「母を訪ねて三千里」
愛と感動の、という枕詞のつくフランス映画を観た。母親の遺言に基づき、スペイン最西端の巡礼地まで1500キロもの道のりを歩き続けることになった中年三兄弟の話。
映画館は上映前から不思議な空気が漂ってた。なにしろ客の平均年齢が高い。一緒に観に行ったS子さんは、 あたしが劇場で最年少かもしれないっ!
と勝手に慌てふためいていた。(彼女は30歳ぐらい)
三兄弟の個性のぶつかりも可笑しかったし、ほかの旅人もクセモノばかり。誰もが負け犬要素満載。そして、彼らの何かが部分的に自分とダブってるような気がして焦ってしまう(笑)。
実際には決して特異な題材の映画じゃない。それに、事前の宣伝に素直に従い、号泣の覚悟ができていた観客たちは、そのやや淡白な結末には肩透かしをくらったか。
ちょっとSFというかファンタジー的な映像が見え隠れした点も好き嫌いが分かれるだろう。
宗教的な知識があったらもっと楽しめた映画かもしれない。
地味ながら音楽が良かったと思う。旅が進むにともない、つぎつぎと映し出される大自然や建築物にも目を見張る。それだけでもこの映画を観る価値は充分にある。
(於: シネスイッチ、東京銀座)
*****
都会でのストレス、人間関係の煩わしさに疲れた「シティスリッカーズ」向きの癒し系ロードムービーは、近年では、「天国の口、終わりの楽園 Y tu mamá también」(2001年メキシコ)、「サイドウェイズ」(2004年アメリカ)、 「リトル・ミス・サンシャイン」(2006年アメリカ)
などが面白かった。
ヨーロッパ、かつ中年たちのロードムービーと言えば、 「マラケシュ・エクスプレス」(1988年イタリア)
を思い出した。イタリアからフランス、スペインを通ってモロッコまで行こうとする、おバカなオヤジたちの話。感化されてか、自分は数年前、スペインからジブラルタル海峡を渡ってモロッコを旅してしまった。(あの頃は若かった……。)
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