著者の姿勢に共感した本


著者名:川北義則著
出版社:三笠書房
感想:以下の点に共感しました。
・「人生は一度しかない。しかし、それをうまくやることができれば一度で充分だ」(フレッド・アレン)
・「自分の考えたとおりに生きてみよ。さもないと、生きたとおりに考えなくてはならなくなる」。仏の作家ブールジュという人の言葉だが、自分の愉しみ優先の生き方をしないと、人生80年もひどく短いものになってしまうことは間違いない。
・「一つも馬鹿なことをしないで生きている人間は、彼が考えているほど賢明ではない」(ラ・ロシュフコー)
・「明日で間に合うことを今日しない」見切りも大切
 要は自分のなかで、いましなければならないこと、いましなくてもいいことを明確にして、しなくてすむことは思い切って明日延ばしにしてしまえばいいのだ。
・獣は食らい、人は食べる。そして教養ある人は食事をするという。
・オランダの歴史学者ホイジンガーが定義したとおり、人間の本質は「遊ぶ人(ホモ・ルーデンス)にある。遊びほど人間を真面目にするものはないのだ。
・古今東西、自分の気の進まないことをやって成功した人は一人もいない。自分の好きな道と仕事を上手に一致させた人が、もっとも成功に近づくのである。それが無理でも、仕事に遊びの要素をとりいれることは可能だろう。
・一、生計。二、身計。三、家計。四、老計。五、死計。中国に伝えられる人生の五計である。この三と四の間に「遊計」も入れてはどうか。四十代は、われらがいかに遊ぶべきかの計を立てるべき時期である。
・仕事のできるやつほどよく遊ぶ。この原則が生きているのは、彼らが忙しい仕事の合間にも、時間をつくり出す努力をしているからにほかならない。
・逆にいえば、遊ぶひまがないという人は時間を捻出する技術が下手だということだ。その原因の一つに、「いついつになったらアレをしよう」という先送り主義がある。読みたい本を買ったが、今夜は仲間と一杯やる予定があるから、読むのは週末にしよう。
・やりたいことをすぐに行動に移さないのは、時間のあるなしが原因ではなく、そのやりたいことが本気ではないせいだ。
・人生を幸福にするためには日常の瑣事を愛さなければならない―芥川龍之介の言葉である。人は生きている限り瑣事の連続だ。
・瑣事は瑣事だから、いちいち気にも留めないし、またその一つひとつはむずかしくない。だがそんな瑣事であるからこそ、それを愛し、きちんとこなしていくことが人生を充実させる秘訣である。
・待ち合わせの場所があれば、そこに早めに行く。昼食時なら30分以上早く行って、その近くで食事どころを探す。これも新しい発見なのだ。
・「人が旅をするのは到着するためではなく旅をするためである」
 (ゲーテ)
・お金はよりよく生きるための血液である。命そのものではない。ないのに使うのは愚かである。だが、あるのに使わないのは不幸であると思う。
・どうでもいいことにはこだわらず、本当に譲れない部分にだけ頑固なこだわりを持って、それを自分固有の美学やスタイルへと昇華することが大切である。
・「決断とは、目的を見失わない決心の維持にほかならない」
 (ドワイド・D・アイゼンハワー)
・つきあいは他人のペースでしか動けないし、
 その8割はどうでもいいことだ。
 つき合いがいいだけの人間になっていないか。
 つき合いを悪くして、
 自分の時間を確保せよ。
・自分磨きは教養ばかりではない、
 感性を磨くことはもっと大事だ。
 本物に触れて偽者がわかる感性を磨き、
 個性的な人間に接して感性人間になれ。
・いいものやすぐれた人間にたくさん出会うこと。いつも本物に触れていること。そうした経験の蓄積からしか鋭い感性は育たないのだ。(以上)


書籍名:人は仕事で磨かれる
著者名:丹羽宇一郎
出版社:文芸春秋
感想:以下の点に共感しました。
・新しい社長に、一点の曇りもない状態で会社を引き渡したかったんです。自分のいるうちにやらないといけないという気持ちがありました。
・人には、それぞれ役割があります。企業のトップならなおさら、中興の祖とか事業拡大の立役者などといった具合に、その役割は明確にならざるを得ません。振り返ってみると、私の社長としての役割は「掃除屋」だったのではないかと思っています。
・私個人がどう思われるかはあまり考えていません。周りの毀誉褒貶は気にならないタイプです。会社にとってプラスになるならそれでいいんじゃないか。そうした考えが根本にあるんです。
・私の経験から言えば、気力体力ともに充実していて、寝食忘れて仕事ができるのは55,6歳ではないかと思っているんです。
・私は偉いとも思われたくないし、かえってそう思われるのも迷惑です。今でも私は電車通勤を続けているし、長いことカローラに乗っていますが、周りからは「社長のくせに」と言われる。
・しかも社長を退いた後だって、「あの人、伊藤忠の社長だったわりには何かショボクレてるよな」とか「こんなところで酒飲んでるぜ」とかきっと言われたりするんです。余計なお世話です。社長になったって全くいいことないですよ、と私は思っているのですから。
・そもそも黒塗りの車で送り迎えなんていう生活をしていたら、世間の常識からどんどんずれてしまいます。私はそのほうが怖い。
・もちろん、満員電車で突かれたり雨傘で冷たい思いをするのは誰だって腹も立つし、不愉快です。運転手付きの車のほうが居心地はいいでしょう。
・でも社員はみんな満員電車に揺られて通勤しているんです。その目線からずれてはいけない。だから、社長が電車通勤しているからといってマスコミに騒がれるのは、こちらからしてみれば「放っておいてくれ」と言いたいぐらいです。
