★サンチャゴ巡礼日記

★サンチャゴ巡礼日記

2004年10月24日
XML
カテゴリ: サンチャゴ巡礼2004
巡礼には捨てても惜しくない服を持っていきました。
穴の空いたズボンと靴下、ゴムがのびきったTシャツや下着、さらに古びたズボンや帽子など…。
旅行しているとだいたい荷物は増えていくものですけれど、そのなかで捨てられるものがあるというのは精神的にも楽になります。

しかしTシャツなどはけっきょく捨てられず、すべて持ち帰りました。
巡礼路の沿道で民家の洗濯物をときどき見かけます。
わたしが捨てようと思っているシャツよりボロいものが堂々と干されているのを見ると、シャツに申しわけなくて捨てられませんでした。

巡礼の途中および終了後に捨てたものは以下のとおりです。
・ユニクロのズボン …穴が空き、ほつれが目立ち、最後は雨でグチャグチャに。
・穴の空いた靴下 …3足
・下着 …2枚
・使用済み単3乾電池 …2個
・使用済み日焼け止めクリーム
・文庫本2冊
・不要となった資料

靴も帰ってきてから捨てるつもりでした。
底がすり減っているし、一部はひび割れているし、最後の雨のおかげで少々臭うようになっています。
しかしこれも捨てられず、洗って次の出番を待っています。

巡礼から帰ってからぜんぜんモノを買ってません。
「欲しいものがない」というより「必要なものはほとんど持っているから」です。
帰ってきてから食費以外に使ったのは本と写真の現像代ぐらいでしょうか。

「身のまわりをシンプルにしておきたい」という気持ちは巡礼後、ますます強くなっています。


■第6日 セブレイロ~トリアカステラ 21km  10月2日

出発して1時間ほどたつ8時過ぎ。
ようやく空が明るくなってくる。
けさも何人かに先行してもらっていた。
しかし途中で追い抜いてしまい、以後は目印を探して慎重に歩く。

明るくなってくると周囲は森と牧草地帯。
あとでふり返るとセブレイロの上りと下りは風景がとてもきれいだった。

沿道には農家が多い。
どこの家にもシェパードの番犬がいて、家の前でこちらの様子をうかがっている。
通りすぎるだけなら吠えないが、敷地に入ろうとしたらきっと襲ってくるだろう(???)。

セブレイロの巡礼宿は夕方には満員になり、遅く到着した人たちはキッチンの床に寝床を作っていた。
マットレスはなかったから、寝袋しか持っていない人はつらいだろう。

セブレイロ以降、巡礼者が急増する。
徒歩の場合、巡礼証明書は「100km以上歩くこと」が条件。
セブレイロまでバスなどで来て、ここからサンチャゴまで150km歩いて巡礼証明書をもらおうという人が多いのだと思う。

さらにセブレイロを過ぎると巡礼宿が間遠になる。
早く着くようにしないとベッドからあぶれることになりかねない。
そこでこの日は12時20分に着いたトリアカステラに泊まることにする。
宿が開いたのは13時になってからだった。

これからは巡礼宿のある町が少ない。
一日にどれくらい歩くかより、巡礼宿のある町によいタイミングで着くように調整しなければならない。
早く着きすぎると宿は閉まっているし、遅くなるとベッドを確保できなくなる。

同室のドイツ人、ヘンクさんにガイドブックと資料を見せてもらった。
巡礼宿のある町とそこまでの距離をノートに書き写しておく。
ドイツ語のガイドブックには距離のほかコースの難易度、歩行時間、高低差も出ている。

「日本語の資料はないんです。
一昨年もらった巡礼宿のリストは古いし」
「ドイツ語のガイドブックはものすごくたくさんあるよ。
日本じゃきっとマーケットがないのだろうね」

わたしが持っていたのは、2年前にもらったロンセスバイエス~サンチャゴ間の巡礼宿リストと、去年レオンでもらったレオン~サンチャゴ間の巡礼宿リストのみ。
これだけでもどうにかなるが、巡礼宿は毎年新しいものができているらしい。
また地図があると心強いのも確かだ。

じつは地図もついた英語の巡礼ガイドをわたしは一昨年、インターネットで購入した。
けれどもそれはとても重く、持ち歩く気になれない。
それで去年も持たずに出かけた。
結果として困ることはなかった。

今年もそのガイドブックのことはすっかり頭から抜け落ちていた。
出発前はなにかと忙しく、地図をコピーして持参することも思いつかなかった。

「万全を期すると荷物が増える」
ということはガイドブックにもあてはまる。
ロンセスバイエスのインフォメーションや巡礼宿でもらえるペラペラの巡礼宿リストだけで歩くのがいちばん楽だ。

困ったらだれかに見せてもらうという方法もある。
巡礼者には親切な人が多いし、それが話すきっかけにもなる。
情報はあってもいいが、なくても困らない。
どちらかといえば余計な先入観がないほうが意外性があって楽しめるような気がする。

また「朝は道を見つけにくい」というと、ヘンクさんは次のような方法を教えてくれた。
「巡礼宿に着いたらいつも続きの道を確かめに行くんだ。
この町から出る道ももう確かめてきたよ」

なるほど!
とくにあしたは、僧院があるサモスを経由する道としない道があり、どちらかを選ばないといけない。
さっそくヘンクさんをまねて、あした進むべき道を確かめにいった。

ヘンクさんの昼寝

▲トリアカステラの巡礼宿で。
昼寝を日課にしているヘンクさん。
上段がわたしのベッドです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2012年03月10日 19時00分11秒
コメント(3) | コメントを書く
[サンチャゴ巡礼2004] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: