<言葉力を発揮する言葉>


 「人を動かす『言葉力』」秋庭道博著 プレジデント社 
  (■引用 ▲解説 ○私の意見)


■自分から「やらせてください」といってくるのが、できる社員です。
 (サントリー社長 佐治信忠)

○1 自分から進んでやる社員(職員)
 2 言われてやる職員(職員)
 3 言われてもやらない職員(職員)
という段階がありますが、3は論外で受身の2でもあまり使いものにはなりま
せん。


■嫌な上司にめぐり合ったときこそ、サラリーマンの器量の磨きどころ。
忍耐力、知恵、政治力を含めて、人間の器量が試される。
 (経済評論家・作家 江坂彰)

○「ピンチはチャンス」と言いますが、できの悪い上司ならば、返って自分の
優秀さが目立ち、嫌な上司なら忍耐力を磨くチャンスです。要は状況は同じ
でもどう受け取り、対処するかです。


■凄いといわれるリーダーほど「上司キラー」「上司たらし」であったことが多
いのである。
 (神戸大学大学院教授 金井壽宏)

○上司をうまく使うことも「部下力」の大きな要素です。


■自分の意思をしっかりと伝えるには同じことを何十回も繰り返しいわなけ
ればならず、粘り強さ、持続力がないとできません。
 (全日空社長 大橋洋治)

○北川正恭早大教授は三重県知事をしているとき、自分が最高権力者だか
ら命令すれば済むことでも何回も部下を呼んで納得するまで議論し、トップの
本気度を示していました。
 そして指示が伝わっていないことを嘆く幹部には「伝えられない君に責任が
ある」と諭していたものです。


■時間をかけて100点満点の仕事を上げてくる部下よりも、たとえ80点、90点
であっても、いちばん早く仕事を上げてくる部下のほうが上司に強い印象を与
える。
 (モルゲン人材開発研究所所長)

○拙速は時に巧遅に勝るということですね。


■上司のいちばんの役割は何か。多少の独断と偏見があっても早く結論を
出す。
 (キャノン販売社長 村瀬治男)

○すべての材料がそろえば判断するまでもなく、誰でも結論を出せます。
判断材料が足りない中でリスクを取って判断するのがリーダーの役割です。


■われわれの最大の競争相手は同業他社ではなく、目まぐるしく変化する顧
客のニーズである。
 (IYグループCEO 鈴木敏文)

○自治体にとっても同じことがいえます。横並びで他の自治体の動向を気に
かけるよりも住民のニーズ、それも潜在ニーズを汲み取って現場に根ざした
政策を立案してこそ地域格の向上につながります。


■目的や目標がはっきりしていれば、既存の常識を打ち破り、新しいことにも
躊躇なく挑戦できます。
 (キャノン社長 御手洗冨士夫)

○目指すべき頂上が決まっていれば、登頂ルートにはこだわる必要はありま
せん。


■「成果」のなかに「能力や人格的成長」を入れないのはまちがいです。
 (経営コンサルタント 加藤和昭)

○数字で図れる成果だけではなく、志を持ってキャリアをデザインしていること
やその人がいるだけで職場の雰囲気が良くなる人も評価されるべきです。


■面倒くさいと思った瞬間に、幸運は逃げてしまう。
 (福助社長 藤巻幸夫)

○口マメ、手マメ、足マメを惜しまないことにより、人的ネットワークが築かれ、
成果につながるのだと思います。


■ある瞬間、「これしかない」という決定をしても、時間の経過とともにそれは
最善の選択ではなくなる。
 (工学院大学教授 畑村洋太郎)

○朝令暮改が良くないとされたのは状況、環境に変化がないという前提であり、
状況や環境が変われば、朝令暮改どころか、「朝令昼改」、「朝令朝改」でない
と変化に対応できません。


■会社の社長は、もっとも問題を抱えているところにいなければなりません。
 (日産自動車社長兼CEO カルロス・ゴーン)

○トップの職責は、悪い情報にいち早く気づき、もっとも困難な問題に立ち向
かい、最終責任を負うことですね。


■「できるわけがない」と思えば、脳はその優秀なメカニズムを動員して」、
「できない」理由を考えはじめます。
 (ジャーナリスト 清野由美)

○北川正恭早大教授が三重県知事をしていたとき、得々とできない理由を
説明する部下に対して「君たちはできない理由を考えることに関してはプロ
だな」と言ったことが思い出されます。