・一つの仕事を極めれば、だいたい仕事のやり方というのはそう大きく間違えることはないんです。スペシャリストこそ優秀なゼネラリストになれるというのが、私の基本的な考えです。
・日本人というのはブランコが揺れすぎる傾向があると私は思います。悪いとなるとみんなで寄って集って引きずりおろし、コテンパンにやっつけてしまう。ちょっと良くなると、拍手喝采してみんなで神輿を担ぎ、当事者を舞い上がらせてしまう。罪な国民です。
・人間は自助努力しなくてはいけません。債権放棄をアテにするのではなく、自分の力で立ち上がるしかないんです。
・トップというのは、会社が苦しいときは真っ先に苦しみ、順調なときは最後にいい思いをする。そういうものだと思います。
・商社マンとしての人材をどこで見極めるか。私の場合、三つの基準があります。一つは、自分の意見をはっきり言える人です。カッコイイ言い方をすれば、確立された価値観を持っているということになるでしょう。
・もう一つは、お客様からの評価が高いということです。そして最後は「金の匂い」がするかどうかです。
・連続日本一となった京都大学アメフト部の水野弥一監督は、「人間の肉体や技術には限界がある。しかし心には限界がない」と言っていました。まさにそのとおりだと思います。
・ある日、必ずDNAのランプがつくと確信して努力する。このことを、私は社員に限らず、学生を含めた多くの人に言いたい。大抵の人は、「会社は僕のことを認めてくれない」と、諦めたことを他人や周りの環境のせいにしてしまいます。するともう永遠に、せっかく両親からいただいた素質を開花させないままで終わってしまう。残念なことです。
・私がこれまで自分の人生を振り返ってみて誇りに思うのは、絶対に読書を欠かさなかったことです。これまでの何十年という間の読書の蓄積は、人に負けないものだと思っています。
・そして読んだ人と読んでいない人との差は、そう一朝一夕には埋められない。これまで読書の習慣のなかった人が、急に読書をしようと思い立ったとしても、よほどの覚悟をしないと難しいでしょう。
・読書というのは、ご飯を食べるとか、朝起きたら顔を洗うとか、そうした日常の生活習慣と同じ感覚にならないとホンモノじゃないと私は思います。
・顔を洗わなきゃ起きた気がしないのと同じように、本を読まなきゃ寝られない。そのくらいまでにならないと続けられません。それこそ、活字病というか、本の虫です。人生において、この蓄積の差は大きいのではないでしょうか。
・トップに立つ人間にとって、もっとも大事なことは何か。それは、部下との直接の対話です。
・リーダーとして周りを引っ張っていくためには、思いを共有しなければなりません。そのためには自分の夢やビジョンを語り、部下がどんなことを考えているのかを知っておく必要があります。
・コミュニケーションをとって、お互いに思いや感動を共有するからこそ、仕事の目標や責任が明確になり、やりがいにつながっていくのです。ただ指示を出してそれで終わり、というものではありません。
・キャッチフレーズは、印象に残るということが大事なんです。たとえば私が講演するときも、必ず事前に聞くのは、どんな人たちが集まっているのかということと、聴衆の年齢層です。話の内容はそのときどきによって変わりますが、聴衆の状況と年齢に合わせて印象に残る言葉を言うように意識しています。
・最近では、成果主義は悪だとか日本にはなじまないといった風潮が生まれていますが、それは違う。年功主義と成果主義の間で、振り子が大きく揺れているだけの話です。
・成果主義が悪だというのなら、年功主義に戻るのか。すると、また不満が出てくるでしょう。「あいつは年齢が上だというだけで、自分より多く給料をもらっている」と思う人は必ず出てくるんです。
・だからどちらが善か悪かということではなく、成果主義ならそれをどの程度導入するのかが議論の対象にならなければなりません。
・私は最近よく言うんです。仕事をしていく上では、「見える報酬」と「見えざる報酬」というものがある。見える報酬とは給料です。では、見えざる報酬とは何か。それは、自分の成長です。
・人は、仕事によって磨かれる。仕事で悩み、苦しむからこそ人間的に立派になるんです。だから、「こんなつらい仕事をやらされて」とゴチャゴチャ不満を言う前に、それを与えられたことを喜ぶべきなんです。
・もちろん、嫌な仕事を引き受けたからといって、それと自分の成長はイコールとは限りません。しかし、周りが嫌がる仕事を引き受けて、それを前向きにとらえるところにグレードアップの可能性があるんです。
・私は、一流の人と接することは非常に大事だと思っています。人間は一流に接しないといけない。一流の人に会う、一流のモノを見る、触れる。買えるなら買えばいい。
・経営も同じです。一流の経営者に接する。その人が書いた文章を読んで感銘は受けなくても、その人がもつ実体験を生身で話してもらうと、じつに感じるところがあるんです。そうしたら一流といわれる人間の考え方や価値観がわかります。
・言われたことを言われたとおりにやっていれば、確かに苦労はないかもしれない。だけど、せっかく権限委譲されているんだから、現場での経験や判断基準をもっと上に具申していけばいい。現場経験の蓄積は企業にとって重要であるし、その人にとっても強みとなるのです。
・一部の方々は将来首相になろうとか、社長になろうとか目標を定め努力されるかもしれませんが、役職とか役位は狙って得るものではなく、他人の評価や後押しでそうした立場にたつものではないかと思います。自分の描く筋書きどおりの人生はありえないのでしょう。(以上)

書籍名:「なんでだろう」から仕事は始まる!
