<人を動かす言葉>


「人を動かす10の鉄則」ジョン・C・マクスウェル ジム・ドーナン著 
齋藤孝訳・解説 三笠書房より
(■引用 ○私の意見)


■相手の反感を買いながら、その人を変えることはできない。
 (スコットランドの宗教改革の指導者 ジョン・ノックス牧師)

○面従腹背ということはあるとしても反感を抱きながらその人についていこう
とは思わないでしょう。


■ウォルト・ディズニーは、世界には3種類の人間がいると言った。
 最初は、「井戸に毒を入れる人」。人のやる気をなくさせ、創造性に水を差し、
できもしないことばかり言う人。
 2番目は、「芝を刈る人」。悪気はないのだが、自分のことしか頭にない。そ
のため、自分の家の芝はきれいに刈るが、人の家の芝刈りを手伝おうとはし
ない。
 最後は、「人を育む人」。彼らは積極的に人々の人生をうよりよいものにしよ
うとする人だ。彼らは精神の高揚とひらめきを人々に与える。

○人材にも段階があって、その人が居るだけで周りも迷惑する「人罪」、人畜
無害な普通の「人材」、そして職場の宝となる「人財」です。せっかく働くからに
は「傍(はた)を楽(らく)」にするような「人財」になりたいものです。


■第一次世界大戦の英雄、フランスの陸軍元帥フェルディナン・フォッシュが
掲げたモットーを紹介したい。
「絶望的状況というものはない。あるのは、自分に絶望した男と女がいるだけ
だ」

○私は同じくフランスのドゴール元大統領の「状況は決して悪くない。腕まくり
して頑張ればもっと良くなる」という言葉を信奉しており、冬場でも長袖のワイ
シャツの袖をいつもまくっています。


■人間は、40日間食べなくても生きられると言われている。また水がなくても
4日間、空気がなくても4分間生きられる。しかし、希望がなければ、4秒と生き
ていられない。

○「財産を失えば小さく失い、 信用を失えば大きく失い、 勇気を失えばすべて
失う」 (ゲーテ、ケネディ)の「勇気」を「希望」に代えても通じる言葉ですね。


■米国史上、指折りの優れた指導者で、コミュニケーションの達人だったリン
カーン大統領は、「人とじっくり話し合う前に、三分の一の時間を自分自身と、
自分がこれから言おうとしていることについて考え、残りの三分の二は相手
と、相手が言おうとしていることについて考えていた」という。

○人間には口が一つで耳が二つある意味を考えれば、少なくとも自分がしゃ
べる倍は人の話を聴かなければならないのでしょう。


■経営学の神様ピーター・ドラッガーは、「コミュニケーションで一番大切なの
は、言葉以外のメッセージを聞くことである」と言っている。

○米心理学者アルバート・メラビアンのメラビアンの法則によれば、他人から
情報を受け取るときは、話の内容が7%、声のトーンが38%、見た目が55%
だそうですから言葉以外のメッセージも大事です。
 また、ノン・バーバル・コミュニケーション(言葉以外)は伝達力でバーバル・
コミュニケーション(言葉)に勝るといいます。昔から「目は口ほどにモノを言う」
とも言いますね。


■男はえてして問題の解決方法を話し合いたいと考える。彼らに必要なのは
「決断」である。ところが女は、ただ単に問題を共有したり「共感」してほしいと
思っている。彼女たちは、決して解決策が欲しいわけではないのだ。

○話が回りくどくて長いのでついつい上の空で、何かをしたり、よそ事を考え
ながら妻の話を聞いていると「ちゃんと聞いているの?」と怒られます。でも
聞いていれば良く特に解決策が欲しいということではないのですね。


■話を聞く時は、積極的な姿勢で聞くのが望ましい。マーケティングの専門家
ジョン・H・メルチンガーは次のように勧めている。
「聞いたことについて、あなたならではのコメントをすること。意味のあるコメント
ができるようになれば、話し手はあなたが聞いていることがわかり、さらに多く
の情報を提供してくれることだろう」

○アクティブ・リスニングということで、頷いたり、コメント、質問といったフィード・
バックをすることで話が一方通行から双方向になります。理解を増すのに質問
力は重要です。


■ロッキード社の前社長ロバート・グロスが、かつて管理職に語った言葉を紹介
しよう。「我々がつくっているのは、自動車でも、航空機でも、冷蔵庫でも、ラジオ
でも、靴紐でもない。我々は人間をつくっている。そして、その人間が製品をつく
るのだ」

