第4回大阪シンポ(パネル1)


~市民の信頼を取り戻し、地域の発展に貢献するために~

テーマ 「市民からの信頼を取り戻し、地域の発展に貢献するために自治体(首長、議員、職員)
がやるべきこと、市民が自治体に望むこと」
パネリスト 山形県知事 斎藤 弘 氏
三重県菰野町長 石原 政敬 氏
大阪成蹊短期大学准教授 国枝よしみ 氏
市民代表 絹川 正明 氏
沖縄県南風原町職員 前城 充 氏
コーディネーター 山路 栄一(三重県職員)
コーディネーター山路)ただいまからパネルディスカッションを始めます。このパネルのテーマは「市民からの信頼を取り戻し、地域の発展に貢献するために」をテーマに首長、議員、職員が力を合わせて、あるいはそれぞれが取り組むべきことを議論していきたいと思います。ただ、その際、サプライサイドーつまり自治体側からの一方的な思込みになってもいけないので、ディマンドサイドーつまりサービスの受け手である市民代表の方の意見もお聞きしながら進めていきたいと思います。
まず、最初にパネリストの方から自己紹介を兼ねてこのパネルに臨む思い、参加者に訴えたいことをお一人5 分でお願いします。
ドラッガーによればマネジメントの中で重要なのはセルフマネジメントであり、中でもタイムマネジメントが肝要ですので、時間内にパネルを終えるために、持ち時間の1 分前になりましたらイエローカードを出しますのでまとめに入っていただき、時間になりましたらレッドカードを出させていただきますので、途中でも一端終わっていただくようお願いします。
また、双方向の議論にするため会場からもご意見をいただきたいところですが、本日は90 分で5 人の論客にお話を伺うため、双方向の交流についてはこの後の交流会でお願いしたいと思います。
それでは最初に地盤、看板、カバンなしでマニフェストを武器に当選された、首長初の有志の会会員でもある齋藤知事お願いします。
齋藤知事)改めまして、こんにちは。どうぞよろしくお願いします。2つお話申し上げたい。
1つ目はコムスン事件のお話です。先ほど丹羽会長からも出ました。特に、ここにいらっしゃる都道府県職員の皆さん、あの話しを聞いたときに厚生労働省に、みなさん、怒りましたか。本当は烈火のごとく本当は怒らなければいけない。少なくともここにいらっしゃる職員のみなさんは分権改革を進めようとしている意識が高い方々ばかりなのですから。コムスンの事業更新の判断は完全な都道府県事務なんです。同社が別人格の会社に移管して、それを再申請してきたときに、認めないぞ、などということを厚生労働省が言うこと自体が既に分権改革を認めていない発言です。そうした事情をよくわかった上で、我々もこれからやっていかなければならないなあと思います。
2つ目、みなさん、東国原知事に”負けないぞ” ── 私もそう思います。私は、このたび熊本で行われました全国知事会議からまっすぐここに参りました。途中下車なし。そこで2つあります。1つ目はマスコミ。おもしろいですね。1日半の知事会議のうち、1日目はだいたい夜10時過ぎまで続きました。もしかしたらみなさんその場というものをテレビなどでごらんになっ
た方もいらっしゃるかもしれません。全国知事会での発言の際、福岡県の麻生会長が「それではこの件について意見のある方」といったときにですね、まるで小学1年生と一緒、47人の知事が「ハイ、ハイ、ハイ、ハイ、ハイ」こういう感じになるのですよ。各県の知事は皆さんなかなかの論客でございまして、その中から麻生知事が「はい、山形県」とこういうふうに指名するわけですね。やれやれ、自分の番がまわってきた、と。私は、今回の知事会議でいの一番にご指名いただき、医療改革のことをお話申し上げました。そういう中で東国原さんは1日半の会議で1回、3分間だけ、ご発言になりました。他の知事はだいたい多い方で10回ほどご発言していますね。そしてまた、東京都知事の石原さんも今回是非参加してくれと我々も要請して、そしたら出てきました。1日目の昼から。早速1回だけ、ご発言なさいました。2日目はもうでてこられませんでした。しかし、マスコミってのはおもしろいですね。いくら良い意見を言っても、いくらガンガン言っても、取り上げるのは東国原さんと石原さんなんですね。おもしろい。内容はあまり関係ないんですかね。そういう意味でですね、先ほどの丹羽さんの話(人は外形にとらわれやすい)をお聞きして、そのことを思い出したところです。