■どこかで世の中をなめていなかったか。人のせいにしていなかったか。
努力を惜しんでいなかったか・・・・
 (生活創造社長 堀之内九一郎)

○自分の努力の足りなさを棚に上げて環境や他人の責任にしている限り、
成長し、成功することはありえません。


■和気藹々とした雰囲気を保つことを優先して、下すべき決断を下さなかっ
たりすれば、企業として進むべき道を誤ってしまうと思います。
 (GEコンシューマー・ファイナンス社長 山川丈人)

○会社は仕事をする場であり、仲良しクラブや趣味のサークルではない以上
緊張感を持ってジャッジしていく必要があります。


■考え抜いて精根尽きはててから、それでもあきらめず、もう5分、さらに考
える。
 (セコム最高顧問 飯田亮)

○体力でもここが限界だと思うところまでやってみると、そこから新たな限界
が伸びていくことがままあります。


■「夢に日付を入れろ」と、常に私はいっています。
 (ワタミフードサービス社長 渡邉美樹)

○いつ実現させるかを明確に意思表示しておくことで夢の実現の可能性が
高まります。


■行動を具体的に変えないかぎり、決意だけではなにも変わらない。
 (大前・アンド・アソシエーツ代表 大前研一)

○人間は元来保守的な生き物ですから変化を恐れますが、ほんの小さな
ことでも以前と変えることで何かが変わります。


■組織で働くかぎり、目的をもたぬ人間は、目的をもったほかの人間に
使われるだけになる。
 (作家 水木楊)

○目的を持たない船は行くつく先がわかりませんから、そんな人間には
枢要な仕事は任せられないですね。


■自分のできることはすべてやって極限に達したら必ず自分以外の力を
借りることになる。
 (天台宗 酒井雄哉)

○「人事を尽くして天命を待つ」ということでしょうが、全力を尽くさずに最
初から自分以外の力を頼っては神も運も絶対に味方してくれません。


■高い志をもち目標を掲げて努力すれば、環境も改善される。
 (ユニ・チャーム会長 高原慶一朗)

○大事なことは環境が整ってから努力するという順番ではないということ
です。


■自覚した凡才は才能を過信した秀才より前向きな生き方ができる。
 (宮城大学教授 久恒啓一)

○自分に才能や特別な能力がないことを知っている人は「努力するという
才能」を持っているとも言えます。


■意欲のない、燃えにくい人材というのは、いくら高い学歴があっても企業
としては「使えない人材」といわざるをえません。
 (グルメ枡屋社長・大阪初芝学園理事長 椋本彦之)

○人材には、自ら燃えるような「人財」から火を点ければ燃える人材、そして
決して燃えることなく、周りの火勢まで弱めるような「人罪」がありますが、こ
のような方には退場いただくほかありません。


■トライ・アンド・エラーでかまわない。果敢に挑戦した事実に対し、正当な
評価をしていきたい。
 (トヨタ会長 奥田碩)

○「何も変えない事が、最も悪いこと」(トヨタ自動車奥田相談役)というのが
世界一になっても変わらないトヨタのスピリッツですね。
 「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。
唯一生き残るのは、変化できる者である」(ダーウィン)


■ビジネスでは、全員賛成するときはすでに機会を逸しています。
 (APAグループ代表 元谷外志雄)

○逆に言えば、役員会などで全員が賛成するようなアイデアは既に斬新さ
がなく、やめた方がいいのであり、全員反対のときがベストな時期かもしれ
ません。
 トップはたとえ全員が反対でも自分がいいと判断すれば断固としてやると
いうリーダーシップを発揮する必要があります。


■顧客のビジネスに貢献すること以上に、優先すべき事項はありません。
 (日本IBM理事 石垣禎信)

○米百貨店ノードストロームのたった一つの就業規則 「どんな状況におい
ても、自分自身の良識に従って判断しなさい」を思い出しました。


■営業の世界では「だから売れない」という言葉は禁句なんです。
 (東神奈川三菱自動車販売常務 田中雅昭)

○最初から、やる前からあきらめている人間なんてつまらないですね。


■トイレのきれいな会社に投資しても儲かるとは限らないが、トイレの汚い
会社への投資は必ず損をする。
 (ゴールドマン・サックス投信ポートフォリオ・マネージャー 藤野英人)

○ヤン・カールソンの「真実の瞬間」に出てくる話で、トレーが汚れている
飛行機は機体の整備もいい加減と思われるとありました。


■前向きの言い方をすれば自分も前向きになり、逃げの言葉を発すれば、
部下も自分も仕事から逃げるようになってしまう。
 (話し方研究所所長 福田健)