著者名:小倉昌男
出版社:講談社
紹介:宅急便を世に送り出した確固たる志を貫く経営者が「なんでだろう」と考えることから道は開けると説きます。
感想:以下の点に共感しました。(2004年6月読了)
・書類の上で経営者になれたからといって、それだけで経営ができるというものではない。経営とは、生身の人間とつきあう仕事だからである。
・事業のアイデアがどんなにすばらしいものだったとしても、それは一人で実現できるものではないはずだ。もちろん経営者には企画力のようなものが必要だが、それと同時に、人を動かす術を持ち合わせていなければ、自分の企画を形にすることはできない。当たり前の話だが、情報収集力にたけた若い人は往々にして頭でっかちになってしまい、その当たり前のことを忘れがちなのではないだろうか。
・インターネットでは答えの見つからないことが、世の中にはたくさんある。本当に価値のある情報というのは、生身の人間が持っているのではないだろうか。
・何であれ、物事には表と裏がある。たとえば「自由・平等・博愛」というフランス革命の有名なスローガンも、表面的にはそれぞれ美しい言葉だが、裏側に何があるかを見れば決してきれいごとではすまない。自由の裏には差別が、平等の裏には規律が、そして博愛の裏には罰則がある。
・いくら仕事の一部とはいえ、お座敷遊びであれ何であれ、金を使って伝票を会社に回していたのでは遊びにならない。交際費を使った遊びは、しょせん、社業の延長だ。どうしても、ビジネスのことが頭から抜けない。それに社長が会社の金で遊びまわっているのを見れば、社員だっていい気持ちはしないだろう。
・だから、遊びには自腹を切る。これは社長にかぎらず、どんな人でも当てはまることだと思うが、本当にサバサバした気分になりたいのなら、遊びには自分の金を使うべきだ。
・そもそも物事をうまく説明する能力というのは、どんな仕事にも求められるものだ。極端なことをいえば、「仕事ができる」とは「うまく説明できる」ことと同じではないかと思うことさえあるぐらいである。
・とりわけ社長は高い説明能力がないと務まらない仕事だといえるだろう。有無を言わさぬ強大な権力をふるって社員を従わせるだけでは、目的を見すえて前進していく生きた組織を作ることはできないと思う。
・どんなに組織が大きくて、トップから末端まで距離があったとしても、「知らなかった」は経営者の免罪符にはならない。本当に知らなかったのなら、それ自体が大きな罪だ。知ろうとする努力をしていないわけで、これは重大な職務怠慢である。
・会社の価値というのは、志のあり方で決まると私は思っている。単に多くの利益を上げることが『いい会社』の条件なのではない。
・もちろん企業は利益を追求する集団だからそれも大事だが、いくらもうけても品位の感じられない安っぽい会社は社会的に高く評価されないだろう。最終的には、志の高さが問われるのである。
・働いている人間は、必ず自分の仕事に対する評価を求める。自分自身で「よくやった」と思えたとしても、それだけで満足できる人はまずいない。いい仕事をしたという手ごたえがあるときほど、他人にも「いい仕事をした」と認められたいものだ。
・人間、最後は人柄がものをいうのだと私には思えてならない。世の中というのは、仕事上のスキルは足りなくても人柄のいい人間のほうが役に立つようにできているのではないかと感じるのだ。
・現場の社員たちも、「今これだけ働けば将来もっと楽になる」と言われただけでは、自分を鼓舞することができない。「楽になる」と言うなら、何がどう楽になるかを相手が実感できるように説明すべきなのだ。
・理屈は正しくても、説明が下手だと伝わるものも伝わらない。リーダーには説明する責任があるのと同時に、説明する能力も求められるのである。
・能力の高い社員はやる気になったとしても、あまり能力がなく、いい成績を残せそうもない社員は、逆にやる気を失う可能性もある。会社全体のパワーを底上げしようと思ったら、なかなか成績の上がらない人間もやる気を維持できるような環境をつくらなければいけない。そうなると、これはもう知恵ではなく「情」の世界だ。
・全員にチャンスを与えるのは大事だが、最後まで平等に扱うべきではない。平等に与えられたチャンスを生かせるかどうかは本人しだいなのであり、努力の結果まで平等にする必要はないのである。
・ところが日本では、これとは逆のことが行われている。学校でも会社でも、チャンスを平等に与えることより、結果を平等にしようとする傾向が強いのだ。
・仕事は収入を得る手段だが、決してそれだけが目的でやるものではない。それを通じて持てる能力を発揮し、自分らしさのようなものを表現できるとすれば、それも仕事から得られる果実のひとつだ。つまり仕事とは自己実現の手段でもあるということである。
・意に染まない仕事を楽しめるようにするにはどうすればいいか。私は、まず何よりも目標を見定めることだと思う。
・仕事である以上、何も目標がないということは絶対にない。意に染まない仕事というのは、その目標自体が自分にとっておもしろいと思えないから、やる気にならないのだろう。
・やりたいことをやるには、やりたくない作業もしなければならないのが仕事というものだ。どこかに「好きな仕事」があるのではなく、目の前にある仕事を好きになれるかどうかが大事なのではないだろうか。
・誇りを持つべき対象は組織や団体ではなく、あくまでも仕事そのものだということだ。
・人間というのは、過去の経験を現在に生かすことは簡単にできても、現在の行動が未来にどうつながるかを考えるのはむずかしいものだ。
・既得権を守りたいと思っている人間は、その本音を表に出すことができない。「われわれの既得権を奪うな!」と正面切って主張したところで、即座に却下されるに決まっているからだ。だから、本音を隠して建て前の理屈を並べなければならない。
・役所では「国民に奉仕する」という本来の目的が忘れ去られ、その目的を実現する手段である組織を守ることが目的化しているのだ。
・政権は選挙で交替させることができるが、行政のほうは、どんなにサービスの質が劣悪でがまんのならないものだったとしても、ユーザーは「別の業者」に乗り換えることができない。「有権者」には選択権があるが、「納税者」にはそれが与えられていないのである。
・行政は、規模は最大であるにもかかわらず、質は最悪のサービス業と言われてもしかたない状態になっている。前例踏襲主義を克服して、本来はだれもが持っていたはずの使命感を挫折させないしくみを作る以外に、国民を満足させられるレベルの行政サービスは実現しないのではないだろうか。

書籍名:できるやんか!