それからもう一つ東国原さんにちなんでの話しです。私もトップセールスをやっています。東京の大田市場で、ここにつけているサクランボをPRするわけです。多数の中卸人を前に、競り台に立って、「山形県のサクランボおいしいです。いい値をつけてください」こういっています。
それだけでは能がない。そこで、今年は、横に実はちょうど季節が一緒の完熟マンゴが並んでいるので、それを眺めながら、やりました ── 「宮崎に負けないぞ」、と。
皆さん、ゲラゲラ笑いました。しかし、また、それだけでも能がない。「みなさん、完熟マンゴと山形のサクランボ、『詰め合わせセット』はいかがですか」と、その場で提案しました。そしてまた、さらに、それだけでも、能がない。そこで、「宮崎県と山形県のコラボレーションは上杉鷹山公である。実は上杉鷹山公は宮崎県高鍋藩の出身。養子として上杉藩にきて第9代の藩主となり「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」と言った方でですね。皆様もご存じと思います。そのご縁があって、山形と宮崎のコラボレーションだ、とその意外性を歴史的に裏付けたわけです。
そう提案したのが朝の6時。そして、午後1時半、午後一番の仕事は、東京のミッドタウン、サンフルーツ店に行って、ダニエル・カールさんとともにトップセールスをやりました。そこで、何と、既に、サクランボと完熟マンゴの詰め合わせができていたではありませんか。1セット5万円。ビックリして店長さんに聞きました。「ああ、さすがですね。朝の私の提案をよく聞いていただいて、実際にやってくださいましたね。しかし、こんなに高価なものは、贈答品だって出ないでしょう」と訊ねてみました。すると、どうでしょう、「いえ、知事。このへんはみなさま『自家消費』のためにお買い求めです」、と。さすがに、これは格差ですね、と思わざるを得ませんでした。
はい、ありがとうございました。
コーディネーター山路)次は三重県議会議員から転進され、全国最年少の町長になられた三重県
菰野町の石原町長お願いします。
石原町長)どうも改めましてこんにちは。
「都知事と一緒の石原です」というのがですね、私の売り文句なんですけれども、なかなかイメージがありますので、使えるところと使えないところがあるということであります。(笑い)座って失礼させていただきます。
私はこの会の会員に山路さんの紹介でならせていただいたんですけれども、この3月3日に菰野町長に就任いたしまして、35歳という今全国で最年少の町長というのが売り文句になっています。前回県議会議員として1期目の途中に3年と8ヶ月、県会議員をやらせていただいた後、菰野(こもの)町という町の町長選挙に出馬しました。菰野町は、三重県の北勢部、この北勢部は亀山市というのが有名なんですけれども、亀山市から少し北側に行った、四日市市という昔は公害で有名で、今はホタルを飛ばしてイメージアップを図っている市もあるんですけれども、四日市市というところから西に10km ほど、亀山市から北に15km ほど行ったところにあります。現在はその町長をやっております。
人口は4 万人の町でありまして、面積が100 平方キロメートルという、ほとんど山に囲まれているところの町長であります。
近況報告を兼ねて自己紹介ということなんですが、今日は台風がほんとに近づいてまして、この後私も懇親会にいかしていただきたかったんですけれども、この後急遽、帰らせていただこうというふうに思っていますし、その後ですね、おそらく災害対策本部に缶詰になるのかなあということでどきどきしています。
3月に就任して以来、2回町議会を経ました。
県議会議員のときに議会というものに参加していたんですけれども、全く違うなあと、もう風景も違いますし、もう攻められっぱなしという、こういうようなことで、もう少し議会の在り方を考えないといけないよねというのが、私は常々最近思っていることです。
これは皆様方職員の方も痛感されているところもあるのかなあと思ってます。
