ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Oct 21, 2007
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 今日はMオケ本番の二回めでした。
先週の一回めの演奏会はマンハッタンの会場で 、今回はブルックリンの教会にて。

 前半の ベートーベンのバイオリン協奏曲 、今日も独奏者の熱演に唸ったのでありました。一音一音に意味を持たせるようなしっとりとした弾きかた。彼女はやや地味なドレスを着てましたが、演奏も決して華美に走らず安定してました。

 実はこの数ヶ月、かくゆうワタシも、この協奏曲(独奏)を隠れて練習しておりました。今まで何度も挑戦しては挫折してばかりだった曲。ちょうどオケで弾くわけだし、こういう絶好の機会を逃すのはもったいないと妙に意欲が湧いてきたのであります。
 独奏のバイオリニストから見よう見まねでいろいろと学ぼう、盗もうという大作戦。

 幸運にも、僕は第2バイオリン(対向配置)の一番前で弾いたので、彼女の指づかい、弓づかい、息づかいまでもがバッチリわかりました。自分のパートを弾きながら彼女を観察しまくるという危険ワザ、ちょっとヤバかったとこもあったけど、とぉーっても勉強になりました。

 1楽章のチョー高い音で旋律を弾くとことか、3楽章冒頭の sul G とか、ほんとに音程が完ペキ。ポジション移動に一瞬のブレもないし、音色のムラもない。

*****

 後半は ブラームス交響曲3番

 この曲の白眉は、当然ながら、お涙ちょうだい系の3楽章ハ短調。なにが自分のツボにはまるって、字余りブラームスって感じの五連符。我々セカンドには出てこないけれど。
 演歌というか昭和歌謡のかおりすら漂う。無性に日本が恋しくなったりもして。

brahms sym3.JPG

 4楽章後半、曲はミュート(弱音器)をつけたまま終了します。チャイコの「悲愴」じゃあるまいし、これってどうなんでしょう。
 終楽章に限りません。この曲は全部の楽章がピアニッシモかピアノで終わる。あんなに激しく華々しく曲は始まるというのに。

*****

 今日の演奏会も無事に終了しました。さすがはニューヨーク、いろんな人種の方がたが来てくださいました。

 ところで、このオケではアンコールを演奏しないのですが、この地味で静かな交響曲の後にアンコールを演るとしたら、選曲に悩みまくることでしょう。下手にアンコールをすると演奏会そのものを台無しにしてしまう可能性があります。 ラデツキー行進曲 とかは絶対に弾けないし(笑)。

 ふと思ったのですが、どーしてもというなら、ドボルザークのスラブ舞曲のゆっくりした曲なんか似合うかも。ホ短調の超有名なものじゃなくても、なんかいい感じの曲があったような。





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最終更新日  Oct 25, 2007 07:23:08 AM
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