著者名:中井正嗣
出版社:潮出版社
紹介:お好み焼きチェーン店「千房」社長がひとりの人間を徹底して大事にすることを説きます。
感想:以下の点に共感しました。
・一人の人を大切にする―私はリーダーの最大の要諦はここにあると思っている。
・一人の人間の背後には、何千人もの人がいる。アルバイトの人たちにも、親がいて家族がいて友人がいる。一人の人に対してしていることは、じつは大勢の人に対してしていることと同じなのである。
・よく、こうしなさい、ああしなさい、そうすればこうなります、というリーダーがいる。これは理性あるリーダーである。それに対して、感性あるリーダーは、要はこうしたいのだ、そのためにはどうしたらいいと思うか、といういい方をする。そのほうが各人の個性が生かせるのはいうまでもない。
・ひとは私を「成功者」という。しかし、丁稚奉公から始まってここまでくることができたのは、多くの方々の温かい励ましがあったればこそであり、私の力ではない。「成功者」といわれたとき、私は必ずこう訂正させていただいている。「私は成功者ではありません。成長者です」
・いま「千房」が大変なのも、自分たちの努力がまだまだ足りないからで、デフレだから、不景気だから、とは思っていない。何事もうまくいかない原因を外に求めているうちは、「勝利」はないからである。
・世の中、とくに勝負の世界は、強いものが勝つとはかぎらない。勝ったものが強いのだ。そして、勝つためには絶対に困難から逃げないことだ、と。
・もともと悪意のある人は別として、トラブルやクレームの原因はじつはそれ以前にあることが多い。
・いまの言葉でいうと「危機管理」ということになるのだろうが、従業員を信頼しなければ経営はできない。しかし、ただ盲目的に信用するだけでは、たんなる「お人好し」ということになる。
・「平等」と「公平」は違う。「平等」というのは一律で、一等賞も三等賞もない。それに対して「公平」には競争原理が働く。一等賞から三等賞まできちんと評価する。みなに平等にチャンスを与え、公平に評価できなければリーダーたりえない。
・現実から逃げられない以上、どんな思いをしても乗り越えるしかない。その知恵と工夫を重ねるなかで努力が報われ、次のステップへの「考える力」がついてきた。努力は嘘をつかないのである。
・セミナーなどに行くと、前のほうの席が空いているのに、わざわざ後ろのほうに座る人がいる。ロイヤルボックス(貴賓席)は、前の席にこそあるというのに―。
・座る位置を見ればその人の心構えがわかるという。私はできるだけ前の席に座って聞くことにしているが、後ろの席に座る人は本当に学ぼうという気がないとしか思えない。
・「聞く」ということではもう一つ―、話を聞いても、質問することができなければあまり身につかない。
・人間というのは不思議なもので、「みんなに内緒」「あなただけ」「ここだけの話」といわれると、つまりいい意味で他の人と「差別」されると、人にしゃべらずにいられないものなのだ。
・人間、素直になれば変わるものである。また、素直でなければ変われないものである。リーダーの仕事は素直になれる環境をつくってあげることである。やれ落ちこぼれだ、突っ張りだ、と烙印を押すことではない。人間の可能性は無限なのだから―。
・書家の相田みつをさんにこういうすばらしい言葉がある。「―美しいものを美しいと思える、あなたの心が美しい」
・私はお世話になった方、ご縁のできた方にはすべて手書きでお礼状を出し、大事に大事におつきあいさせていただいてきた。筆まめといわれるが、出さないと自分の気持ちが晴れないのである。
・「時は金なり」という。考えてみれば、先方はなんらかのかたちで私のために時間を使ってくださっているわけである。自分もまた、その方のために少しでも時間を使うことが、その方に対するいくぶんかでものお返しになるのではないか。私はそう思うのだ。
・人間はだれかの引き立てがなければ光り輝かない。いまの私があるのはいろいろな方に引き立ててもらったからである。いくら才能があり、能力があっても伸びない人がいる。才能がなく、能力がなくてもよくなっていく人がいる。私はまさに後者であった。
・私たちは往々にして損か得か、自分のためになるかならないかで判断する。けれでも「人脈」というのは、損得とか利害とかというものとは離れたところで広がっていくものなのだ。
・どんな仕事でもそうだと思うが、事業の成否を決める一つの鍵は、仕事以外での人とのつながり、つまり「人財」をどれだけもっているかにあるのではなかろうか。
・人生、出会いは数え切れないほどある。だが、こちらがいくら「あの人とおつきあいしたい」と思っても、それを決めるのは先方である。「人脈」の主導権は相手にある。
・人間関係を深めるには「五まめ」と「三つのプレゼント」を徹底的にドッキングさせることだと思う。「五まめ」とは「筆まめ」「口まめ」「足まめ」「こまめ」「贈りまめ」の五つの「まめ」であり、「三つのプレゼント」とは、お金や品物、手紙や電話などによる「メッセージ」、そして「身贈り(見送り)」である。
