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2004年10月21日
カテゴリ： サンチャゴ巡礼2004
■第４日 ポンフェラーダ～ペレヘ 28km
９月30日
手前のビリャフランカでやめるつもりが５km先のペレヘまで歩いてしまった。
あすはサンチャゴへの道で「最後の難関」といわれるセブレイロ峠への上りが控えている。
これで少しは楽になるだろう。
ビリャフランカで道に迷い、カップルの巡礼者にたずねた。
彼らも続いてペレヘの巡礼宿に到着する。
ドイツ人だという女の子が話しかけてきた。
「日本のどこから？」
「東京です」
「わたしの父の奥さんは日本人なの」
「ええっ？」
とても日本人の血が混じっているようには見えない。
それもそのはず、日本人なのは彼女の母ではなく「父の妻」だった。
「とても不思議な話なの。
わたしの父は離婚して日本人女性と結婚したんだけど、２人が知り合ったのは東京オリンピックのとき。
父が東京に行ったとき、彼女はドイツ語の通訳だったの。
２人はお互いに家庭を持ったんだけど、そのあと再び恋に落ちたというわけ。
おもしろい話でしょう？」
ドラマみたいな人生があるんだなあ。
ドイツ人の父、日本人の義理の母はベルリンで暮らしているという。
ペレヘに着いたのが午後３時。
寝るまではおおむね次のようにして過ごす。
１．まずシャワー。一日の汗と疲れを洗い落とす。
２．次いで洗濯。スペインの太陽は強烈なのですぐに乾く。
３．時間や腹のすき具合によって食事、あるいは食料の調達。
４．昼寝、日記書き、散歩など。
そして10時には寝てしまう。
時間があるようであんがい忙しい。
19時に村で一軒のバルに行く。
メニューを訳してもらったことをきっかけに隣のテーブルの男性と話す。
バルセロナから来たペペといった。
「カトリックとして育ったが神の存在は信じない」
と彼はいう。
じゃあなぜカミーノ(サンチャゴへの道)に来たの？
「カミーノは宗教以上のもの。
宗教的な人たちだけのものじゃない。
なにかを見つけるために、過去に見失ったものを探すために来る人も多いよ。
カミーノで見つけるもの、学ぶことは人によってちがう。
あなたのカミーノとわたしのカミーノではちがうんだ」
「なぜカミーノを歩いてるのか？」
このあともそうたずねたり、逆にたずねられたりした。
つたない英語を駆使してこのような会話をさまざまな国の巡礼者とかわすこと。
これが巡礼中の最大の楽しみではないだろうか。
教会の前でにひざを折ってじっと祈りを捧げる敬虔な人がいる一方で「神は存在しない」といいきる人もいる。
そのどちらもが「なにか」を求めてサンチャゴまでの道を歩いているように思えた。
巡礼路でしばしば聞くあいさつがある。
「ブエン・カミーノ！」
よい巡礼を、お気をつけて、とでも訳すのだろうか。
お互いの巡礼の無事を祈り、祝福しあう。
ことばが通じなくても、巡礼者同士、目に見えない心のつながりを感じることがよくあった。
そんなとき心がほんのりと温かくなる。
「巡礼に出てよかった」と思う瞬間だ。
▲石造りで山小屋風のペレヘの巡礼宿。
手前のビリャフランカでやめるつもりが５km先のペレヘまで歩いてしまった。
あすはサンチャゴへの道で「最後の難関」といわれるセブレイロ峠への上りが控えている。
これで少しは楽になるだろう。
ビリャフランカで道に迷い、カップルの巡礼者にたずねた。
彼らも続いてペレヘの巡礼宿に到着する。
ドイツ人だという女の子が話しかけてきた。
「日本のどこから？」
「東京です」
「わたしの父の奥さんは日本人なの」
「ええっ？」
とても日本人の血が混じっているようには見えない。
それもそのはず、日本人なのは彼女の母ではなく「父の妻」だった。
「とても不思議な話なの。
わたしの父は離婚して日本人女性と結婚したんだけど、２人が知り合ったのは東京オリンピックのとき。
父が東京に行ったとき、彼女はドイツ語の通訳だったの。
２人はお互いに家庭を持ったんだけど、そのあと再び恋に落ちたというわけ。
おもしろい話でしょう？」
ドラマみたいな人生があるんだなあ。
ドイツ人の父、日本人の義理の母はベルリンで暮らしているという。
ペレヘに着いたのが午後３時。
寝るまではおおむね次のようにして過ごす。
１．まずシャワー。一日の汗と疲れを洗い落とす。
２．次いで洗濯。スペインの太陽は強烈なのですぐに乾く。
３．時間や腹のすき具合によって食事、あるいは食料の調達。
４．昼寝、日記書き、散歩など。
そして10時には寝てしまう。
時間があるようであんがい忙しい。
19時に村で一軒のバルに行く。
メニューを訳してもらったことをきっかけに隣のテーブルの男性と話す。
バルセロナから来たペペといった。
「カトリックとして育ったが神の存在は信じない」
と彼はいう。
