今年始めの晩餐で聴いた音楽を…。
・・・Csardas (チャールダーシュ)♪
チャールダとは居酒屋、チャールダーシュは酒場風を意味するハンガリー語で、ハンガリー音楽の一ジャンルをそう呼びます。
実際には、ハンガリー音楽に貢献したユダヤ系作曲家の作品名から広まったそうですが、
これは、ハンガリーのダンス音楽である゛ヴェルブンコシュ"から派生をし、そこから次第に藝術的要素を増していった 19世紀のヨーロッパにおいて大流行した音楽です。
それらの基礎となった男性ダンス音楽が゛ヴェルブンク"で、
このダンスと音楽が生まれた背景が ちょっぴり興味深い。^^
18世紀から19世紀半ばにかけて、ハンガリーでは兵士の補充に強制的徴兵に加え、゛募兵"という方法を取っていました。
その募兵活動は、居酒屋(チャールダ)において酒宴という形で行われ、陽気な音楽と旨いお酒で 軍隊生活をアピールしようとしたそうです。^^
なるほどぉ~、だからかな、、、
チャールダーシュの音楽は寂れた場末の酒場を連想させ、弾けるほどの陽気さを演じた中にどこか哀愁漂う独特の雰囲気を醸し出しています。
最も有名な「チャールダーシュ」は、イタリア人作曲家ヴィットーリオ・モンティの作品。
この有名すぎる旋律は、ブダペストの至るところでも耳にしました。
You Tubeで検索すると、私の大好きな David Garrett
の演奏を見つけましたので、宜しければ聴いてみて下さいませ。^^ → (You Tube)
チャールダーシュとウィンナーワルツを融合させ名声を得た カールマーン・イムレ(エメリヒ・カールマン)の音楽も素敵でした。(*^^*)
* * *
「おはようございます。」
12/31の朝、アトリウムスペースを活かしたホテルのレストランで、一人の日本人女性を見かけました。
早朝7時、他の利用客はまだ布団の中のようです。
「おはようございます。宜しければ、一緒に食べます?」
彼女の言葉に甘えて、私も同じテーブルに着きました。
し~んと静まった中、私達は低いトーンで話し始めました。
8階の天井まで吹き抜けになっているそのスペースは、暖かな季節ならば天窓から漏れる光に開放感を感じるでしょうが、真冬の今は ただただ静かな空間を生み出していました。
彼女は12/20にドイツへ渡り、オーストリア、チェコ、スロバキアを経て、前日の午後にブダペスト入りしたと言います。
「昨日はもの凄く深い霧で、ドナウ川に架かる くさり橋も、その向こうにある王宮の丘も何もかも霞んで見えなかったの。
でも、夜に行ったレストランはとても楽しくて良かったわ。」
「そのレストラン、もしよかったら どこにあるか教えて!」
*
そして教えてもらったのが、東駅(ケレティ)のすぐ近くにあるレストラン『HUSZAR』です。
元日の夜、予約もせずにレストランの扉を押しました。
少し暗めの照明が落ち着いた店内を照らし、見回すと どうやら客は私一人だけのよう。
テーブルの上に置かれた蝋燭に火を灯しながら、「どこから来たの?」 そうお店のご主人が聞いてきました。
日本からだと答えると、彼は軽いおじぎに日本語の「ありがとう。」^^
そこへ二人の男性が、、、
一人はヴァイオリンを、もう一人はアコーディオンを持って現れました。
そこから広がる ハンガリー音楽に満たされた素敵な夕べ。
時おり「さくらさくら」や「浜辺の歌」など日本の曲を混ぜながら・・・。
疲れ切った私の心を溶かしてくれた陽気な彼らと音楽たち。
ブダペスト最後の夜は、少し懐かしく古めかしい調べに包まれて、優しく暮れていきました。
*ライトアップされた くさり橋【'10.01.01】
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