それを考えていきますと、やはり日本の自治ですね、自治というのがこれからどうなっていくん
だろう、自ら治めるという自治、これが地方分権改革の中でどういった方向にいくんだろうなあということが大きな課題として私は今感じております。
ですので町議会と町長、まあ執行部側との関係、そこに住民というのがファクターとして入ってきた場合に、この両者の関係がどうなっていくのかなあというのをこれから私は突き詰めて行きたいというふうにして思っております。
いささかですねなんか小難しい話になったんですけれども、私は全国最年少というので得したことが一個だけあります。
それは麻生太郎大臣に覚えていただいたことです。
あるところでトイレで横同士になりまして、2回ぐらい面識があったんですけれども「おう、最年少!」とこう声をかけられまして、そしたらこのあいだ宝塚市に視察に行ってまいりました。
宝塚市長が「ああ石原さんというのは麻生大臣から良く聞いているよ」ということを言われまして、ああ光栄だなと思っております。
まあこれから、次の改選でまた最年少町長のこのタイトルが誰かに奪われるのかもわかりませんけれども、できたら、もう少し最年少というので長く続けていきたいなあというふうに思っております。
おそらくまあ汚職かなんかして辞めない限りは、4年はもつと思いますので、また是非ともですね、菰野に来ていただいた時には「おう石原や」というふうにして言っていただきたいと思っております。
雑駁な話になりましたけれども、自己紹介を兼ねて、そして私の問題意識「自治とは何か?」ということをこれからテーマにしてやりたいということで宜しくお願いいたします。有難うございます。
コーディネーター山路)次に日航のアテンダントから奈良県職員になり、今は学識者をされている、キャリア・デザインのお手本のような国枝さん、お願いします。
国枝さん)国枝でございます。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
座って発言させていただきます。
自己紹介は、今、山路さんからいただきましたので省きまして、今日は3点、3つの柱を考えて参りたいと思います。
一つは、民間人から公務員になった、そういう経験を踏まえた視点。
それから、第2点目は、個人のキャリアデザインについてです。
最後は、これから公務員とはどうあるべきか、そんな視点で少し考えてみたいと思います。
まず、第1点は、私の経験からの視点です。奈良県庁に最初に入りましたのが2003年。私の民間での経験が広報あるいはマーケティングという期間が長かったからでしょうか、最初に就きました仕事も、広報の仕事でした。その後、観光交流局におりまして、合計、今年の3月まで4年間在籍をした次第です。
民間人から公務員になって感じたところ、本当にいろいろありました。ただ、一つここで挙げてみようと思うことがあります。それはやはり、現場を知ることの重要性です。これは、まさしく民間も、公務員の皆さんの職場も共通している点ではないかなというふうに思います。私は、観光行政では特にそうだと思うのですが、県外から訪れる方々、そして住民の方、民間の事業者さん、行
政、そしてNPO、いろんな方々のご意見を聞く、その大切さですね。
それと、やはり自分の足で現場に行ってみる、あるいは歩いてみる、そしてお話を聞くと、こういったことの重要性を、本当に強く感じました。その現場に行けば、今、何をしなければいけないか、そして、これからどんなビジョンで取り組まなければいけないかということが、そこで見えてくるのではないかなと感じました。
第2点目は、個人のキャリアデザインについてです。私は、結果的に航空業界、ホテル業、そして、行政、今は、教育ということで4つの分野に関わってきています。
しかし、たまたまこういう結果になったのであって、実は、航空会社を辞めた後、再就職する際、大変苦労しまして、辛い思いを幾度かいたしました。その時学習したことは、やっぱり自分の人生っていうのは自分で切り開かないといけない、人任せではいけないということを、まだ若かったこともありまして痛切に感じました。ということは、自己責任ですね。自分の頭で考えて、そして自分で行動する。これからは、それが必要だということを、その時学習したわけです。