○自分が発する言葉は当然他人だけではなく、自分も聴くことになるので、
自分を鼓舞し、励ます意味でもプロアクティブな言葉を発したいものです。


■「自分の能力はこの程度だから、君、力を貸してくれよ」といえる人は、
なかなか素敵ですよ。
 (ノンフィクション・ライター 長田渚)

○己の力を知り、他人の力を使って総合力を発揮できるのも才能です
が、他人の助けを引き出すためにはまず日頃から自らギブを繰り返して
おく下地が必要です。


■他人を認められない人って、器が小さくて、結局自分の生き方が中途
半端なんだって思いますね。
 (キャスター 福島敦子)

○人物は人物を知るということですね。卑近な例ですが、テニスをやってい
る関係で言えば、ラリーをしているのを見ると、ある程度その人の実力が
わかりますが、全然プレーしない人はハードヒットすることが強いと思うよう
です。


■ネットワークの時代になったとしても、やはり人に会わなければ情報交換
や知的な刺激を受けたりすることはできません。
 (ソニー会長 出井伸之)

○オープンな情報はマスコミやネットワークでも入手できますが、クローズド
で新鮮な情報はキーマンが持っていて関係ができ、会わないと手に入りま
せん。


■「強引なまでに自説を強要できること」を私はリーダーシップの大切な要件
の一つだと考えています。
 (京セラ名誉会長 稲盛和夫)

○自信があり、説得力がないと自説を展開できません。誰も迷っている人に
はついていこうと思わないでしょう。


■何よりも私心がないこと、そして、あるべき姿を求めてやまないということ
 (作家 城山三郎)

○京セラ名誉会長 稲盛和夫さんは、新しい事業や物事の是非を判断する
とき「動機善なりや私心なかりしか」を判断基準にしているそうです。


■私は、社長というのは駅伝の走者みたいなものだと思っているんです。
 (TDK相談役 佐藤博)

○社長を首長と置き換えても全く同じというか、より当てはまります。マラソン
のように一人で走りきるのではなく、勢いがなくなったら次の走者にバトンを
渡して欲しいものですが、どの区間分、走るかを決めるのは自らか、ルール
でかという問題が、多選禁止の法令化だと思います。


■「NO」といわなければならない難しいときこそ、ミドルの出番
 (アサヒビール会長 樋口廣太郎)

○ただし、「NO」を言う際には対案が必須です。


■戦いの勝敗は、戦場に出て決するのが三割で、七割は出る前に決まって
いる
 (作家 津本陽)

○人事を尽くして天命を待つということですが、その前提として可能な限りの
準備が必要です。


■人を動かすのは、情報をオープンにしている人です。
 (作家 中谷彰宏)

○自分だけの情報にしている以上、それだけで終わってしまい、気がつけば
旬を過ぎ、全然使えない情報になってしまいます。人的ネットワークつまり人脈
も同じで、ネットワークがさらにネットワークを呼ぶということがありますが、それ
には2つ条件があり、1つはギブ、利他の精神を持つこと、2つ目はメンテナンス
を怠らないことです。


■最強組織が勝つための組織だとすれば、最適組織は負けないための組織
 (CDIヒューマンロジック研究所所長 小林惠智)

○含蓄のある言葉ですね。そういえばリーダーシップに関して「1匹のライオン
(狼)に率いられた100匹の羊の群れは、1匹の羊に率いられた100匹のライオン
の群れに勝る」というのがありますね。


■人も企業のつまづくのは、自分のいちばん得意の部門である。
 (経済評論家 神埼倫一)

○野球でも空振りするのは、自分の得意なコースを少し外れたところだと言い
ます。


■十分では二分足りない。十二分ではじめて相手は満足してくれる。
 (第一生命保険セールスウーマン 柴田和子)

○顧客の期待に応えるだけでは当たり前で、足りず、印象に残るためには期
待をはるかに超える、ノードストローム、リッツカールトンやサウスウェスト航空
のようなサービスが必要です。


■改革に必要なものは公助、互助、自助という3つの助けだ。
 (歴史作家 童門冬二)

○防災では、被災の際の心得として自助、共助(近所の助け合い)、公助
(消防、自衛隊、自治体等の救援)とされています。


■「成功は成功の母」なのです。
 (シャープ社長 辻晴雄)

○日々、スモール・ウィンを積み重ねていくことで、ビッグ・ピクチャーが実現
するのではないでしょうか。


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