○パナソニックという名前に変わる松下電器産業の創業者で経営の神様とも
言われる松下幸之助は「松下電器は何を作っている会社ですか、と聞かれた
ら、人を作っている会社です。あわせて電気製品も作っていますと答えなさい」
と言ったそうです。


■実業家ジョージ・クレーンは、「将来性のある仕事などない。将来性の有無は
その仕事をする人にある」と力説する。

○結局、未来や将来があるかどうかは、その職業ではなく、就業している人が
どういう思いで働いているかによるのですね。


■自分より指導力の劣る人をリーダーと仰ぐことができないように、成長が止ま
っている人から「成長のしかた」は学べない。

○上下でも友達関係でも自分が元気になり、刺激を受ける人と付き合うことで自
分も成長できるのです。しかし、その前に自分も相手からそういう対象として選ば
れるように努める必要があります。


■人間は、大胆な夢を持たない限り、大胆な成功を収めることはできない。自分
の未来像を見せられることによって、能力が引き出され、可能性も大きくなる。
イギリスの偉大な政治家ベンジャミン・ディズレイリの言葉を贈ろう。
「自分の思いを上回る成果を上げることは不可能なのだから、思いはなるべく大
きく持たなければならない」

○戦国武将毛利元就が幼少の頃、守役が元就のことを「中国一の大名になりま
すように」と祈願しているのを聞いて「人の望みはそのとおりかなわないのだから
どうして天下を取るようにと祈らなかったのか」と諭したという話を思い出しました。


■マーティン・ルーサー・キング牧師は、「人間を測る究極的なものさしは、試練と
批判にさらされた時にどういう態度をとるかだ」と述べている。あなたが目指すべ
きは、この人と見込んだ人が、どんな試練にも負けないように手助けすることで
ある。

○「艱難辛苦汝を玉とす」という言葉は本当ですね。何でも簡単に手に入ってしま
えばその価値さえわからないので大切にしません。このことは子供のおもちゃから
ビジネスのいろいろな場面でのサクセスにも言えることです。


■ラルフ・ウォルド・エマーソンの「心から人を助けようとすることは、自分自身を
も救うことになる。これは、この世におけるもっとも美しい報酬の一つである」とい
う言葉は真実なのだ。

○最近は反対の意味に解される傾向がありますが、まさに「情けは人のためなら
ず」ということですね。相互扶助の精神が大事です。


■トラブルの中にこそ、「成長のチャンス」が秘められている。人生で出会うあらゆ
るトラブルは、成長のための大きなチャンスでもある。作家ネナ・オニールが言う
ように、「すべての危機には、再生のチャンスが秘められている」のだ。

○「危機」という言葉は「危険」と「機会」から構成されているように、ピンチは裏
返せばチャンスにもなるのです。


■コロラド州立大学の元フットボール・コーチ、ビル・マッカートニーは、「誰かを
低く評価することは神の創造物に疑問を差し挟むようなものだ」と言う。互いの間
に強固な絆を築くために相手のことをどんなに大切に思っているか、臆すること
なく相手に伝えよう。

○日本人はとかく相手を褒めるのが苦手なようですが、褒めることはおだてるの
とは違うので下心には関係ありません。褒める際は外見や人格といったものより
事実に着目して褒めるのが良いようです。


■優れたリーダーは、自分から行動を起こすものだ。上司が自分から部下と接触
し、現場にも足を運び、絆を築こうとしない限り、十中八九、部下と強い絆で結ば
れることはない。

○「社長室のドアはいつでも空けている」というだけでは部下は誰も自ら報告に来
ません。トップたる者は自ら足を運んで自分や組織に都合が悪い情報を取りにい
かなければなりません。


■ノードストローム・ルール
 ルール1「いかなる状況においても、自分の判断が正しいと信じること」それ以外
にルールはありません。質問があれば、いつでも遠慮なく、部長なり、店長なり、
事業部長なりに尋ねてください。
 ノードストロームは、規則ではなく、人を大切にしている。従業員を信頼し、自分を
磨くことを奨励し、仕事はそれぞれの裁量に任せている。

○ノードストロームのこの1つだけのルールを知ったときは感動しました。細かく些
細なことまで社員を縛るのと比べてどちらがモチベーションを上げるかは明白です。
大抵の人は信頼されるとそれに応えようとするものです。


■ギリシャの哲学者プルタコスの「豊かな土地も開墾しなければ、雑草が生い茂る
ばかりである」という言葉にあるように、「成功したい」という欲求がなければ、どんな
スキルや才能があっても、成功に導くことはできない。

○目標を持ち、それに向けて必要な努力をすることでしか、望む結果を得る方法を
私は知りません。


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