・人は、とかく肩書や立場で人を見る。人脈も多くは肩書や立場によってつくられる。しかし、そうしたものを外したとき、はたしてどれだけの人間関係が残っているのか。それが人間としての本当の価値ではないか。
・相田みつをさんに、「花を支える枝、枝を支える幹、幹を支える根、根は見えねえんだなあ」という味わい深い言葉がある。
・「見つめる」「うなずく」「ほほえむ」「ほめる」―こちらにこの四つがあれば、どんな人でも心を開いてくれる。反対に、口でいくらほめ、いいことをいっても、相手を見つめず、うなずきもせず、ほほえまず、ほめなければ、相手の心に響かない。「テクニック(建前)」であっても、それを続ければ「本音」となるのだ。
・スーパーやコンビニがやっているのは「販売」であり、私たち商店街や市場がやっているのは「商い」である。「販売」で問われるのは品数と品質と価格で、人間的なふれ合いはいわばどうでもいい。店員が一言も口をきかなくても、客としては不自由だとも思わない。
・だれのための行政なのか。「こういうルート行きはったらできまっせ」と教えてくれるのが行政の仕事ではないのか。大きくいうと、日本の社会が停滞している原因は、そういう不親切きわまるお役所仕事にもあるといっても過言ではない。また、行政は「集客都市・大阪」といいながら、一方では規制をかける。その仕組みに「矛盾」が生じているのではないかと思うのだ。

書籍名:40歳から「人」とお金」が集まる人の表現力
著者名:中島孝志
出版社:青春出版社
紹介:できる人に共通する交渉・プレゼン・マネジメントを説きます。
感想:以下の点に共感しました。
・できる人、とくに経営者やリーダーにとって重要なことは「forecast」ではなく、「backcast」なのである。会社でもいいし、仕事でもいいが、その未来像をイメージして、ビジョンを作る。このイメージ、ビジョンを現実のものとして実現するには、いま、なにが必要なのか。いま、なにをしなければならないのか。それをいま現在、準備しておく。これが「backcast」なのである。
・アメリカのドミノピザなど、「30分以内に届かなければ、お代は一切いただきません」という表現で爆発した。それまで「遅い(だからまずい)、冷たい、高い」の三拍子で信頼がなかった業界に殴りこんだから、あれだけ成功したのだ。
・問題を引き起こしている業界の中で、ちょっと信頼を回復できるサービスを提案しただけで、業界地図は塗り替えられるのである。
・「逆流に向かって泳げ」これは「エブリディ・ロープライス」で知られる世界一のスーパーマーケット、ウォルマートの創業者サム・ウォルトンの大好きな言葉である。すべての固定観念、常識を打ち破れ、という意味にわたしは理解している。
・「成果には報酬で、能力にはチャンスで報いよ」ジャック・ウェルチ(ゼネラル・エレクトリック社・前CEO)のメッセージである。この表現を聞けば、この会社がどんな人材を評価するか、どうすれば昇進できるかが一目瞭然である。
・「必要は発明の母」樫尾俊雄さん(カシオ計算機会長)はこの表現が大好きだ。「世の中の多くの人が必要性を認識するようになった段階で開発を進めても、もう遅いんです。こんな製品が世の中には必要なんじゃないかな、そう閃いたら発明しようと考える。だから、必要が先で、発明は後」という意味だそうだ。
・「臆病者といわれる勇気を持て」これは日本航空の機長たちが肝に銘じているメッセージである。どんなに経営、宣伝、教育、整備に努力していても、飛行機会社は一つの事故ですべてが藻くずと消えてしまうのだ。そこで、代々、受け継がれてきたメッセージがこれである。
・「自分が自分に対して最大の批判者になり、自分の行動と姿勢を改革する自己革新力のある経営」これはユニクロ(会社名:ファーストリフティング)の会長である柳井正さんである。自分が自分に対する最大の批判者になることなど、至難の業である。それだけに柳井さん自身、自分への戒めとして社訓として載せていたように思える。
・表現を語るとき、忘れてならないのは「雄弁は金」ということである。昔は「雄弁は銀、沈黙は金」と言われた時代もあったが、いまの時代、「雄弁は金、沈黙はブリキ」「ただし、たんなるおしゃべり禁」ということだと思う。
・偶然を必然に変えること。これは人間、だれでもやろうと思えばできる範囲内の能力である。
・交渉の本質を別の英語で表現すると、「Best Alternative To No Areement」という意味になる。通称、この頭文字だけを取って「BATNA」と呼んでいるが、その意味は「相手との間に合意が結ばれなかったとき、ベストの代案を提示すること」を指す。
・そもそも「理」とは、石を割るときの筋目を意味する漢字である。「理」に適う方法で臨めば石はそれほど力を入れなくても自然と割れてしまうが、「理」に適わない部分(筋目がない部分)をいくら突いても石は割れない。そこで、論理というのは理に適った表現をする、という意味になる。
・アメリカの心理学者ズーニンは「第一印象は最初の4分間で決まる」と述べているが、そんなものだろう。初対面で好感度が低いと、あとで盛り返すのは至難の業である。