終身雇用がごく当たり前だったバブル崩壊以前は考えもしなかったのですが、バブル崩壊後、私の知人もリストラの当事者になり、私自身も非常に危機感を持っておりました。
そんな中で、任期付きの公募を知って、何か、私の中で、これから社会でどういうことができるのか、また、民間の会社を定年で退職して何か地域で貢献できないかなと、モヤッとしたものがあった。それがムクムクと起き上がってきた。それと、これからは地域の時代だということを、その時感じていました。これらが、私を突き動かしたということでしょう。
今やグローバル競争の時代に入りまして、官民を問わず、バブルとはまた違った厳しい局面になっていると感じています。職業に関わらず、個人個人が自分のキャリアについて真剣に考えて、そして、一人一人が強くなっていくことこそ、今求められているのかなと感じています。
第3番目は、今後求められる公務員の姿ということです。例えば、「クリーン、オネスト、ビューティフル」という言葉。これは、まさしく公務員の姿だと思っています。ただ、民間企業も、民間に勤める社員もそのことが求められる時代になってきている。つまり、官も民も、「クリーン、オネスト、ビューティフル」でなければならない時代というふうに言えるかと思います。それぞれ使命は違っても、企業は消費者から、そして、公務員は住民から、求められていくもの、それがかなり接近してきているなと実感しています。
今日は、皆さんとお話しできることを楽しみにしております。以上です。
コーディネーター山路)次は市民代表で神戸市内で自治会長をされてみえる絹川さん、お願いします。
絹川さん) 知事と町長のお話が早く終わりましたので、その分長くしゃべれるかなと思ったら、国枝さんがその分取ってしまいましたので、やはり5分しかしゃべられません(笑)。
全国の自治体職員がこの1年間で犯した犯罪は、裏金、それからカラ出張、カラ伝票、学歴詐称、無断欠勤、飲酒運転、痴漢、薬物乱用、窃盗、強盗。これだけあります。
私、5年前までは、行政以上に行政らしいと言われた関西電力という会社に勤めていましたが、この会社が1年間に起こす不祥事は、せいぜい伝票を操作して自分のポケットに1万円か2万円入れるというくらいのものです。それでも即、懲戒免職です。また、関電は通勤にマイカーは厳禁で、公共の交通機関を使わないといけないんですが、マイカーで乗ってくると譴責ぐらいは喰らう会社なんです。ですから、組織的には非常に堅い会社でした。同じように、良い意味で堅い組織であるべき自治体が、あれだけの不祥事を起こしているというのは、丹羽さんの話ではないけれど、それは決して氷山の一角ではなく、皆さんのどっかに無意識のうちに巣くっているものが必ずあると思います。今日来られている皆さんは、「いや私の職場ではそんなことはない」と思われるかも分かりませんが、これは、一部の出来事ではなく、必ずそのベースとなるものがあるはずです。
まず、これをどうにかしてくれないと、自治体職員の意識改革も何もありません。
意識改革について関連して言うと、私が関電に入社した頃は、電力会社は、地域独占と認可料金に守られていました。その頃の「予算」というのは、会計担当に「ナンボください」と言うのが予算だったんです。しかし、一般の企業っていうのは、予算というのは支出予算ではなくて、「収入・支出予算」なんです。
10億を売り上げたいから1千万の経費予算をくださいという、要は、収入と支出があって初めて予算なんですけど、当時の関電も今の自治体も、予算といったら、収入は誰かが集めてくれて、私らは、使う(支出する)だけの予算になっているんです。じゃあ、収入の方はどうかっていうと、関電の場合は、電気料金が自動的に入り、自治体の場合は、税として入ってくる訳ですが、全ての
事業の基礎となる「お金の入り」について、自治体職員の皆さんは、ほとんど考えが及んでいない。
当時の関電も、課あって部なし、部あって局なし、局あって会社なしの状況でした。自治体にもよく似たところがあります。隣の課に文句を言ったら、その課からクレームがきて、もう触らぬ神に祟りなし状態になります。しかし、隣の課のやっている仕事に口出しをしない事は、往々にして住民に迷惑が及ぶ場合があるという事を考えてもらいたい。
