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二風谷「七々尾がいつか言ったように、ぼくも何日か経つと、使ったグラスやドアノブをしみじみ見ていた…(略)…ニス塗りの表面に、糸を張った時だろうか、トマトしぼりで一度受け取った時なのか……愛用の楽器を汚す乱れた指紋がいくつかあった。」スタント人生を歩んできた二風谷は、自身を存在する証しを確認し、生きる希望を抱き旅立つ姿は感動的である。「人は誰かの代わりになれるか」を問うこの舞台は演劇に通じるものがあるだろう。
en-taxi 09号 別冊付録 唐十郎『鉛の兵隊』135頁