・抽象的な質問には抽象的な回答しか返ってこない。
・人間というのはいきなり説明されるよりも、前もって全体の大まかなシナリオを事前に告知されるだけでも、「あぁ、ここがそうか」と、とたんに受け入れやすくなってしまうのだ。理解度も違うし、なによりもその提案に対する拒絶感が激減するから、これは効果がある。これを「予期的説得法」と呼んでいる。
・出世の条件は「アクティブ・アグレッシブ・アピール」の三Aだ。言い換えれば、他人ごとと考えず、わがことと自動変換して考える習慣がついているかどうか、である。
・不運は不運ではなく、それをどう解釈するか。どう対処するかで、いくらでもリカバリーショットは打てるのだ。
・人間は事実ではなく、解釈によって生きる動物である。どう解釈するかで幸福を感じたり、不幸を感じたりするのだ。ならば、これで満足というレベルまでやればいい。
・本当は運にせよ、ツキにせよ、偶然にせよ、いつもわたしたちの周辺を飛び回っているのではないか。ただ、それに気づいていないのではないだろうか。
・運、ツキ、偶然のほうでは常にメッセージを送っている。偶然を生かす力、偶然を呼び起こす力、偶然を引っ張り出す力・・・この力が強ければ強いほど、その人は運の強い人と呼ばれるに違いない。
・わたしの愛読書『ナニワ金融道』の著者青木雄二さんがおもしろいことを言っている。「才覚にある人間やったら、金鉱の話を聞いても金を掘ろうなんて考えへん。そうか。金鉱に人が集まってるんやったら、そいつら相手に酒場か女郎屋でも始めたろか。こういう発想のできる人間でないと成功せん」
・運の女神は前髪しかないらしいから、つかまえるにはコツがいる。それはチャンスを自ら作る、ということである。チャンスは待っていても訪れない。チャンスは虎視眈々と準備している人間のそばにしか近寄らないのだ。
・プレッシャーを「プレジャー」に変換するコツがある。それは「せっかく」という枕詞を頭につけて、話す癖をつけることである。この「せっかく」という枕詞をつけただけで、マイナスをプラスに変換できるから、便利な表現である。

書籍名:出過ぎる杭は打ちにくい!
著者名:黒木安馬
出版社:ワニブックス
紹介:JALののチーフパーサーとしてファースト・クラスのVIPと接触した経験から導き出した人生成功人間学を語ります。
感想:以下の点に共感しました。
・欲求は生きていく上で誰にも必要なことである。欲求とは夢であり、人生そのものかもしれない。
・だが、その夢があっても、それをどのように運べば成功へ向かって実現するのかは、学校でも社会に出てからでも、誰も教えてくれない。みんなそれぞれ迷っているし、かといって人生にリハーサルもマニュアルもないのだ。
・忙しい忙しいと、口癖のように言っている者に限って仕事ができない人が多いものだ。
・自分が利害関係の当事者となれば、人は必ず動き始める。だが、集団の中で他人のことになれば、誰かが、その他大勢がそのうち何とかしてくれるものさと高をくくって無関心になる。
・「人生で一番難しいことは何か?それは自分自身を知ることである。
 一番やさしいことは?それは他人に忠告することである。
 そして、人生で一番楽しいことは?
 それは、目的を持って、それを達成することである」
・今できないことは間違いなく一生かかってもやらないし、できない。今やれないことは、十年かかってもやれない。
・噛めば噛むほど味が出るスルメみたいな出会いじゃ、印象づくりには間に合わない。その内にわかってもらえる日が来るさ、なんてのんびりと構えていられない。第一印象は強烈にあなたの運命を決定する可能性が高いからだ。出だしでつまずくと修復するのに結構時間がかかる。
・なぜできないかではなく、どうすればもっとできるかの個性教育。NOの論理よりも、YESの発想でないと本人の才能も発見できないし、発揮させることもできない。
・『子どもが予想通り成長するなら、この世には天才しかいないはずだ』とゲーテは言っています。
・保険にしろ車にしろ、買うなら一番忙しく働いているセールスマンと契約するべきだ。面倒見も良く、要領を得ているし、行動も迅速で間違いがない。顧客からの総合評価が結果的にそのセールスマンをトップに押し上げ、さらに忙しくさせているわけだ。仕事ができるからこそ忙しいし、できが悪いからその結果が暇なのだ。
・脳の働きは、大きく分けて「顕在意識」と「潜在意識」に分けられる。
・「夢や目標を実現するかどうかの答えはあなたの心の中(潜在意識)にあり、それをどうするかも本当はあなたの心の中にある!」
・プラシーボ効果というのがある。本物の薬のように見せかけて、ただの水みたいな偽薬を飲ませても、本人がそう思い込んでいれば本物以上の驚異的効果が表れることがある。イワシの頭も信心からだ。
・誰の人生か、それはあなたが決めること。やりたいのかやりたくないのか、自分に聞くことだよ。夢なんてのは人から与えられるものじゃない、自分で自分の心の中に発見するものだよ。やれるかどうか、やってみてからしかわからないだろう。
・チャンスは普段から用意できている人だけにしか巡ってこない!