また、当時の関電は、要綱、要則、規則、規程だらけでした。何かしようと思えば、この要綱の、この要則の何ページを読みなさいと言われたものです。それと同じようなものを、皆さんもいっぱい作っておられる。昭和五十年代に作った要綱、要則が、平成の世でも見直されていないものがいっぱいあります。是非、見直していただきたいと思います。
電力業界も自由化が始まりまして、私に地域共済本部というところに行って、従業員の意識改革をしろと言われたんですが、結果として、それはもう完全な失敗でした。周囲の環境が変わっていないのに、いくら意識改革と言ったところで変わるわけがないんです。 その後どうなったかというと、電力の自由化が本格化して企業間競争が始まると、まず業績が上がらなければ、ボーナスは
カットです。私も、営業部長をしていましたが、ほかの支店に負けたらボーナスは20万円カットです。それは、もう当たり前なんです。
それから、組織も大幅に変わりました。企業経営上、営業目的達成に関係のない組織は、はいリストラ。どんどん営業の方に人間をシフトしていきました。年功序列も崩れていって、今は、三十代の人が四十代の人の上司になるというようなことは、もう当たり前のことになってきています。
企業の場合は、利益、利潤を挙げるという単純明快なものがあり、その目的を達成するために、意識改革や組織変革がある訳ですが、自治体の場合には、じゃあ、何をどう変えていったらいいのかがなかなか難しい。
私なりに考えると、一つは、丹羽さんがおっしゃったトップのリーダーシップですね。
それから、関電の例でいくと、中間管理職の方の役割が非常に大事だと思います。役所の場合は、案外、中間管理職がいろんな情報を握っていて、立案するとか、権限も持っておられますので、この層が、自らの組織をどう廻していくのか、市長なり、知事になり代わって考えていったら、組織風土は随分変わるんではないかと思います。
もう一つ大事なのは、広く聴く「広聴」だと思います。広聴を一つひとつ処理することも大事ですが、例えば100件まとめて分析をして、住民の意識を探るとか、あるいは企業でやるマーケティング手法を住民意識調査に応用するとか。こういうことを、単年度ではなく、是非継続してやっていただきたいと思います。
コーディネーター山路)最後は職員代表の南風原町の前城さん、お待たせしました。お願いします。
前城さん)《会場内に声及びラッパの音あり。》ありがとう。皆さんこんにちは。沖縄からやってきました。沖縄では昨日、台風が通過しました。そこで、昨日の便が台風で全便欠航すると分かったので、1日早めて木曜日に来ました。私が乗った便以降は全部欠航でした。ラッキーです。
ありがとうございました。《拍手》運が良かったです。今、ラッパを吹いていただいたのは、昨日、前夜祭をやった仲間です。自治体職員の関係の方々15名ぐらいで、ミナミの方で前夜祭をしまして、大いに盛り上がりまして、今日は応援ということでラッパを吹いてもらってます。
それから、今、パネラーの皆さんが話をされている時に、私が一番気になっていたのは、前方で写真を撮ってる方ですね。皆さん、分かります?ここで頑張ってる方がいらっしゃいます。ありがとうございます。こういう方がいるから、報告書に写真がきちんと載るんですよね。ありがとうございます。
さて、私が今着ているのは、皆さんご存じのクールビズです。沖縄では「かりゆしウエア」と呼んでいます。沖縄の自治体職員は、これが、4月から10月までは正装です。私は、土曜日だからこれを着ているのではなくて、これが沖縄の自治体職員の正装です。「かりゆし」とは、沖縄の方言で「めでたい」という意味があります。それで、そのめでたい服を着てお話しさせていただきます。座って説明します。
レジュメの方にはいろいろ書いていますが、3回まわってくる中でどの程度話せるか分かりませんが、私が伝えたいのは次の点です。今、自治体の中で、市町村の中で、変わっていかなければいけないものは3つあると私は思っています。
