ペット喜怒哀楽

韓国人のしくみ


著者 : 小倉紀蔵
出版社: 講談社現代新書 \735

感想 :
NHKのTVハングル語講師。今のは知らないけれど、かつて私が見ていた頃の講座では、かなり哲学を扱っていた。そしてこの本も哲学、というか儒教、理と気で韓国人文化を分析しようとしている。

気になる文章
* 理の無い言葉はソリ、理のある言葉はマル

* 理気学は人間の欲望を否定しない。人間の欲望を無視した理など本末転倒。

* 理の言葉や学習が少ない日本の若者。 だから、韓国男性の理にころっと行く日本女性。韓国男性はかっこいい、につながる。
(この書が書かれた時点ではまだ韓流ブームではない、けれど、冬ソナ以降の韓国ドラマブームって、これなんではない?)

* 金正日とは: 
あふれる情で国民に恩恵を与え続ける温情の源泉。けれど、自分を批判否定する存在に対しては最も恐ろしい敵対感情の権化。
けれど、南北会談では温情の方で出た。

* 筑波大学古田博司氏に拠ると「北朝鮮は団欒の社会主義」。国家全体が強くて道徳的で情にあふれた父親を中心に団結をしている。そのような幻想がこの国家を支えてきた。この幻想をうらやましく思た韓国人、だから南北会談はすんなり。

* 金日成、金正日を頂点にする一元的で特異な理の存在が、経済という気の破綻を補ってきた

* 50年間続けた理の眼鏡の力で、北朝鮮の人々には資本主義はつまらなく見える。

* 主体(チュチェ)思想とは、「人間はあらゆるものの主人であり、全てを決定する」ただし、北朝鮮で革命的「人間」なのは、金日成によって革命的な生命を付与された者のみ。この人達だけが「人間」。それ以外は、肉体的生命を持っているだけの存在。

* 日本の外交はこの理と気の使い分けができない。

* 韓国の西大門刑務所歴史館では、
かつて日帝が行った拷問を体験できる。
植民地時代に実際の監房があった場所に拷問装置があり
子供達はお化け屋敷に北ように興奮して拷問を体験している。
遊園地のお化け屋敷に行くよりも
独立運動家が拷問を受けたのと同じ装置での身体の苦しさを体験する方がずっと深い経験だと思う。
他にも、朝鮮戦争当時の食べ物体験
朝鮮戦争の避難民の生活体験
レーザー小銃射撃体験
軍服を着て記念写真
北朝鮮の拷問体験
等、気の体験アトラクションが豊富。
(すごいわぁ)


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