・成功者には一貫した共通点がある。
 一つは、誰が何と言おうが、自分を信じている。自信。強烈な信念。必ずできると思い込む強烈な、自信過剰に近い確信を抱いている。
 プラスの思い込みで、潜在意識に植えつけているわけだ。潜在意識は受け入れたものはすべて無差別に実現してしまうすごいパワーを持っている。できると思えばできるし、できないと思えばできない。偉大な真理の宝庫なのだ。「囚」の外枠を取り払って必ずできると思い込むことだ。
 そして、アイデアとヒラメキですぐに行動に移している。ドン・キホーテ的な行動力がある。思い立ったが吉日なのである。思慮の浅い猪突猛進にも見えるが、実はそうではない。天使のように大胆に、悪魔のように細心に行動計画を立てている。
 確実に言えることは、自分が成功した時のイメージを鮮烈に頭に描いて行動している。具体的な夢を持っている。成功した時の姿・イメージを細部に渡って明確にすればするほど成功に近づく。他人に向かってスラスラと絵に描いて見せることができるほどしっかりした夢を持っている。
・志を立てるのに遅すぎるということは絶対にない。
・何が人間を成長させ、生命力さえも力強く意気軒昂に維持させるのか。それは「氣は心」の一言につきる。夢、目的意識、願望があれば、人は永遠に活きる。強い願望は奇跡をも産むのだ。希望があれば恐怖心も雲散霧消する。
・「知性はすべてを計算した上でなければ行動したがらない。すべてを計算することは不可能だから、知性はいつになっても行動することはあるまい。成功する企業は知性によって先の先まで準備された企業ではなく、風雪をしのいで進展してきた勇気ある企業である」(仏のアンドレー・モロワーの言葉)
・人は誰しも自分を主体として考える。能の世界に「離見」という言葉があるが、自己をちょっとだけ離れて見ると普段は見えない物も見えてくることがある。
・人様を見て腹を立てて過ごすのと、一歩さがって、それじゃあ、自分はどうなんだろうと考えるスタンスを持つのとでは大きな違いが生まれてくる。そう、些細なことでも一歩さがって物を客観的に見る、災い転じて福となす殊勝な心構えが大切なのだ。
・飛行機に搭乗の時。「いらっしゃいませ」「お待たせしました」の挨拶では、ほとんどの日本人は無言となる。このような一方通行の言葉に対しては、応える適切な日本語がないからだと思う。
・挨拶とは、相手の閉ざした心を押し開くという意味。視線もろくに合わさないで、ほとんど反応のない無言の行列は、不気味で奇異な感じがする。
・英語の「WELCOME ABOARD!」だとか、中国語の「歓迎光臨(ファンイン・クァンリン)」などは、簡単に「THANK YOU!」とか「謝謝(シェーシェー)」と返ってきてお互いに爽快だ。
・東京ディズニーランドでは一方的会話の「いらっしゃいませ」は禁句で、対話を誘う「こんにちは!」しかないそうだ。
・古代哲学の「人生で一番易しいこと、それは他人に忠告すること」である。
・ほめ言葉とお世辞はまったく違う。ほめ言葉とは、相手の優れた点を客観的に認めてあげることだ。私はこうである、と内面で「こうなるはず」「こうありたい」と決めている理想やイメージ、信念といった自我の一部分、<自己評価>を認めて高めてあげることである。
・「お元気ですか?」の問いかけでは、「ええ、まあ」で自分の今の状態報告だけで変化はないが、「やあ、いつも元気そうですね」と明るく断定して言われれば、何となくその気になって活力も出てくるものだ。
・新潟県長岡市で講演した時に、地元出身の山本五十六元帥の書で再確認したが、こういう有名な言葉がある。
「やってみせて、言って聞かせ、やらせてみせて、ほめてやらねば、人は動かじ」
・囚人のように本当にオリがあるのならまだしも、人は自分では今だかつてやったことも、それどころか触ったことも見たこともないはずなのに、しょっぱなから自分にはできない、不可能だと思い込んでしまい、全く行動に出ようともしない。
・人生で一番楽しいこと、それは目標を持ってそれを実現していくことだ。明日、世界が滅びることがわかっていても、今日あなたはリンゴの木を植えるか?植えてみようじゃないか!明日があればこそ、夢があればこそ、生きておればこそだ。人生に無駄なことはいっさいない。
・若いからまだまだ先があるとか、もう年だから生い先は短いということは全く当てはまらない。年齢には一切関係なく、自分の命の長短はその時がくるまでは誰もわからない、予測がまったく立たないということだ。
・『幸福・成功』とは時間や年齢の問題ではなくて、ましてや他人との比較対照ではなく、そのつど、自分を一瞬でも振り返ってみた時点えで「私の人生は面白い!」と充足感、満足感を持つことができるかどうかで決まってくる。自分の精神状態との比較判断で決まるものなのだ。
・KNOM-HOW(やり方)は先輩やその道のプロに聞けばその場で習得できるが、KNOM-WHO(人脈)は日夜時間をかけて自分でコツコツとつくるしかない。
・世界のトップクラスの栄光ある成功者には、大別し三つの共通する素敵な「癖」がある。その一つは、会話の中に「しかし」という言葉がまず出てこないことである。その代わり、「なーるほど」とか「ほおー、それで」とかのこっちがもっともっと話したくなるような相づちが帰ってくる。
・クレームは顧客からの信頼の証であり、未来への価値を見いだす貴重な宝なのだ。苦言は素晴らしい提言であり、創造のチャンスになる。失敗をしなかったということは何もしなかったことに他ならない。諫言・苦言を申し出る者が三人いる国は滅びない、と言われる。
・その二つ目。人生の成功者はいつも「プラス思考」である。物事がどう転んでも、嫌だなあーじゃなく、面白いッ!ととらえる力量を持っている。
・済んでしまったことに、いつまでもイジイジとこだわり続け、クダクダと後悔しても、何も進展しない。成功者はすぐさまプラス思考に転じ、「だからこそ」に持っていこうとする。
