ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

Dec 20, 2009
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カテゴリ: 映画、テレビ
「胸さわぎの放課後」

 地味ぃーな映画なのに、しぶとく上映が続いてて、いつのまにか各映画賞の候補に次々とノミネートされちゃってる作品。やっと観る機会があった。日本公開はたぶん未定。

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内容

 1961年のロンドン。受験勉強中の女子高生が、年上の男と出会う。夜な夜な上流社会の社交場に繰り出し、パリにまで出かけて華やかなオトナの世界にのめりこんでいくにつれ、オクスフォード大学進学という目標に疑問を持ち始める。


感想

 そんなにみんなが絶賛するほど凄い作品なんだろか。単なるメロドラマのような気もしたし、少女マンガ的な幻想趣味はあんまり好きになれなかった。
 こうゆう内容のない作品は、脚本と演出と演技に全てがかかってるわけで、そうゆう意味ではお見事。脚本家のニック・ホーンビーという名前はおそらく覚えておいたほうがいいかも。

 主演の女優さんも好感度大。チョイ役でエマ・トンプソン氏もご出演。
 女子高生を誘惑する役を演じたピーター・サースガードは、いつもどおり助演役者としてはなかなか渋い役どころをこなしてたし、頑張ってイギリス英語で演じていたものの、わざわざアメリカ人の彼が演らなくちゃいけない役でもないよーな。

 主人公がチェロを弾くという設定なのだけど(←またチェロかいな)、彼女の所属する高校オケが演奏する曲がエルガーってのもいい伏線になってて、全てが伝統的な英国色に染まってる彼女の高校生活を象徴していた。彼女は後に男に誘われるままラヴェルの室内楽の演奏会を聴きに行くのだけれど、つまり、この映画では全体において「イギリス=保守」「フランス=自由」みたいな印象を漂わせている。

 ちなみに、映画の最初のほうの場面、雨の中、男が帰宅途中の女子高生を見初め、誘い出すときのセリフ、「チェロが濡れちゃうから、俺の車に乗らないかい」には唸った……。





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最終更新日  Dec 21, 2009 07:46:43 PM
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