じゃあなぜカミーノ(サンチャゴへの道)に来たの？
「カミーノは宗教以上のもの。
宗教的な人たちだけのものじゃない。
なにかを見つけるために、過去に見失ったものを探すために来る人も多いよ。
カミーノで見つけるもの、学ぶことは人によってちがう。
あなたのカミーノとわたしのカミーノではちがうんだ」
「なぜカミーノを歩いてるのか？」
このあともそうたずねたり、逆にたずねられたりした。
つたない英語を駆使してこのような会話をさまざまな国の巡礼者とかわすこと。
これが巡礼中の最大の楽しみではないだろうか。
教会の前でにひざを折ってじっと祈りを捧げる敬虔な人がいる一方で「神は存在しない」といいきる人もいる。
そのどちらもが「なにか」を求めてサンチャゴまでの道を歩いているように思えた。
巡礼路でしばしば聞くあいさつがある。
「ブエン・カミーノ！」
よい巡礼を、お気をつけて、とでも訳すのだろうか。
お互いの巡礼の無事を祈り、祝福しあう。
ことばが通じなくても、巡礼者同士、目に見えない心のつながりを感じることがよくあった。
そんなとき心がほんのりと温かくなる。
「巡礼に出てよかった」と思う瞬間だ。
▲石造りで山小屋風のペレヘの巡礼宿。
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[サンチャゴ巡礼2004] カテゴリの最新記事
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写真を追加（2004年の巡礼から） 2006年01月15日 コメント(4)
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永遠に続く旅■巡礼日記16 2004年11月02日 コメント(7)
Re:巡礼者との対話、心のつながり■巡礼日記その６(10/21)
ゆんたまゆん
さん
ピルさんの巡礼日記を読んでいると、自分も一緒に歩いているような気がしてきてドキドキします。
オーストラリアを一人で旅した時の感覚が蘇ってきました。
一人旅って良いですよね。
風邪の具合はいかがでしょうか？
どうかお大事に。
(2004年10月22日 00時32分08秒)
オーストラリアを一人で旅した時の感覚が蘇ってきました。
一人旅って良いですよね。
風邪の具合はいかがでしょうか？
どうかお大事に。
(2004年10月22日 00時32分08秒)
Re:巡礼者との対話、心のつながり■巡礼日記その６(10/21)
けろぴ さん
ドイツの女の子のお話・・・
なんだかドラマみたいですね、ホントに……
東京オリンピック、、、その時知り合って・・その後どうして二人は恋におちたのか？？？
その当時ドイツ語の通訳をなさっていた、、だなんて。。 本当にそういう縁があるとしか思えませんよねぇ。。。
バルセロナのペペさんのお話。
四国巡礼に来る方も そのようですよ。
宗教、、というのではなく 都会の若者が生きるとは？を自分に問うために、、まわっている方もいらっしゃるようです。
巡礼とは国は違っても同じことなんでしょうね。
バスツアーでまわるにしても ご縁があるからなのでしょう・・。
石造りで山小屋風の宿、、なんだかステキですねぇ～^^
うっとり～ｖ
(2004年10月22日 09時07分35秒)
なんだかドラマみたいですね、ホントに……
東京オリンピック、、、その時知り合って・・その後どうして二人は恋におちたのか？？？
その当時ドイツ語の通訳をなさっていた、、だなんて。。 本当にそういう縁があるとしか思えませんよねぇ。。。
バルセロナのペペさんのお話。
四国巡礼に来る方も そのようですよ。
宗教、、というのではなく 都会の若者が生きるとは？を自分に問うために、、まわっている方もいらっしゃるようです。
巡礼とは国は違っても同じことなんでしょうね。
バスツアーでまわるにしても ご縁があるからなのでしょう・・。
石造りで山小屋風の宿、、なんだかステキですねぇ～^^
うっとり～ｖ
(2004年10月22日 09時07分35秒)
私も風邪をひきました
ふみまや
さん
こんにちは。ふみ です。
登録したら、名前がもう変更できなくなっていました。びっくりだ。
台風の中通勤し、濡れたままで過ごしていたら
やっぱり風邪をひいてしまいました。
わははははは。
これから本格的にひきそうです。
私も、他の人がどんなことを考えて
「カミーノ」を歩くことを思いたち、
行動し、
歩く過程で何を思い、
それからどうなったのか、とても関心があります。
「指南書」があるといいなぁ、と
以前書きましたが、「模索する」ことがとても大事なのではないのだろうか、
とも、思いなおしているところです。
でも、地図は見てみたいし、
ちょっと悩んでいます。
けろぴさんへ
「ロード88」という映画は、ご覧になりましたか?