・今度はこうしよう、ああしよう。何と前向きな姿勢ではないか。「だから」ダメなんだと自分をなぐさめて負の正当化をするのではなく、「だからこそ、やる!」の心意気である。
・成功者の三つ目の癖。「書く」ことである。筆マメである。成功者は「手マメ、口マメ、足マメ、血マメ、筆マメ」の結果という。
・行動派は知っている、今日やらないことは十年たってもやらない、と。若い時には知恵がなく、老いてからは行動する力がない。若い時の旅がなければ、老いてからの物語がない、とは私が父親からさんざん言われた言葉だ。
・私は名刺交換したら必ず三日以内に葉書を出す。機内で書いて外国からでも出すし、新幹線の中でも、立ったままの電車の中でも書く。
・講演の時にアンケートに答えてくれた人には必ず、たとえ数百人であっても直筆で全員にお礼や返事を書く。
・一期一会は千載一遇のチャンスでしかない。「KNOW-HOW」よりも「KNOW-WHO」を一生の財産にしたい。
・それに対して返事が来る人、そうでない人。興味があるのは、超多忙であり世に言う成功者の度合いに比例して、丁寧なお礼の返事がすぐに届く。アフターフォローの迅速さ・完璧さ・マメな誠実さが人の心を射止め、成功に結びつけるからだ。
・J・F・ケネディ大統領が残した名演説は有名だが、この世に尊敬する政治家は江戸時代の米沢藩主の上杉鷹山だと、日本でもさほど知られていない大名を引き合いに出した演説がある。
・私がアメリカの高校留学時代に先生が教えてくれた。そしてその鷹山の言葉を引用している。「なせばなる、成さねば成らぬ何事も、成さぬは人の成さぬなりけり」
・やらない人、やれない人は、いつの世にもなぜやれないかの口実に目を向け、できる人間、成功者は、いつもどうすればできるのかを考える。

書籍名:すべては一杯のコーヒーから
著者名:松田公太
出版社:新潮社
紹介:金も泣く、コネもない普通の銀行員であった著者が一杯のコーヒーに惹かれてタリーズコーヒーの日本での起業に挑戦する実話
感想:タリーズコーヒージャパンの採用面接では、「あなたの夢と目標を教えてください」と必ず聞くと言う。
 巨大なスターバックスよりも早く株式上場したのは、普通の銀行マンだった松田公太さんだと知り、一片でタリーズコーヒーのファンになり、大阪の梅田にあったチェーン店に入った。
 「情熱は不思議と運をも引き寄せ、不可能だと思っていたことを可能にしてしまう」という著者の言葉には説得力がある。

書籍名:挑めばチャンス逃げればピンチ
著者名:樋口廣太郎
出版社:PHP
紹介:前例がないことに挑戦して、業界のガリバー・キリンビールに勝つ原動力をつくった著者の持論が展開されています。
感想:聞くところによると、ビールのような成熟産業の分野では、メーカーのシェアはほぼ固定されていて、ほとんど変化はないのが普通だそうです。
 そんな業界で、下位で不振にあえいでいたアサヒビールが圧倒的シェアで首位を誇っていたキリンビールを逆転したのはほとんど奇跡といったいいのでしょう。
 その根底には、樋口さんの掲げた、ビッグ・カンパニーではなく、エクセレント・カンパニーという目標への努力が結実したということでしょう。
 時代はまさに「ビッグ・イート・スモール(大は小を飲む)」から「ファースト・イート・スロー(早い者が勝つ)への転換です。

書籍名:僕が15で社長になった理由
著者名:家本賢太郎
出版社:SOFT BANK
紹介:車椅子の少年が15歳で会社を興し、奇跡の回復を遂げた様子を読むと自分への甘えが恥ずかしくなります。
感想:著者の家本賢太郎さんのことは、新聞等で十代の社長として取り上げられたりしたことがあるので知っていましたが、この本を読むまではこんなにしっかりした経営などに対する考えを持っている方だとは思いませんでした。
 「野球選手になりたかった」という人生の選択肢が突然のアクシデントにより閉ざされても、諦めずに挑戦し続け、その途中で失敗しても、そこから何かを学んだことで今の彼があるのでしょう。
 よくベンチャーではハイリスク・ハイリターンといい、危険はあるけれども成功すれば莫大な利益が得られることが起業のインセンティブになっていますが、成功して社長になっても社員より低い給与で、しかも、コンビニでのアルバイトも兼ねていたということに家本さんの限りない成長の可能性がみえるように思います。
 ご自身が障害を持ったことがあったという経験も活かして障害を持つ方が住みよい社会になるための発言や活動もお願いしたいと思います。


書籍名:金ではなく鉄として
著者名:中坊公平
出版社:岩波書店
紹介:朝日新聞に連載されているときから、欠かさず読んでいました。読むものをひきつける内容です。
感想:中坊さんの講演を聞かせていただいたことがありますが、この本に語られているとおり、決して器用な方でも才能に恵まれた方でもないが、朴訥で真正直なお人柄だと感じました。
 この本で自分よりももっと弱い人たちとともに巨悪に立ち向かっていく中で、ときにはめげそうになるのを弱者だと思っていた方々に逆に励まされる箇所は、思わず涙がでました。
 ぜひすべての政治家や企業、自治体のトップなどに読んでいただきたいと思いました。

書籍名:10億円を捨てた男の仕事術
著者名:松本大
出版社:講談社
紹介:著者の名前は以前から知っていましたが、この本についてはタイトルを見て即買いました。
感想:どんな大金よりも「クレディビリティ」(信義、信頼、信用という言葉が一番近い)を優先し、「これさえあれば、人を説得することもできるし、人もついて来てくれる。自分がもし困ったことになっても、誰かが助けの手を差し伸べてくれます。いろいろな意味で仕事ができるのです」という著者の姿勢に共感します。




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