ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Dec 10, 2006
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「田園交響曲第九番、仮眠つき!」

 今日はMオーケストラの本番でした。

 前半は ウォルトンのビオラ協奏曲 。最初の練習に参加したときからスゴい曲だなとは察してましたが、本番が近づくにつれ、その奥深さにどんどん引き込まれていきました。ひとことで言うと NHK大河ドラマのテーマ音楽 のよう(?)。

 独奏はジュリアード音楽院を卒業したばかりの若手。見た目はそのへんにいる普通のお兄ちゃんなのですが、リハーサルから全力で飛ばし、オケにも指揮者にも的確に要求してきます。しかもバイオリンのように軽々とビオラをお弾きになる(←ほめ言葉です、もちろん)。

 この曲、自分としては特に変拍子に苦しみましたが、そのぶん本番ではアドレナリン大放出。無事に演奏が終了したときは、なぜか涙目になってました(笑)。

 主役のビオラ弾きさんにご成功のお祝いを申し上げようと舞台裏に行くと、彼こそマジで涙ぐんでて、「一緒に弾いてくれてありがとう」と、オケの団員一人ひとりに 抱擁だの接吻だの を施していらっしゃいました。濃いぃです……。

 彼は、パールマン、ジョシュア・ベル、バシュメット、ヨーヨー・マらとの室内楽の本番を踏んだこともあるうえ、クルト・マズアの棒で協奏もしてるほどの超一流の演奏家なのに、あまりに真摯で庶民的なので驚いてしまいました。

 さて、後半は ブラームスの交響曲2番

 このオケでは僕は入団以来第1バイオリンを弾かせていただいてたのですが、指揮者の指令により今回はセカンド。(降格?)

 実はホッとしました。僕はブラ2のセカンドがすごく気に入ってるのであります。休みの部分も多いし。1楽章の冒頭は約50小節、3楽章は30小節もお休み。ホルンやオーボエの方がたが奮闘している姿にいたく感動しながら待ちます。
 同じプルトで弾いたジェームズさんにいたっては仮眠をとってました。しかも直前にきちんと目を覚ますとこは流れ石(←さすが)!

 田園的な曲想が特徴の曲ですが、そのまったり感とは裏腹に音色と音量にかなり細かい神経を遣わなきゃいけません。指揮者次第で全然違う曲になり得るので気が締まります。まして演奏中に昼寝してる場合ではございません……。

 終楽章の最後、トランペットとかが雄叫びを上げたかと思うと、弦がオクターブで刻みながら上下するとこ、ベートーベンの「第九」とおんなじです。ニ長調だし。年末なのに第九を弾く機会がないまま年を越すところでしたが、この部分のおかげでスッキリしました。

 今年の本番、これにて全て終了です。最後を飾るにふさわしい最高の演奏会でした。ソリスト、指揮者、裏方さん、ご来場のお客さまに心から感謝であります。そしてなによりオケの仲間たちに。





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最終更新日  Dec 15, 2006 11:42:11 AM
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