I love Salzburg

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2009.08.05
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カテゴリ: 四国へようこそ
*このタイトルは、劇団四季のファミリーミュージカル・「ジョン万次郎の夢」よりお借りしました。^^


ニュージーランドへ渡って3週間。
ホームシックに陥った自分を励ますために、カイコウラへ日帰りの小旅行に出掛けたものの、まだ心は沈んだままでした。
すでに語学学校へ通う手続きも整い、ボランティア先を斡旋してくれる事務所を回りながらも、一人ぼっちの寂しさに常に涙腺は緩んでいました。

その頃には すでにホームスティ先を出て、゛KIWI HOUSE"というフラットへ引っ越していました。
そのフラットの居間にあった本棚を前に、一冊の本が私の目に留まりました。

星亮一著『ジョン万次郎 ~日本を開国に導いた陰の主役』(PHP文庫) 


とりわけ近現代史に疎い私でも、同じ郷里の偉人である「ジョン万次郎」くらいは知っていました。
(私も高知生まれです。^^)

以前の日記にも書いたことがありますが、私の最も尊敬する歴史上の人物がジョン万です。^^
読書の苦手な私でも、その時は日本語に飢えていたこともあってか(笑)、その本を貪るように隅から隅まで読みました。

幕末から明治にかけて、日本を大きく舵取りした「ジョン万次郎」。
彼の生涯を描いた小説によって、私のうじうじした気持ちが晴れ渡っていったのです。

この一年、何とか海外で生きていけそう☆

* * *


そんな私の恩人(?)でもあるジョン万次郎は、現在の高知県土佐清水市の出身です。
足摺岬にある中浜の貧しい漁師の家に、ニ男三女の次男として生まれました。

そのジョン万次郎に関する資料や遺品、当時の捕鯨・航海に関する資料を展示した場所・『ジョン万ハウス』が、足摺岬から竜串(7/22日記)へと向かう途中の゛海の駅あしずり"にあるのです。


14歳の時、出漁中に漂流をした万次郎は、アメリカの捕鯨船に救助されました。
積極的に英語を覚え、人一倍役に立つこの少年を大変気に入った船長によって、
彼はマサチューセッツ州フェアヘブンで英語に数学、測量、航海術、造船技術といった当時の最新術を学びます。
また、アメリカで見た民主主義や男女平等なども、これまでの彼の概念を覆しました。

その知識や技術を持って、命がけで帰国した万次郎を受け入れてくれたのが薩摩藩主・島津斉彬公でした。
鎖国の日本に島津斉彬公がいなければ、帰国の翌年に浦賀へ黒船がやって来なければ、もしかすると万次郎は歴史上に名を残さなかったかもしれません。

まさに時代が彼を呼び、そして育てていったのだと思います。


本のページが進めば進むほど、私は万次郎に強く興味を抱いていき、
゛足摺岬を訪ねる時は、絶対に『ジョン万ハウス』にも行く!!"と、決心しておりました。^^

*

そこにはジョン万次郎の足跡や、彼が耳から学んだ英語の表記まで残っていました。
そして、彼から大きな影響を受けた幕末の志士達の顔も並んでいました。

やはりその中で一番に目を引くのは坂本龍馬でしょうか、、、。


万次郎から聞いた外国事情や 日本を離れていた10年間の体験を、
「漂巽紀略(ひょうそんきりゃく)」としてまとめた河田小龍(かわだしょうりょう)という人物がいます。

その小龍から、アメリカの現状を踏まえ、開国の必要性や外国に追いつくための方法などを聞いて感化されたのが坂本龍馬でした。
その後 龍馬は脱藩し、勝海舟の門下に入ります。1862年のことです。


そして、龍馬といえば海援隊、それと「船中八策」でしょう。
龍馬が描いた国家構想である「船中八策」に基づき、後藤象二郎が山内容堂を説いて大政奉還が実現しました。

その礎にジョン万次郎が欠かせないことを、私は『ジョン万ハウス』で初めて知りました。



海水浴の季節に訪ねたこともあって、かなりの人出にうんざりしたことも事実ですが、
疲れた体に鞭打って、ジョン万次郎の生まれ故郷を訪ねたことは正解でした。^^


「日・米には目に見えない9,000キロの橋がかかった。」
その言葉通り、ジョン万次郎は近代日本の国際人第1号なのですね!

2009-07-25 18:20:16
                    足摺岬に立つ「中浜万次郎(ジョン万次郎)像」



*私のブログ仲間である「gundayuuさん」の8/14の日記に、ちょうど「坂本龍馬の船中八策」について詳しく書かれてあります。
gundayuuさんはあまり表に出ていない歴史にまでも明るい方で、私はそんなgundayuuさんのファンであると共に隠れ(?)生徒です。(笑)
http://plaza.rakuten.co.jp/gundayuu/diary/200908140000/





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Last updated  2013.03.13 13:39:26
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