です。そしたら、紛失したとばかり思ってたCDを発掘。
 思い起こせば六年前、僕の渡米直前に、たまたま日本公演に来ていたチェコフィルハーモニー管弦楽団の団員さんから個人的にいただいた、スークの弦楽セレナーデのCD。

 大切な宝物のはずなのに、引越しのどさくさに紛れて行方不明になってました。あるいは日本の実家に置き忘れてたものとばかり思ってました。せっかくいただいてたのに申し訳ない……。

 友だちの紹介で、来日公演中のチェコフィルの団員さん数人と知り合う機会に恵まれたのは十年前。以来、日本ではもちろん、僕が渡米してからは彼らのニューヨーク公演でも再会することができ、終演後に一杯呑みながら、チェコのこと、オケのこと、指揮者(アシュケナージさん)のこと、その他もろもろのお話を聞かせていただいたものです。
 最近はなかなかアメリカ公演にいらしてくださらず残念に感じてたとこでしたが、それにしても、贈られたCDを紛失してしまうワタシはほんとに無礼で愚かな奴です!

 さて、このCDに入ってるスークの弦セレ、自分としては、生まれて初めてコンサートマスターとして弾いた曲でもあり、よって トラウマ になってて、なかなか積極的に聴こうと思えなかったのですが、でも、勇気を振りしぼって聴いてみました。十数年ぶり。

 自分はほんとにこの曲を弾いたのだろうか。己の過去をふと疑います。コンマスだったし、ソロの部分も含めがむしゃらに練習したはずなのに実感が湧かない。かつて自分の指がなぞった音楽とはどうしても思えません。
 自分が歳をとり、曲への記憶が薄くなってきたということでしょうか。

 いや、スピーカーから流れているこの音楽こそがプロの演奏による真の芸術なのであって、当時二十歳そこらの学生の僕らが背伸びしてガチャガチャ弾いてた音楽とは根本的に次元が異なるものなのだと今さらながら気づきました。

 チェコフィルは自分が一方的に親しく感じているオケのひとつですが、やっぱり音楽的には雲の上の存在。団員何人かと呑んだことがあるぐらいで、彼らの音楽までをも手の届く身近なものと勘違いしている自分が恥ずかしくなりました。

 このCD、今後はもっと大切に扱おうと思います。我が家のCDラック上は、作曲者名にもとづきスークのSのところに収納すべきところ、彼らに敬意を表し、赤じゅうたん待遇として特別にほかの棚に置こうと考えてます。(←そーゆーことするとまた紛失したりして。)





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最終更新日  Sep 22, 2006 07:51:54 AM
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