私のいるところでは、まだ封切られていませんが。 (2004年10月22日 18時39分09秒)
登録したら、名前がもう変更できなくなっていました。びっくりだ。
台風の中通勤し、濡れたままで過ごしていたら
やっぱり風邪をひいてしまいました。
わははははは。
これから本格的にひきそうです。
私も、他の人がどんなことを考えて
「カミーノ」を歩くことを思いたち、
行動し、
歩く過程で何を思い、
それからどうなったのか、とても関心があります。
「指南書」があるといいなぁ、と
以前書きましたが、「模索する」ことがとても大事なのではないのだろうか、
とも、思いなおしているところです。
でも、地図は見てみたいし、
ちょっと悩んでいます。
けろぴさんへ
「ロード88」という映画は、ご覧になりましたか?
私のいるところでは、まだ封切られていませんが。 (2004年10月22日 18時39分09秒)
Re:巡礼者との対話、心のつながり■巡礼日記その６(10/21)
すまいるパワー
さん
Re:ふみさんへｖ
けろぴ さん
おっと、びっくり！
こんばんは^^
＞「模索する」ことがとても大事なのではないだろうか
たぶん、、それは人生を歩むのでも同じでしょうね^^
指南書があれば それもまたよし^^
人や自分が指南書なのでは？ とも思いますよねｖ
で、「ロード88」は女の子がお四国をまわる映画でしたか？？ 街の映画館がつぶれてしまったうえに（笑）映画に行く機会も無いままです(^^ゞ
ワーナーマイカルグループの映画館まで行かなくちゃです^^
たぶん、ふみさんちとは斜め向かいでしょうか？
こちらもまだです。
先にお四国にしませんか？^^
とりあえず、、近いですよ（笑）
全行程歩くのは すごくきつい難所が多いですけど・・・(^^；)
日本語でいけますし（笑）
風邪、、お大事になさってくださいねｖ
遠隔ヒーリングさせてもらいますねｖ
（街路樹が根こそぎをＴＶで見て ビックリ！でした）
(2004年10月22日 19時58分56秒)
こんばんは^^
＞「模索する」ことがとても大事なのではないだろうか
たぶん、、それは人生を歩むのでも同じでしょうね^^
指南書があれば それもまたよし^^
人や自分が指南書なのでは？ とも思いますよねｖ
で、「ロード88」は女の子がお四国をまわる映画でしたか？？ 街の映画館がつぶれてしまったうえに（笑）映画に行く機会も無いままです(^^ゞ
ワーナーマイカルグループの映画館まで行かなくちゃです^^
たぶん、ふみさんちとは斜め向かいでしょうか？
こちらもまだです。
先にお四国にしませんか？^^
とりあえず、、近いですよ（笑）
全行程歩くのは すごくきつい難所が多いですけど・・・(^^；)
日本語でいけますし（笑）
風邪、、お大事になさってくださいねｖ
遠隔ヒーリングさせてもらいますねｖ
（街路樹が根こそぎをＴＶで見て ビックリ！でした）
(2004年10月22日 19時58分56秒)
★みなさんに返信
ピルグリム・スピリット
さん
★ゆんたまゆんさん
旅を思い出しながら書くのは楽しい作業です。
かぜはしつこいですね。
まだ鼻がつまっています。
★けろぴさん
今年は山小屋風のきれいな宿が多かったです。
しかし夜になるとイビキの嵐が。
ズゴゴゴゴ、グガガガガ、バフーバフー…。
★ふみまやさん
登録されたんですね。
おめでとうございます。
カミーノを歩く理由はいろいろでしょうけど、どんな理由であっても「歩いて楽しかった」と思えることでしょう。
「情報はあったほうがいいのか、なくてもいいのか」にはわたしにも考えがあり、日記のなかでおいおい書いていくつもりです。
★すまいるパワーさん
「なぜ歩く？」は「なぜ生きる？」という問いに通じるかもしれませんね。
答えはあるような、ないような…。
でも答えを探すプロセスが楽しいのだと思いました。
(2004年10月23日 22時34分22秒)
旅を思い出しながら書くのは楽しい作業です。
かぜはしつこいですね。
まだ鼻がつまっています。
★けろぴさん
今年は山小屋風のきれいな宿が多かったです。
しかし夜になるとイビキの嵐が。
ズゴゴゴゴ、グガガガガ、バフーバフー…。
★ふみまやさん
登録されたんですね。
おめでとうございます。
カミーノを歩く理由はいろいろでしょうけど、どんな理由であっても「歩いて楽しかった」と思えることでしょう。
「情報はあったほうがいいのか、なくてもいいのか」にはわたしにも考えがあり、日記のなかでおいおい書いていくつもりです。
★すまいるパワーさん
「なぜ歩く？」は「なぜ生きる？」という問いに通じるかもしれませんね。
答えはあるような、ないような…。
でも答えを探すプロセスが楽しいのだと思いました。
(2004年10月23日 22時34分22秒)
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