I love Salzburg

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2010.04.07
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カテゴリ: 展覧会


3月最後の土曜日に、私は瀬戸大橋を渡って はるばる島根県松江市まで『ビアトリクス・ポター展』を観に行きました。

ビアトリクス・ポターとは、絵本「ピーターラビットのおはなし」で世界中に知られる絵本作家であり、
またイギリスの美しい自然をこよなく愛し、農業生活や自然保護運動の推進者でもありました。

リーフレットから抜粋すると、
今回の展覧会は、そのビアトリクスの絵本作家としての活動とともに、これまで知られてこなかった優れた水彩の風景画、動植物画を中心に、スケッチ、貴重な初版本、映像などによって彼女の画業を振り返るものです。


厳格な両親の元で育ったビアトリクスは、子供のころから小動物や昆虫の写生を好みました。
学校に通わず家庭教師に学んだ彼女には同じ年頃の友人はおらず、ペットなどの動物が 何より大切な友達だったのです。

それを単なる友達で終わらせなかったところが、彼女の並み外れた才能だったのでしょう。

その細かく鋭い観察力は、後に解剖学的な精確なデッサンまで描くようになり、
キノコについてなどは、繁殖の実験と研究まで行って、研究論文を学会に提出するという熱心ぶりだったそうです。
そのとことん追求する性格は、例えば犬の頭骨をスケッチするほどまででした。
(その絵とリアルな蜘蛛のスケッチには、正直 一瞬ひいてしまった私です。^^;)

そんな彼女の一面を知って、子供時代に昆虫や科学に興味を持って 細かく写生していた手塚治虫先生を思い出しました。
やはり 何かに秀でている人は、小さい時から゛見る目"を鍛え養っているのですね。

ただ当時(19世紀末)としては、一風変わった女性であったことは間違いないですし、
それは映画 『ミス・ポター』 からも良い意味で窺えます。^^


彼女の作品の中で、とりわけ私の興味を惹いたものが、16歳の時に水彩で描いた「ぶどうと桃の静物」という作品でした。
果物の瑞々しさはもちろんのこと、木からもぎ取られた静物たちも、自然が生み出した確かな生き物だということが画面いっぱいに輝いていたのです。


そうそう、もう一つ心に残ったことは、
「ピーターラビット」という有名な一つのウサギの物語は、もとは彼女が家庭教師をしていた病弱な男の子の為にお話を作って贈ったことがはじまりだということ。

あの今にも絵本から飛び出してきそうなピーター達の愛らしさの中には、彼女の思いやりがぎっしり詰まっていたんだなって、
物語の誕生からして微笑ましいものだったんだなって、今回 初めて知りました。



この展覧会は、4/12まで島根県立美術館で開催された後、

4/23~5/23   北海道立旭川美術館、
6/4~7/11    新潟県立万代島美術館
7/17~9/5    郡山市立美術館 
9/16~10/24  下関市立美術館
                         を巡回致します。


英国の湖水地方とスコットランドは、私にとっても以前から訪れたい場所の一つでしたが、
彼女の自然を愛する気持ちと、彼女の描いた生き物達に出会える日を楽しみに、ますます夢を膨らませておこうと思います。^^


* * * * * * *


少しだけ <おまけ> 画像を。

花冷えがひどかったこの日、
島根までおよそ3時間の運転の途中、立ち寄ったサービスエリアから眺めた岡山県北・蒜山(ひるぜん)の雪景色。
2010-03-30 17:56:31
(本当は、鳥取県米子市近くで 雪を覆った美しい大山が姿を現わしてくれたのですが、写真を撮る機会を失ってしまい、それが非常に心残りです。)


こちらは、4月頭に足を運んだ、徳島県鳴門市の「ガレの森美術館」にて。
小さな美術館ですが、ここではフランスのアール・ヌーボーを代表するガラス工芸家「エミール・ガレ」の優美な装飾芸術を堪能できます。
2010-04-10 17:53:36
(この像は、エミール・ガレとは関係ありませんので、あしからず。)


そして、毎年3月下旬から5月31日まで吉野川上空を泳ぐ、徳島県大歩危峡の「鯉のぼり」たち。
2010-04-10 17:55:132010-04-10 17:55:44

少し風がキツかったせいもあり、渓谷美を背景に いつになく大きくはためいておりました。^^
2010-04-10 17:54:16





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Last updated  2010.04.10 21:42:22
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