その中の一つが、職員ですね、皆さんもご存じのとおり。そして、住民。大きな柱は2つあります。先ほど、3つと言いましたが、その中で、職員の中には、管理職と一般職員の2つがあります。管理職と一般職員は同じような方法では変わっていかないっていうのが、私がこの2カ年ずっといろいろなことに携わってきて分かったことです。ですから、職場の中では、管理職、そして一般職員、そして、もう一つが住民の3つがあります。変わっていくという表現に語弊があれば、気づいてもらう、気づき合うっていう言葉で表現できるかもしれません。学習し合うとか。
3つのセクターが変わっていくと、自治体は変わっていくんじゃないかと思います。そしてその手法として、私がこの2カ年間、総合計画を住民と一緒に作成しながら解った一つのキーワードは、「対話」です。地道で簡単だけれど、「対話」しかない。シンプルでした。最後の最後に行き着いたのは、「対話」です。
それから、職員に求められる能力。これも、2カ年間でこれだなと分かったのは、一つがコミュニケーション能力です。もう一つが、ファシリテーション能力です。もう一つが、コーディネート能力です。この3つが絶対必要だなと確信しました。先ほど丹羽会長が、これから地方分権改革推進委員会でいろいろな提案がされると話されていました。この提案が現実になるまでには、これから5年先か、10年先になるかも分かりませんが、その時の自治体のあるべき姿を考えたときに、職員に求められるのはこの3つなんじゃないかというのが、私が気づいたところです。
今回レジメの中に、私が総合計画を2カ年間かけて住民参加で一緒に作り上げてきた内容を簡単にまとめてありますが、その内容は、後でお読み取りください。その中で、住民が最近どのように変わったか、それを3つくらい紹介したいと思います。
まず、26歳の女性の方。この方も住民会議のメンバーでしたが、「前城さん、自治って分かりましたよ。」って言ったんですよ。何て言うのかなと思ったら、「みんなに関わることを、みんなで決めることなんですよね。」って言ったんです。私も、自治について一言で伝えるなんて深く考えなかったんですが、「簡単に言うとこうですよね、前城さん。」って確認してきたので、私は、「凄い。この表現、貰っていい。」って言いました。みんなのことをみんなで決めること、それは議会に関わることです。彼女が、直接、議会のことと理解しているわけでは無いにしても、この2カ年間、住民参加で総合計画を作りながら、なんとなく気づいたんだと思います。
もう一つ、これは2週間前ですが、各字で行政懇談会を行いました。ある字で住民が30人くらい参加して、行政側は町長含めて6人での懇談です。町長が真ん中にいて、我々が一列に並び、私が端で筆記していたら、住民の方々から結構石が飛んできたんですよ。南風原の住民会議では行政に文句言うことを「石投げる」と言いますが、で、とおり一辺倒の答えしかできず、行政側は困っていたんですよ。その場には、住民会議のメンバーが3人いました。一人が前に座ってました。それで、30分くらい過ぎた後、住民会議で総合計画を作ってきた住民が手を挙げて、我々に向かって言うのではなくて、参加している住民に向かって、「皆さん、石ばかり投げてたら駄目ですよ。この課題を、先ずは字で議論して、まとめて、こんな方法の解決策があるがどうか、それをまとめて行政に投げれば行政はすぐに動くよ。」こんなことを言ったんですよ、住民側を向いて。あのとき私は感動しました。町長も喜んでいました。あれはビックリしましたよ。
もう一つありましたよ。もう一つ、なんだったかな。そうです。これは先週言われたんですが、いろんな地域活動をしている人がおられて、その人が私のところに来て、「住民もいろいろ変わってきましたね、前城さん。でもね、最後に変わるのは、やっぱり職員でしょうね。」って、この方、気づいてるんです。職員がなかなか変わらないっていうこと。皆さんも職場でお気づきのことと思います。
今日は、このような3つの意識改革と、大切なのは「対話」というところを中心に、これから、あと2回まわる予定ですから、少しずつ話していきたいと思っています。ありがとうございます。






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